『相棒 season 17 #5』のテキストマイニング結果(キーワード出現数BEST10&ワードクラウド)
- 星野
- 若月
- 南雲
- 先生
- ビル
- 冠城
- ナトリウム
- 階段
- 間違
- 塩酸
『相棒 season 17 #5』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)&EPG情報(出典)
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相棒 season 17 #5[解][字]
vs天体物理学者の完全犯罪!?
動機もターゲットも不明!謎に満ちた“殺人の数式”が導く事件の行方とは!?詳細情報
◇番組内容
第5話『計算違いな男』
証拠品の捜索のために夜の神社にやってきた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、不審な行動をしている天体物理学者・星野(木村了)と遭遇する。右京は、彼が誰かを殺害しようと動いている可能性に気付く。公私共に充実しているはずの彼が、なぜ殺そうとしているのか!?捜査を進めると、星野の高校時代に起こったある爆発事故が浮かび上がる…。
◇出演者
水谷豊、反町隆史
鈴木杏樹、川原和久、山中崇史、山西惇、浅利陽介、田中隆三
【ゲスト】木村了
◇スタッフ
【脚本】根本ノンジ
【監督】橋本一
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
最新情報はツイッターでも!
【ツイッター】https://twitter.com/AibouNow
【番組HP】http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
(冠城 亘)
本当に落としたんですかね?
(杉下右京)捜査一課によると
犯人は
そう証言しているそうです。
しかし こんな所で
コンタクト見つけろって
ジャングルで
カメレオン探すようなもんですよ。
冠城くん その比喩なら
「干し草の中から針を探す」
という ことわざのほうが
適当だと思いますがねぇ。
いやいや… 見つけにくい事
伝わればいいんですよ。
あっ! う… 右京さん
ありました コンタクト!
ほら!
あれ? うん?
♬~
(荒い息遣い)
♬~
(星野 亮)あれ?
どうしました?
あっ…!
こんばんは。
えっ!?
何をされているんですか?
あっ ああ…。
ちょ… ちょっと
星を見ていまして。
星ですか。 今夜は これから
大雨の予報が出ています。
天体観測には
あいにくの空模様だと
思いますがねぇ。
お言葉ですが
たとえ曇っていても星は見えます。
はい?
星というのは
一等星から六等星まで
分類されます。
例えば
この時期に見える一等星は
南の低い位置にある
フォーマルハウト。
光度は およそ1.2と明るく
秋の一つ星と呼ばれています。
ほら あそこ。
ああ…
確かに かすかに見えますねぇ。
あっ それに
肉眼で見えなくても
月の位置などから
星の場所は特定できます。
例えば… 例えば あそこ。
あれは
僕が3年前に発見した星です。
星を発見されたのですか。
それは素晴らしい。
えっ? ああ まあ…。
やたら 虫が多いですね。
あっ ちょっと…!
今の方 お知り合いですか?
いや 全然…。
はあ… はあ… 危なかった。
殺す人… 間違えた。
♬~
この季節だっていうのに
すごい虫ですね。
♬~
凍ってるんですよ。
この季節だというのに…。
♬~
♬~
ジャン! やっと見つけました
コンタクト。
(芹沢慶二)コンタクト?
神社で犯人が落としたって。
(伊丹憲一)それ もう いらな~い。
犯人が自白したから。 ハハハ…。
まっ 一応 もらっとくかな。
ハハハハ…。
久々に雑用係なの思い出した…。
何 見てるんだよ?
(青木年男)なんだ 冠城さんか。
新国立天文台のサイトで 星を。
星?
あっ これですねぇ。
発見者は星野亮。
昨日の男が言ってた星ですか?
よくわかりましたね。
彼は
3年前に星を発見したと言って
北西の空を指さしました。
方角から考えて この星だと。
天文学者のようですね。
専門は 「宇宙の起源
ビッグバン理論
及び銀河の形成と進化」。
すごいな。
そうですか?
宇宙の起源なんて発見するより
どこでもドア発明したほうが
よっぽど 人類のためになるのに。
すいませんね。
昨日の夜 神社でお会いした事
ちょっと聞くだけですから。
(白川恵美)神社…。
じゃあ また 先生
天体観測に出ていたんですね。
星野さん すごい集中力ですね。
我々が 声かけても
全然 気づかなくて。
先生は 一度 集中すると
3日間 寝ない事もあるくらいで。
天才によくいるタイプですね。
ええ。 星の事に関しては
天才的だと思います。
実際 先生の論文が
イギリスの研究チームに
認められて
来年 招聘される事が
決まりました。
ほう それは素晴らしい。
《次は絶対に失敗しない》
《そのためには…》
星野先生。
星野先生。
先生!
