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【野球】

世代ナンバー”腕”星稜・奥川 神宮大会3戦 15イニングピシャリ

2018年11月14日 紙面から

札幌大谷戦で力投する星稜の奥川=神宮球場で(武藤健一撮影)

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 高校の部決勝は、札幌大谷(北海道)が星稜(石川)に2-1で逆転勝ちし、初優勝を決めた。来春センバツの神宮枠は北海道地区に与えられ、同地区の出場枠は「1」から「2」に増える。来年ドラフト1位候補の星稜・奥川恭伸投手(2年)は「5番・右翼」で出場し、7回途中からリリーフ登板。打者4人から3奪三振と力投したが、1991年以来27年ぶりの優勝はならなかった。大学の部は、立正大(東都)と環太平洋大(中国・四国3連盟)が、14日の決勝に進出した。

 自らの併殺打で敗戦の瞬間を迎えた。星稜は札幌大谷に逆転負けで、準優勝。最後の打者となった奥川が、さばさばした様子で振り返った。

 「負けたんだなと。神宮優勝の目標を達成できず、悔しいです」

 前日に7イニング、100球を投げた疲労を考慮し、この日は右翼手で出場。1年生右腕・荻原が6回まで無失点と好投したが、7回につかまった。逆転された後の2死一、三塁のピンチでリリーフ登板。3番・飯田を145キロ直球で空振り三振に仕留めると、そのまま3者連続三振を奪った。

準優勝の星稜ナイン=神宮球場で(武藤健一撮影)

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 「開き直って、三振を取りにいった。流れを持ってきたかった」。直球は自己最速150キロに迫る148キロをマーク。だが、打線がわずか1安打に封じられては、なす術はなかった。松井秀喜さん(44、元巨人、ヤンキースほか)を擁した1991年以来27年ぶりの頂点には届かなかった。

 優勝は逃したものの、今大会の奥川は、世代ナンバーワンを証明する内容、結果を残した。全3試合で計15イニング1/3を投げて26奪三振。新たな武器であるフォークも、使えるめどが立った。高松商戦で1失点したが、自責点はゼロ。防御率0.00で大会を終えた。「これまでは10割の力で抑え込んでいたのが、打者を見て投げられるようになった」と収穫を挙げた。

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 出場確実な来春センバツは、優勝候補の一角。「カウント球の精度を上げたり、バットの芯を外す変化球に取り組みたい。ひと冬乗り越えて、もっといい投球をしたい」。春の甲子園で手も足も出ない投球を披露し、今度こそ日本一をつかみ取る。 (麻生和男)

【高校】

▽決勝

星稜(北信越) 000010000―1

札幌大谷(北海道) 00000020x―2

(札幌大谷は初優勝)

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