ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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ありんすちゃんが珍しくアルベドといます。アルベドから大きな荷物を受け取ってスキップしながら自分の階層に帰っていきます。とはいってもありんすちゃんの場合には右足右足、左足左足と交互に出しているだけなのでスキップになっていませんが。
さて、ありんすちゃんのお家の屍蝋玄室を覗いてみましょう。
あれあれ? さっきまで元気一杯だったありんすちゃんがベッドで寝ています。スッポリ毛布にくるまって頭のてっぺんしか見えませんね。
お昼になりました。ありんすちゃんは……まだ寝ていますね。うーん……。
「こんちはー。ありんすちゃん、いるかな?」
元気良くアウラがやって来ました。ありんすちゃんは頭までスッポリと毛布をかぶったまま相変わらず寝たままです。
「今日のお昼はカレーライスだって。早く食べに行こう。ありんすちゃん?」
ありんすちゃんは相変わらず無反応です。アウラはしばらくありんすちゃんを誘っていましたが、諦めて一人で行ってしまいました。
部屋に残されたありんすちゃんは身動きひとつしないで寝ています。うーん……少し寝過ぎではないでしょうか?
夕方になりました。ありんすちゃんは相変わらず頭までスッポリ毛布をかぶって寝ています。
「ありんす様、起きていらっしゃいますか?」
今度は戦闘メイドのユリ・アルファがやって来ました。ユリはベッドを見下ろして腕組みをしました。
「さて、いい加減に起きましょうね? ……起きないとボク、私が叱られてしまいますから」
ユリは強引にありんすちゃんから毛布を剥がします。あれ? よく見るとありんすちゃんは本物ではなくて編みぐるみの身替わりみたいですね。
「さあ、ありんす様。起きましょうね」
ユリはありんすちゃん本人だと思い込んでいるみたいです。ありんすちゃんの肩に手をかけて引き起こしました。
「…………」
当然ながら編みぐるみのありんすちゃんは無反応です。ユリはまだ眠っていると思い、ありんすちゃんを強く揺さぶりました。
「!!!!」
ユリが強く揺さぶり過ぎたからか、ありんすちゃんの頭がポロリと落ちてしまいました。編みぐるみなので継ぎ目が弱かったからでしょう。しかしながらありんすちゃん本人だと思い込んでいたユリは驚きました。
「大変! ありんす様が──」
「どうしたっすか? ユリ姉。あんまり慌てると頭が落ちるっすよ」
ユリが顔を上げると、ルプスレギナの覗き込んだ顔がありました。
「ありんす様の頭が──もげて死んじゃった」
「マジっすか? ……こりゃ大変っす!」
ルプスレギナは大騒ぎしながら走り去っていきました。
※ ※ ※
大騒ぎするルプスレギナから加速した騒動は結局、ありんすちゃんの等身大編みぐるみだとわかり終局しました。
ありんすちゃんも今ではニコニコしています。良かったですね、ありんすちゃん。
その夜、アルベドに直してもらったありんすちゃん編みぐるみを抱きしめてありんすちゃんはぐっすりです。なんでもアルベドからルベドの代役を頼まれた際に報酬としておねだりしたんですって。ようやく編みぐるみが出来上がったので、早速ルベド役を張り切っていただけで身替わりのつもりではなかったみたいですよ。
おやすみ、ありんすちゃん。良い夢を……