ああ… 恵美さん。 何?
(恵美)お客様がいらしてます。
どうぞ。
警視庁の杉下です。
同じく 冠城です。
あ… あなた方
警察の方だったんですか。
でも
名乗ってはないはずですが…。
発見した星の事は
教えて頂きましたよ。
方角しか言ってないのに?
この人 仕事熱心なんです。
その指輪
助手の方とペアですね。
婚約指輪ですか?
まあ…。
で ご用件は?
実は 昨日の神社で
ちょっと
気になる事がありましてね。
石段の一部が凍っていたので
調べたところ
瞬時に凍る物質
酢酸ナトリウムが検出されました。
また 異常に虫が多かったので
こちらも調べてみたところ
街灯に
虫が好む液体が塗られていました。
誰かが仕掛けたと思うのですが
怪しい人物を
見かけませんでしたか?
さあ… 僕は何も…。
でも 君がいた場所は
最も 階段を見やすい位置
だったんだよね。
(冠城の声)あの場所から
強いライトで目を狙えば…。
うわっ…!
(冠城の声)あの男性が 階段から
転落していたかもしれない。
恐らく 犯人は
完全犯罪を狙っていたのでしょう。
昨日の夜は 数時間後に
大雨の予報が出ていました。
雨が降れば
酢酸ナトリウムなどの証拠は
消えてしまいますからねぇ。
本当に 誰か見てない?
見てません。
星を探す作業というのは
さぞかし ご苦労が
絶えないのでしょうねぇ。
まあ そりゃあ…。
ちなみに
どのように探されるんですか?
地味な作業ですよ。
日が暮れてから
夜が明けるまでの10時間
望遠鏡に
何千枚もの画像を記録します。
その分 見つけた時の喜びは
ひとしおでしょうねぇ。
そりゃ もう…!
我々も 犯罪の小さなほころびを
地道に探す作業がほとんどで
まるで 干し草の中から
針を見つけているような…。
ジャングルでカメレオンでも
いいですけどね。
ただし 我々は
どんな小さなほころびでも
必ず見つけ出します。
この世に
完全犯罪など存在しません。
何が言いたいんですか?
言いたいのは それだけです。
では 失礼。
♬~
先生
警察の方 なんだったんですか?
なんでもない…。
神社で
不審人物 見なかったかって。
よかった。
私 先生が 何かの事件に
巻き込まれたのかと…。
大丈夫。
それより 昨日の観測データ。
あっ はい。
(星野)ペルセウスの
第二恒星の光度に変化あり。
第二恒星か…。
(携帯電話の着信音)
ちょっと ごめん。
恵美さん 外してくれる?
(恵美)はい。
(携帯電話の着信音)
(若月雄也)おお 星野。 俺だ。
昨日 悪かったな。
パチンコで大勝ちして
行けなかったわ。
大事な話があるって言ったのに!
それより
また 金 貸してくんねえ?
50でいいわ。
いい加減にしてくれ!
もう 300万近くになる。
それぐらいの金 楽勝だろ。
来年 イギリス行くんだし。
どうして それを…?
(若月)「大切な友達だからな
いろいろ調べた」
「ただ お前の正体がバレたら…」
イギリス行きはパーだな。
…わかった。
じゃあ 3日後の朝8時
新町第2ビルの屋上に来てくれ。
面倒くせえ。 俺の口座に振り込め。
無理だ。
口座は 彼女が管理してる。
だったら 100万だ。
なら 行ってやるよ。
100万だな。
その代わり
絶対に第2ビルの屋上だからな。
♬~
あれだけ忠告したから
さすがに もう 諦めたでしょう。
どうでしょうねぇ。
(月本幸子)でも その人
来年 研究のために
海外に行くんですよね?
