ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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ありんすちゃんはエ・ランテルの街を歩いていました。と、角を急に曲がったところで女の人とぶつかりそうになりました。
「あっぶないなー」
黒いマントの女は紫の瞳でありんすちゃんをまじまじと見つめると少し驚いたみたいでした。
「んー。なんか強い魔力を感じるなー。もしかしてただものじゃないのかな?」
「ありんちゅちゃんでありんちゅ。タダじゃないでありんちゅ」
「ふーん。まいっか。ありんちゅちゃん、ズーラーノーンに入んない?」
「ズラロン? でありんちゅか? おもちろちょうでありんちゅね……いいでありんちゅ」
なんと……ありんすちゃんは初対面の怪しい女に誘われて、ズーラーノーンに入っちゃいました。大丈夫でしょうか?
「ところでズラロンはおいちいでありんちゅか?」
うーん……どうやらありんすちゃんはズーラーノーンをお菓子かなにかと勘違いしているみたいですね。本当に大丈夫でしょうか?
「……うーん……まあ、おいしいっていうより色々良い思いは出来るかなー? そのうちに盟主にも会えるよー。結構凄いからねーその人ー」
女はありんすちゃんの手を引っ張って走り出しました。ありんすちゃんはどこに連れていかれてしまうのでしょう。ナザリックに学校があったら『知らない人についていってはいけません』と教わる事が出来たでしょうが……
と、突然女が立ち止まりました。顔面が蒼白で、手が震えています。ありんすちゃんは女を見上げました。
「どうちたでありんちゅか?」
「しー……静かに。あいつ……モモンだ」
見ると冒険者仲間と話をしているモモン──アインズの代わりにパンドラズ・アクターでしたが──がいました。どうやら女はモモンに酷く怯えているみたいでした。
「……あいつに私、一度殺されたから……あいつの正体はアンデッドなんだ」
ありんすちゃんは目を丸くしました。なんという事でしょう?パンドラズ・アクターは本当はアンデッドとは知りませんでした。するとドッペンゲルガーはアンデッドなのかもしれませんね。
しばらくするとモモンと冒険者は別れ、モモンは馬車に乗って去りました。
女は深くため息をつくとまたありんすちゃんの手を引いて走り出しました。
そうこうしてありんすちゃんは女──名前はクレマンティーヌと名乗りました──と一緒にズーラーノーンの秘密施設の一つに着きました。
このままありんすちゃんはズーラーノーンの幹部になってしまうのでしょうか? それも仕方ありませんよね。だってありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なんですから。
※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました