アンドリュー・ウェイクフィールド監督メッセージ

私は過去20年間、問題が年々増す、自閉症の影響を受けている人々の苦しみを見続けなければなりませんでした。自閉症についての新たな理解、新しい効果的な治療、そして予防の方法の探求などを希望と共に始めましたが、それは医学や医学者を潰すメディアの悪用により、絶望へと転じました。 それから20年、百万人もの子供たちが新たに自閉症になった後に、米国疾病対策センター(CDC)のウィリアム・トンプソン博士が内部告発者として真実を伝えることを決断したことに、私は再び希望を見出しました。数年前、私は私自身がメディアになり、伝える側になろうと決めました。そして、一番のメディアとは映画を撮ることでした。この映画の私たちの目標は、この複雑で高度な不正を、自閉症の影響を受けた普通の家族の悲劇を交えて紡ぎ出し、伝えることでした。この映画は、暗くて不快な真実を明らかにするものです。しかし、無視することはできない真実です。

2016年3月 アンドリュー・ウェイクフィールド

アンドリュー・ウェイクフィールド監督について

1981年にインペリアル・カレッジ・ロンドン, セント・メアリーズ・キャンパスで医学の学位を取得した消化器専門博士。1985年にイングランド王立外科医師会のフェローとなり、炎症性腸疾患に特に興味を持つ消化器外科医として訓練を受ける。トロントで小腸移植を研究するWelcome Trust Traveling Fellowshipを受賞。 2001年、英国の王立病理医会のフェローに就任。ウェイクフィールドは、140以上の医学論文、批評、および書籍の章を出版している。

1995年、ロンドン教育病院に勤務する学術医師の時、自閉症児の親から連絡を受け、消化器障害、MMRワクチン、および小児における神経学的傷害の間の因果関係に関する調査を開始。1998年2月、12人の共著者と共に執筆し、ランセット誌に発表した論文は、医学の歴史において最も論争の的になった一つとなる。同時に最も誤解されている論文でもある。この論文には以下の明確な記述がある。

我々は、はしか、おたふく風邪、風疹ワクチンと記載された症候群との関連を証明できなかった。 この問題の解決に役立つ可能性のある泌尿器科の研究が進行中である。 はしか、おたふく風邪、そして風疹ワクチンとこの症候群との間に因果関係がある場合、英国で1988年にこのワクチンが導入された後に発生率が上昇することが見られるかもしれない。公開された証拠では、変化があったかどうかを示すには不十分である…」

しかし、論文発表後、医科大学の学部長は何人かの共同著者を招いて記者会見を実施。ウェイクフィールドはMMRワクチンの安全性について、親はどうすべきかと問われ、彼は心の中で、MMRワクチンの安全性について十分な疑念があり、1年の間隔を置き、はしか、おたふく風邪、風疹ワクチンを単独接種すべきだと答え、 実際の対応では次のように述べている。「我々は決してワクチン接種の重要さを否定しない。とても重要だと考えます。」「私にとっては道徳的な問題です。この問題が解決されるまで、これら3つのワクチンを組み合わせて接種することは支持できません。」彼は単独ワクチン接種を提唱しており、多くが信じているようにワクチン接種をやめるような発言をしてない。しかしこの記者会見以後、彼は「反ワクチン運動の父」と呼ばれるようになる。

会見後、英国や米国ではMMRワクチンよりも単独ワクチンが選択されるようになる。しかし、英国では単独ワクチンの輸入禁止措置により、単独ワクチン接種の機会が失われ、はしかの流行は避けられなかった。反MMRワクチン感情が高まり、ワクチン接種率が低下するに従い、ワクチン製造業者であるグラクソスミスクラインやメルクは脅かされてく。米国ではメルクがMMRワクチンの特許を単独で所有している。

CDCがMMRワクチンと自閉症に関する研究論文を発表した同じ年の2014年、フリーランスジャーナリストのブライアン・ディアー氏はルパート・マードック氏のニューズ・コーポレーションが所有するサンデー・タイムズ誌にウェイクフィールド他の著者がランセット誌に発表した論文についての調査記事を発表する。そして、英国のチャンネル4と英国医学ジャーナル(BMJ)も、ウェイクフィールド達がデータを改ざんし、不正行為を行ったと結論づけたのである。

ディアー氏は、報告されていない金銭的利益の争いがあることや、他の12人と共著した論文の研究データに改ざんがあるなどとウェイクフィールドの倫理を批判。論文は英国高等裁判所により撤回に追い込まれるが、後にその理由が誤りであることが判る。しかし、ランセット誌は論文の再掲載を拒絶。ディアー氏の主張は、ウェイクフィールドの医師免許剥奪へとつながる。ウェイクフィールドの反論は彼の著書「卑劣な無視(Callous Disregard)」やYouTubeで幾つものインタビューをご覧いただける。

最近では上訴において、英国高等裁判所は、ランセット誌の論文の上級著者に対して提起された主張を覆し、ウェイクフィールドの同僚であるジョン・ウォーカースミス教授を復職させ、無罪としている。ウェイクフィールドは、13人の共著者のうち医師免許を剥奪された唯一の人物である。 彼は国、キャリア、および医師免許を失ったが、この損失を被害家族と共に戦うための代償として戦い続けている。