しかも 結婚も決まってて。
どうして そんな事を…。
まだ その動機も 全く…。
誰を狙ってるかも…。
きっと よっぽどの事情が
あるんでしょうね。
どんな事情があるにせよ
彼は 人を殺そうとしています。
恐らく
まだ諦めていないでしょうねぇ。
《準備は万全だ》
《劣化した電気ケーブルに
電気が通りやすい
塩化ナトリウム水溶液をかけ
ブルーシートで隠した》
《シートの上に乗ったら
革靴やスニーカーを履いていても
確実に感電死する》
《調べられても ブルーシートは
工事に使っているものが
落ちたと思うはず》
《それに 塩化ナトリウムは
1時間もすれば乾く》
《証拠は消える。 完璧だ》
《しかも この時間
パチンコ店は開いていない》
《これで 前回のような
不確定要素は全て潰した》
《あとは あいつを 携帯で
この位置まで誘導するだけ》
(携帯電話の着信音)
もしもし。
(若月)
「おい 着いたぞ。 超 眠ぃわ」
じゃあ
エレベーターに乗ってくれ。
ああ? エレベーターなんか
とっくに乗ったよ。
今 第2ビルの屋上にいる。
えっ?
《どうして…》
(星野)ペルセウスの
第二恒星の光度に変化あり。
《第二恒星の事を
考えてたからか…》
おはようございます。
あとでかける。
どうして?
言いましたよね。
我々の仕事は
わずかなほころびから
犯罪を見つけ出す事だと。
研究室のホワイトボードに
消しかけた数式や化学式が
残っていました。
あれ
塩化ナトリウムの化学式ですねぇ。
他にも 440ボルトの文字や
電気ケーブルの長さなどが
わずかに残っていました。
そこから いくつかの事件を
想起しましてねぇ。
1998年 マニラのビルで
劣化した
440ボルトの電気ケーブルに
男性が触り 感電死しました。
事故死だと思われましたが
犯人が
ビルの屋上で工事中だった看板の
ブルーシートでケーブルを隠し
男性が触るように仕向けて
殺害した事が判明しました。
もうひとつは 2003年 ブラジル。
送電所で
男性が電線のメンテナンス中
感電死しました。
犯人は あらかじめ 被害者を
通電しやすい塩化ナトリウムに
触れさせていました。
あなたが この2つの事件を
模倣しているのではないかと
推察し
犯行のビルを絞り込みました。
このビルは 築年数が古く
劣化した 440ボルトの
電気ケーブルを使っています。
そして 現在 改修工事中。
また ビルの管理人は
まだ出勤していません。
さらに ここ数日
雨が続いていました。
雨で 塩化ナトリウムをまいても
意味がない。
恐らく 狙うなら
今日の この時間だろうと…。
言っただろ。
その人 仕事熱心だって。
今 ドアノブ触ったら ぬれていた。
君の狙いは わかってる。
狙っている人物を
屋上に呼び出す。
そのまま 電話で誘導し
塩化ナトリウムをかけ
ブルーシートで隠した
電気ケーブルの上に立たせる。
神社の時のように
誰かを殺すつもりだったんだろ。
知らない…。
僕は 星の観測に行っただけです。
あの神社の状況も
過去に起きた
いくつかの殺人事件に
非常に酷似していましたねぇ。
1989年 アメリカ ダラスの公園で
女性が 階段を下りようとした際
飛んできた野鳥に襲われて
転落死しました。
女性の服には 野鳥が好む
においがつけられており
襲われるように
仕組まれていました。
つまり 事故ではなく殺人。
あなたは
それら過去の殺人事件を模倣して
完全犯罪をもくろんでいるのでは
ありませんか?
狙っているのは
神社にいた金髪で眼鏡をかけた
長身の男性に似た人物だろ。
(冠城の声)
君が このビルにいると踏んで
手分けして張っていた。
その時 それらしき人物が
車に乗り込むのを見かけた。
前回は人違いをして
今回は場所を間違えた。
しかし
間違いがあろうと なかろうと
あなたが
人の命を奪おうとした事に
変わりはありません。
証拠はあるんですか?
何?
僕が虫を集めたり
階段を凍らせたり
塩化ナトリウムをまいた証拠です。
全部
あなたたちの臆測でしかない。
確かに あなたがやったという
確証はありません。
ですが バッグの中を見せて頂けば
はっきりするはずですよ。
それは任意ですよね。
お断りします。
所持品検査をしたいなら
令状を持ってきてください。
星野さん
はっきり申し上げておきましょう。
今 ここで逃げても
決して あなたのためには
なりませんよ。
なんとでも言ってください。
それじゃ 帰ります。
♬~
先生なら 学会に行っていますが。
存じています。
今日は あなたに お話を伺いに。
先生に何かあったんですか?
このまま 何も起こらないように
したいので
ぜひ 協力してください。
はい。
星野さんの身近に
金髪で眼鏡をかけた
長身の男性はいませんでしたか?
