きのう、川上量生さんというカドカワ代表取締役の人が、情報法制研究所(通称「JILIS」)に対してJILISと私に記事やツイートなど発言の削除と謝罪を求める抗議文らしきものを送付してこられた旨が、川上量生公式ブログで公表されました。


 正直、私もJILISのメンバーも、川上量生さんが何の根拠で発言の削除や謝罪を求められているのか、良く分かりませんでした。


 政府委員として、また、上場企業の代表取締役として、川上量生さんが公に通知している内容に対し、私が批評、意見論評を加えたのは事実です。しかしながら、仮にその私の意見が川上量生さんの意にそわなかったとしても、理由なく削除したり、川上量生さんに謝罪するべき性質のものではないからです。なんでそんなに怒ってプルプルしているのか理解できません。


 理解できないので、このたび訴訟を提起しました。


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 差出人も、「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」(以下、「検討会議」といいます。)の委員の川上量生さんなのか、カドカワ株式会社代表取締役社長川上量生さんなのか、広尾のIngressプレイヤー川上量生さんなのかが分からないので、封筒がカドカワ株式会社のものであったことも勘案し、川上量生さんとカドカワ株式会社とを被告といたしました。


 事件番号は「東京地方裁判所 平成30年(ワ)第35755号」となります。


情報法制研究所に抗議文を送付しました。
http://ch.nicovideo.jp/kawango/blomaga/ar1697280


川上量生さん(カドカワ代表取締役)から「抗議」という名のラブレターが届く RT @nkawa2525 - やまもといちろう 公式ブログ https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/13205827.html


 川上量生さんの通知については「ぐるぐるロボコンパンチ」と評した件を筆頭に、この内容が発言に対する削除と謝罪の対象となるとは思えません。「ぐるぐるロボコンパンチ」という表現の、どこが名誉棄損なのでしょうか。ぐるぐるパンチもロボコンパンチも大変重要な文化的表現であり、私やJILISだけでなく、人類最古の最終兵器であるぐるぐるパンチや往年の名作『がんばれ!! ロボコン』を川上量生さんは愚弄しています。ガンツ先生(CV 野田圭一)を理解しない人物が、削除と謝罪を要求するなどあり得ない。いみじくもカドカワ株式会社というコンテンツ産業を支える企業の経営者としては、極めて軽率な言及と言えます。文化を守るべき有識者であり、政府委員であるはずの川上量生さんは、0点であり、デンガラガッタであります。


グルグルパンチ とは【ピクシブ百科事典】 #pixpedia #pixiv https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%81

ロボコンパンチの画像検索結果

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%81&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=2ahUKEwjHzrXT8NPeAhUXQN4KHYpQCQ0QsAR6BAgFEAE&biw=1536&bih=819


 川上量生さんは、ご自身の主張のなかで「ネットでの誹謗中傷について、どこまで許していいのかの判断基準をいくつか示せればいいと思っています」と語っています。おそらく、川上量生さんが知らないだけで、過去の判例は山ほどありますし、もはやネットでの誹謗中傷に関するテンプレさえも一部訴訟において裁判所で飛び交う状態です。なのに、無関係のJILISに川上量生さんは抗議文を配達証明付き速達で送り、そしてなぜか全文をご自身のブログに掲載しました。公開するんなら配達証明付き速達なんていらんだろ。


 大企業の経営者として、政府の政策に関与する有識者として、川上量生さんは意見の合わない人物に対して恫喝めいた発言をすればみな引き下がると川上量生さんは思っているかもしれません。業績の良いうちは、それで良かったのでしょう。みな、川上量生さん凄いですね、天才ですね、業界を担って立つ優れた経営者ですね、とおだて、崇め奉ったのかもしれません。黄金時代を迎えたニコニコ動画が日本のコンテンツ産業の希望であり、その旗手として川上量生さんが祀り上げられた絶頂期は、確かにありました。あー、すごいすごい。川上量生さんはえらいんだねー。へーー。


 しかしながら、いまや業界の弾除けに過ぎません。業績は剥げ落ち、頼みのニコニコ動画は海外競合に競争に負けて大幅な会員数減少に見舞われ、経営者としても時代の代表者としてもその評価は失墜しました。赤字転落してんじゃねーよ。そんな川上量生さんをフランス語で端的に表現するならば、良く分かりませんが、まあとにかく滑稽な主張をぶら下げて有識者として利害関係者の多い政策審議の場で珍説を繰り広げないでほしいわけです。


 そんな川上量生さんから恫喝のような抗議文をもらって、はいそうですかと削除して謝罪すると思います?  高らかに歌うZARDに「負けないで」って煽られて育った世代ですよ私は。きちんと主張を掲げて頑張って最後まで戦います。権力者だろうが大企業経営者だろうが、馬鹿なことを言っている人には馬鹿なこと言ってるんじゃねーよと言える社会の一員でありたい。そのような自由な民主主義の社会は、与えられるものではなく勝ち取るものです。


 「訴えてもいいですか」ではなく「訴えました」であり、威嚇射撃ではなく全弾命中であります。ああ、選ばれし者の恍惚と不安、共に我にあり。人類の未来がひとえに我々の双肩にかかってあることを認識するとき、眩暈にも似た感動を禁じ得ない。いやー、戦いってほんと良いものですよね。


 なお、今年の大みそかに開催される『第69回裏紅白歌合戦』では、すでに川上量生さんと私は「ガチ相撲裏紅白場所 2018 前半戦」で取組が行われることは決まっています。真剣勝負です。本件訴訟においても、法廷を舞台に最後まで戦い抜きたいと存じます。


第69回裏紅白歌合戦

http://jiyujoho.a.la9.jp/ukoh18.htm


 引き続き、よろしくお願い申し上げます。


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