米国テキサス州オースティンに移り住んだ後、彼は偏見ある企業所有のメディアの医薬マーケティングに自分のメディアで対抗するという目的で、ポリー・トミーと自閉症メディアチャンネル(Autism Media Channel)を共同設立。そして、ウェイクフィールド監督デビュー作「Who Killed Alex Spourdalakis?」というドキュメンタリーを制作。ウェイクフィールドは、ブライアン・ディアー氏、英国医学ジャーナル(BMJ)とその編集者フィオナ・ゴッドリー氏を、テキサス州トラビス郡裁判所に名誉毀損で提訴している。

ウェイクフィールドは子供たちのために戦い続け、数々の賞を受賞し、二作目の著書「自閉症児の戦争(Waging War on The Autistic Child)」を発表。CBS,NBC,ABC,BBCなど世界中のテレビやラジオ局でインタビューを受け、自閉症やワクチンについて話している。

更に詳しく:訴えについてのアンドリュー・ウェイクフィールド博士による解説

日本の状況についての解説

アンドリュー・ウェイクフィールド博士、日本のUrabe-AM9株おたふく風邪ワクチンについて語る

MMR(新三種混合)ワクチンに関して、日本の例は注目に値します。日本は独特な経緯をたどってきたのです。

日本では、はしか、おたふく風邪、風疹の各単独ワクチンに代わり、1989年にMMRワクチンが導入されました。しかしほどなくして、予期せぬほど髄膜炎の発生件数が増え、MMRワクチンがそれに関係していることが明らかになります。ワクチン中のおたふく風邪の成分が原因であると見られました。1993年、国民の反対によりMMRワクチンは正式に中止されます。

また、ある事実により政府の予防接種方針に対する不信感はさらに高まることとなりました。その事実とは、2013年に北里生命科学研究所の中山哲夫博士が述べた内容、すなわち「政府は予防接種を強く推進したにも関わらず、接種によって起こりうる有害事象について、国民や医師に対して説明し、啓蒙する努力を怠った」ということです。

一方、驚くべきことに、横浜市港北区における調査によると、自閉症の発生件数がMMRワクチンの導入や中止と明らかに連動していました。MMRワクチンの導入前、新たな自閉症例は、年間で子ども10万人あたり20人以下でした。それが、MMRワクチン導入後3年で約86人に急増します。1993年、髄膜炎の件が顕著になり、国民の反対でMMRワクチンが中止になると、56人へと再び激減しました。以来、日本ではMMRが非認可となっています。しかし、その後の推移を見て、この事象を研究していた人々は「MMRワクチンと自閉症に必然的な関連性があるとは言えない」と結論づけました。しかし、MMRワクチンの中止後、わずか2~3年で、自閉症の発生数は再び増加し、10万人あたり160人を超えたのです。

この背景には別の要因がありました。1994年の法改正により、日本の赤ちゃんには、満1歳からはしかと風疹の予防接種が同時に推奨されるようになりました。さらにその4週間後から、おたふく風邪ワクチンも任意で接種できます。自閉症が再び増加したのは、はしかと風疹のワクチン接種増加とちょうど比例しています。生ワクチンに同時にさらされるという状況は、日本からなくなっていなかったのです。

さらに注目すべき情報があります。70年代後半にハーバードで、自然感染のはしか、おたふく風邪、風疹、水痘が胎児や新生児に与えうる影響、特に脳炎について研究がなされました。彼らによれば自閉症の子どもは、胎児期のはしか、風疹 おたふく風邪、出生後のおたふく風邪に関し、比較的多く、複合的にさらされていたというのです。ほかにも似た報告がありました。

またMMRワクチンが関連する髄膜炎は、おたふく風邪の「Urabe-AM9」という株によるものでした。この株を含むMMRワクチン製品の説明書きには、「接種後30日以内に無菌性髄膜炎が発生することはまれ」とあります。しかし多くの安全研究は、接種後21日以降には行われていません。21日後以降に髄膜炎が発生したケースが多くあることは明らかであり、安全研究はまったく不十分です。さらに、実は1979年~1985年の間、Urabe-AM9株は単独ワクチンとして、500万件ほど投与されたと見込まれます。日本政府によれば、この期間にワクチン関連の髄膜炎が発生したケースは、あったとしても少数だということです。髄膜炎の発生が急激に顕著になったのは、おたふく風邪、はしか、風疹のワクチンが混合されてからのことなのです。中山博士は「おたふく風邪単独ワクチンに比べて、混合生ワクチンであるMMRのほうが無菌性髄膜炎の発生率が高いが、そのメカニズムははっきりと特定されていない」と述べています。

混合ワクチンは予期せぬ結果をもたらしました。「なぜそのメカニズムが明らかになっていないのか」と人々は当然ながら疑問に思うでしょう。混合ワクチンの初期から明らかなのは、子どもの免疫応答が変わったのに、安全面が懸念されなかったということです。これはなぜなのでしょうか?自閉症の原因に関する手がかりが、幾度となく無視されてきたようです。