金髪…。
友達でも 仕事関係でも。
あっ…
名前は存じ上げないんですが
確か 高校の時の同級生に。
同級生に?
はい。 先生 半年前に
高校時代の集まりに
出席したんです。
その時の写真に 金髪の方が…。
(三田真一)半年前 女子生徒の
十七回忌の集まりがあって
そこに 星野くんも来ました。
十七回忌?
亡くなったのは 南雲千佳という
物理研究部の部長で
当時
星野くんも在籍していました。
私は 顧問をしておりまして
十七回忌には
私と牧野先生も出席を。
(牧野宗男)僕も物理研究部で
星野先輩の1個下になります。
差し支えなければ
その南雲さんが
亡くなられた理由を
教えて頂けますか?
実は 爆発事故がありまして…。
(南雲千佳)あっ…。
南雲 離れろ!
(爆発音)
(牧野)爆発の規模は
それほどでもなかったんですが
実験していた南雲先輩に
直撃して…。
それがきっかけで
物理研究部は廃部に。
この部室は
今も閉鎖されています。
どのような実験を
されていたのですか?
リボリウムと塩酸の合成を。
ですが 塩酸ではなく
硫酸を注いでしまったようで…。
その十七回忌の集まりに
星野さんも出席した。
驚きました。 星野先輩が来るの
初めてだったので。
その時の写真とかあります?
あっ…。
この人の名前は?
(牧野)若月雄也さん。
星野先輩の同級生です。
若月先輩も この集まりに来るのは
初めてだったんです。
ですが 僕 2人がもめているのを
聞いてしまって…。
(若月)
南雲を殺したのは お前だ。
南雲の事 お前のせいだ。
♬~
若月雄也 34歳 無職。
恐喝の前科がありました。
若月は
中学時代 優秀だったようです。
で 高校3年生の ある時期から
成績が悪化。
悪い連中と
つるむようになったそうです。
典型的な例だな。
卒業後の 星野さんとの接点は?
全く。
例の十七回忌で
久々に再会したそうです。
わかった。
高校時代 この星野って男は
若月って奴に
いじめられてたんだよ。
で その復讐で
殺そうとしてるんじゃないのか?
星野は その席で
16年前の爆発事故の責任が
星野にある事を若月に指摘された。
そして その口封じに
若月を殺そうとしてる。
動機は それだけですか?
爆発の真相が露呈すれば
イギリス行きや結婚が
なくなるからでしょう。
そっちか!
いやいや 俺もね
そうじゃないかと
思ったんだけどね。
しかし なぜ 今になって
爆発事故の事で
もめていたのでしょうねぇ。
(恵美の父)星野くん。
(恵美の父)星野くん。
星野くん 聞いてるのかね?
先生。
あっ?
あっ… なんですか?
大丈夫か?
結婚式も もう近いんだし
もう少し
しっかりしてもらわんと。
はい…。
(若月)お義父さんの
言うとおりだぞ 星野。
(星野)若月…?
なんで ここに?
お前のあとをつけた。
人の事
あんな時間に呼び出しといて
ドタキャンしやがって。
もしかして 同級生の?
あっ どうも。
星野の大親友の若月です。
ちょ… ちょっと来てくれ。
(若月)なんだよ?
いいから。
なんだよ?
(若月)てめえ
マジで金貸す気あんのかよ?
本当に もう勘弁してくれ。
じゃあ いいんだな?
南雲を殺したってバラしても。
イギリスだけじゃなくて…
結婚もパーだぞ。
♬~
今 席を外したら 怪しまれる。
今から言う場所に来てくれ。
また
ばっくれんじゃねえだろうな?
いや…
もう間違えない 絶対に。
(靴音)
(チャイム)
若月さん。
若月さん。
(携帯電話の振動音)
杉下です。
大変だ。 例の若月って奴
死んじまったみたいだぞ。
はい?
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)
(益子桑栄)死亡推定時刻は
午後5時から7時。
(益子)5階から ここまで
頭から落ちたようだ。
被害者は 若月雄也さん。
恐喝の前科がありました。
なんで落ちたんだ?
ここに これが落ちてた。
封筒にも被害者の指紋が付いてた。
という事は 被害者が
落とした封筒を拾おうとして
足を踏み外したって事か。
ちょっと失礼。
もう…。 また なんで
ここにいらっしゃるんですか?
実は この人
完全犯罪で
命 狙われてたんです。
完全犯罪?
