今の気分に似合う、“いい感じ”のダイバーズウォッチがこのたびリリースされた。110年以上の歴史がある独立系スイスブランド『オリス』の新作だ。ベースとなるモデルは、2015年に発表されたシンプルな面持ちの「オリス ダイバーズ 65」。本来深海に潜るために設計されたダイバーズウォッチは機能性を確保するためゴツめのデザインが多いのだが、同作の発表時には40mm径という非常にモダンなサイズ感とレトロな顔立ちで注目を浴びた。それから3年、サイズのアップダウンを繰り返し、『オリス』のなかで盤石な立ち位置を獲得した同モデルに今年仲間入りしたのが、今回紹介する「オリス ダイバーズ65 2018」だ。
古き良き時代のダイバーズウォッチをベースとしたレトロなデザインは、オーセンティックで温かみのある表情が特徴。ドーム型の風防やペンシル針といった歴史を感じさせるディテールも気分を盛り上げてくれる。そしてなんと言っても、ブルーとベージュのコンビネーションが絶妙だ。その配色はフェイスだけでなくストラップまで統一されており、まるで海と砂浜が混ざり合うさまを暗示するかのよう。どこか意味深で洒落たデザインは、きっと普段の装いに潤いを与えてくれる。
実は、このストラップにはバックボーンがある。素材に「r-Radyarn」と呼ばれるリサイクルプラスチックが用いられており、地球環境への配慮がなされているのだ。再生材料を使うだけでなく、製造プロセスにおけるエネルギー消費も従来の約半分に削減。そもそも機械式時計は電池交換が必要なクォーツに比べてサスティナブルだと言えるが、このブルーとベージュのストラップには、より突き詰められた企業理念が宿っている。
腕時計を身に着ける理由は、きっと人それぞれだ。機械仕掛けならではのメカニカルな要素に惚れたり、ブランドの歴史に心動かされたり、背景にロマンを感じたり、単純にデザインが好きだったり、ちゃんとして見えるという社会性を担保するためだったり。でもそこに共通している要素は、身に着けることによってなんとなく気分が良くなる、ということではないだろうか。そこをしっかり満たしているからこそ、『オリス』の新作ダイバーズは“いい感じ”なのだ。
Text_Naoki Masuyama
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