誰に?
ある天体物理学者に。
そいつが どうやって殺した
っていうんです?
そいつが犯人だっていう
証拠は?
今のところ 何も。
はあ?
ちょっと失礼。
よしっ!
《検証どおり
不確定要素は僕だった》
《それを取り除いた事が
成功の要因だ》
《これで
やっと研究に集中できる》
《念願のイギリスにも
安心して行ける》
《もう二度と
あいつの顔を見なくて済む》
《もう二度と
会わなくていいんだ》
もう… 二度と…。
♬~
僕は… なんて事を…。
♬~
南雲 離れろ!
(爆発音)
僕は…
また 人を殺してしまった…。
これは?
「HCl・H2SO4
間違えたのは お前だ」
どういう意味ですか?
HClは 化学式で塩酸。
H2SO4は硫酸。
例の爆発事故の事でしょうかねぇ。
やっぱり 爆発事故の原因は
星野だったんだ。
手紙は
若月が出したものでしょうね。
なんですか? これ。
ああ これ
テトロドトキシンという
フグの毒の構造式に
関連するものですねぇ。
そして こちらの数式は
体重と落下距離の関係式ですねぇ。
恐らく
どのような高さから落下すれば
確実に死亡するかを算出した。
まさか あいつ
また 誰かを殺すつもりじゃ?
いえ 今度は完全犯罪ではなく
完全な自殺を
狙っているのではないかと。
自殺?
手分けしましょう。
(青木)協力するのはいいですけど
その代わり
今度 ランチ
一緒に行ってくださいね。
ランチでもなんでも
行ってやるから 早くしてくれ。
じゃあ まず 天文台B棟の
屋上に行ってください。
B棟?
(青木)「数式から考えると…」
高さ28.5メートルから
飛び降りようとしてます。
B棟の高さが それに一致します。
わかった。
(千佳の母)どうぞ。
失礼します。
事故の事を
お知りになりたいんですよね?
これ 娘の実験ノートです。
何かのお役に立つなら。
よろしいんですか?
はい。
ありがとうございます。
♬~
これは…?
娘が亡くなる前に
物理研究部が 全国コンクールで
最優秀賞を取った時の
寄せ書きです。
この寄せ書き
天文学者として注目されてる
星野くんも書いてるので
学校に寄贈しようと思ったんです。
ああ… そうですか。
じゃあ 次
品田駅の跨線橋に行ってください。
(警笛)
♬~
♬~
(ドアの開く音)
あっ…!
あっ…。
ギリギリ間に合った。
頼むから… 死なせてくれ…。
僕は もう 2人も殺してしまった。
生きてる資格なんてない!
それはどうでしょう?
あなたは
計算違いばかりしている。
計算違い?
ただ そのおかげで
誰も殺さずに済んだのですが。
誰も殺してない?
君は 若月さんも 南雲さんも
殺してない。
南雲さんも?
ど… どういう事ですか?
♬~
三田先生…。
星野?
(三田)
なんですか? こんな時間に。
申し訳ない。 どうしても
お二人に お見せしたいものが。
南雲さんの実験ノートです。
部長だった彼女は
備品管理の記録も
書き残していました。
あっ ここ。
2002年6月15日。
爆発事故が起こる数日前
塩酸を別の棚に移し
全ての部員に通達したと
書かれています。
そして 爆発事故当日…。
(千佳)あっ…。
(爆発音)
塩酸と硫酸を取り違えた事で
爆発が起きました。
実験を担当したのは
南雲さん 星野さん 若月さん。
取り違えるとしたら
星野さんか 若月さん
お二人のどちらかしかいない。
だから 僕が間違えたんです。
そうなんですか? 校長先生。
あなたは ご存じのはずですよ。
いえ… 私は何も…。
では これを見てもらえますか?
南雲さんの部屋にあった
寄せ書きです。
彼女が書いた文章。
行の頭の文字を繋げると…。
「みた先生 愛しています」
南雲さんは
三田先生に思いを寄せていた。
そして
あなたも同じ思いだった。
えっ?
そんなの ただの偶然でしょう。
そうでしょうか?
あなたは
南雲さんが亡くなったあとも
恋人も作らず
ずっと独身を貫いてるそうですね。
調べたら 隣町の図書館で…
当時 お二人が
よく一緒に来てたという
証言が取れました。
あなたは
彼女が事故で亡くなった事が
どうしても
納得できなかった。
そして 半年前
あのノートを目にした。
(三田)拝見します。
(冠城の声)
あなたは 爆発の原因が
星野さんか若月さんにある事に
気づき
それを確かめようとした。
そこで 星野さんと若月さん2人に
同じ手紙を出した。
2人? 僕だけに
届いたんじゃないんですか?
それが違った。
若月さんの部屋からも
これと同じものが。
あなたは
2人に手紙を出した上で
十七回忌の集まりに
来るように促した。
献杯。
(冠城の声)そして その席で
爆発事故の話題を切り出した。
南雲が死んで もう16年か。
でも 久しぶりに
星野も若月も来てくれて
彼女も 天国で喜んでくれてるよ。
そうですね…。
(星野)
どういうつもりだ? この手紙。
南雲さんが塩酸を移動した事も
全然知らなかった。
だから 間違えたとしても…
わざと やったわけじゃない。
じゃあ なんで 16年前 黙ってた?
えっ?
南雲を殺したのは お前だ。
南雲の事 お前のせいだ。
(冠城の声)そんな会話を
あなたは聞いていたんでしょう。
あなたは 若月さんが
自分にも届いた手紙の事を伏せ
星野さんを脅す事に
違和感を抱き
薬品を取り違えたのは
若月さんであると確信した。
それ以後
若月さんの動向を探り続け
あの日 直接 確かめようとした。
待ってください。 あの階段に
仕掛けをしたのは僕です。
先生は殺してません。
あれも いくつかの事件を
参考にしたようですねぇ。
1992年のメキシコで
男性が
マンホールに転落死した事故。
実は マンホールが落ちるように
細工されていました。
もうひとつは
1969年 福岡。
一万円札を地面の上に置き
相手を足止めし
ビルの上から鈍器を落下させ
殺害しました。
あなたの狙いは
こうだったのではありませんか?
まずは 若月さんを
非常階段の5階に呼び出し
電話で 階段を下りるよう促した。
亡くなった若月さんは
体重が80キロ近くありました。
現場の階段の2段目と
3段目の端が溶けていました。
調べてみたところ
塩酸が検出されました。
あなたの事です。
若月さんが 一定の時間 乗ったら
落ちるよう
細かい計算をしたのでしょう。
そして その段で立ち止まるよう
お金の入った封筒を置いた。
(きしむ音)
しかし
階段は落ちてはいませんでした。
あなたの知らないところで
計算違いが起こっていたのです。
えっ!?
三田先生。
若月さんを殺したのは
あなたですよね?
♬~
あの時…
若月が言ったんです。
(三田)若月。
三田先生。
何してんすか? こんなとこで。
南雲の事故で
塩酸を間違えたのは お前か?
はっ?
お前だよな?
だから あの手紙を見て
十七回忌に来たんだろう?
ハッ…
あれ 先生が出したのかよ。
教えてくれ。
お前が間違えたのか?
そうなんだろ?
面倒くせえな。
俺っすよ。
でも 今さら なんすか?
警察 突き出します?
あれ? もしかして
南雲の事 好きだったんすか?
まさか 今も独身なの
それが理由?
うわ… ハッ。
いい年して純愛とか
マジ引くわ~。 ハハッ。
もう忘れましょう。 ねっ?
あれが あの女の寿命ですよ。
死ぬ運命だったんすよ。
失礼します。
あっ!
(階段を転げ落ちる音)
(衝撃音)
♬~
許せなかった。
彼女の死を冒涜されたみたいで…。
(たたく音)
星野さん。
確かに あなたは
運良く 誰も殺さなかった。
しかし
自分の身を守るために
殺害を計画した事は
紛れもなく犯罪です。
きちんと
自分の罪と向き合ってください。
はい。
♬~
そうですか。
ただ 天文台もクビになって
イギリス行きも
なくなったみたいです。
何 見てるんですか?
ああ… 星を。
星? こんな都会に
星なんか見えますか?
どんな空の下でも
星は見えますよ。
たとえ 星野さんが
全てを失ったとしても
星は消えません。
♬~
恵美さん…。
♬~
あっ! 流れ星。
えっ? どこですか?
もう消えてますがね。
彼女は危険です。
(遠峰小夜子)こんにちは。
男を手玉に取り 命まで奪う
平成の毒婦。
(連城建彦)遠峰小夜子は
連続殺人事件の被告です。
(小夜子)殺してませんよ 私。
冷酷な女だ。
(連城)モンスターには
モンスターをと考えましたがね。