松浦晋二郎ブログ

民事訴訟は私人間の権利義務を私的自治の範囲内で自由に処分する場であり学問上の真理を確定するための場ではないので民事訴訟と学問上の真理確定とは無関係である。従って自己の著書論文に多数の学問的間違いを書いている学者が、自己の著書論文の学問的間違いを指摘した相手のことを恨み、名誉毀損を理由に民事訴訟で当該相手を訴えて恫喝し無理やり相手に「謝罪文」を書かせてみても学問上の真理を自己に有利に書き換えることは不可能/東大文学部卒業。同志社ロー修了/行政書士試験合格/連絡先ivishfk31@gmail.com

千田有紀訴訟 これまでの事実経過

 

千田有紀訴訟 これまでの事実経過】

私は2017年1月と5月に武蔵大学千田有紀教授にインターネット上で私の実名を名指しで執拗に名誉毀損をされたが私と同じ卒業大学の先輩なので温情で刑事告訴しなかった。私は2016年秋以降学問的根拠を多数挙げて千田氏の著書、論文、新聞記事、ツイートを批判していた。千田氏の論文には、「千田氏の博士論文」(以下これを「千田博士論文」と呼ぶ)と「千田氏の博士論文ではない論文」(以下これを「千田岩波論文」と呼ぶ)という、全く同一タイトルであるが二つの異なる論文が存在する(注1)。2017年2月から4月までの間、私はこれら2つの異なる論文が存在する事実を知らずに、「千田岩波論文」を「千田博士論文」であると誤解してブログ記事を執筆し続けていたが、私が上記の誤解をしたままブログ記事を書き続けている事実を千田氏は知っていながら私に連絡せずに、私のブログ記事数が増加するのを黙ってじっと見続けていた。つまり千田氏は自己の意思で自己の損害(=千田氏の主張するところの、私の千田氏に対する名誉毀損の損害)を拡大させ続けたのである。2017年4月下旬、千田氏は私のブログ記事数が増えた頃合いを見計らって、名誉毀損を理由に私を訴えてきた(以下この訴訟を「千田有紀訴訟」と呼ぶ)。千田氏の訴状の内容を見てみると、私が千田氏の著書、論文、ツイート、新聞記事について学術的な事項に関して質問や批判を行っていた点について千田氏からのまともな学術的回答は全くなく、当時、私が「千田岩波論文」を「千田博士論文」であると誤解してブログ記事を書いていて、「千田博士論文」に捏造個所があるとネット上で指摘したことが千田氏に対する名誉毀損にあたる、という主張を繰り返すだけの形式的な内容の訴状であった。もっとまともな学術的応答が千田氏側からなされるものと期待していた私は訴状を読んで落胆した。当時、私が「千田岩波論文」と「千田博士論文」という同一タイトルだが内容の異なる2つの論文がある事実を知らずにブログ記事を書いていたことは間違いない事実なので、この点の事実関係を裁判で費用と時間をかけて争ってみてもあまり意味がないと私は判断した。そこで私が千田氏側と交渉した結果、千田氏との間で「訴え取下げの合意」が締結された(注2)。当該「訴え取下げの合意」の中では、(ア)即座に私が千田氏側に30万円を支払い、(イ)旧ブログ「総合研究所」に2週間だけ継続して「謝罪文」を掲示すれば千田氏が訴えを取下げ、かつ、私の氏名も公表しない、という合意がなされた。「謝罪文」の文面は千田氏側が予め作成していた文面であり、私にとっては全く納得のいかない不本意な内容であった。しかし私はあくまでも学術的なことにしか興味のない学問愛好家のただの貧乏人であるので30万円を即座に千田氏に支払って、謝罪文を2週間だけ掲示して済むのならそうしよう、「2週間だけ」なら受忍できる、と判断した。私は「訴えの取下げの合意」で定められた自己の義務を完全に履行した。千田氏も2017年5月12日に訴えを取り下げた。これにより上記訴訟は終了した。ところが千田氏は2017年11月3日になって突如、ツイッターで私を名指しで「裁判する」と言って訴訟提起宣言を行った(しかしその後、結局、現在に至るまで千田氏は訴訟提起しなかった。私にとっては全く迷惑この上ない話で、私は千田氏の訴訟提起宣言によって多大の精神的苦痛を受けた)。そして千田氏は同年11月3日、上記「謝罪文」を自己のツイッターアカウント「千田有紀」のトップページ上に固定ツイートで私の実名記載の上、掲示し始めた。この行為は千田氏による「訴え取下げの合意」違反である。もしも「訴え取下げの合意」の時点で、将来的に千田氏によって、千年先まで、未来永劫、私の「謝罪文」が私の実名とともに掲示され続けることが予め解っていれば私は絶対に千田氏に「謝罪」などしなかった。千田氏側が提示した条件が「松浦が30万円を千田側に直ちに支払い、かつ、松浦のブログに2週間だけ謝罪文を掲示すれば千田は訴えを取り下げる、私の氏名も公表しない」という条件であったから私は「訴え取下げの合意」を千田氏と締結したのである。しかも上記2017年11月3日付の「謝罪文」が添付されたツイートの本文には事実に反する記述が含まれており、閲覧者に対して事実関係についての重大な誤解を与える内容になっている。2018年10月15日には上記2017年11月3日付の「謝罪文」が添付された「固定ツイート」が変更され新たな「固定ツイート」に変わった。千田氏による「訴え取下げの合意」違反は現在もなお続いている。

 2017年11月3日以降、千田氏によって多数の名誉毀損行為もなされた。しかし千田氏から私に対する謝罪は一度たりともない。

  千田氏は2017年11月4日にツイッターで次のように発言している:

f:id:hate5na7:20181028103944p:plain

このように千田氏は私が千田氏の博士論文(千田博士論文)を読みもせずにブログ記事を書いていたと非難している。

そこで私は2018年に入ってから、千田氏の博士論文(今度こそ本物の「千田博士論文」!)を実際に取り寄せて、新たに次のブログ記事を書いた:

千田有紀氏・博士論文「『家』のメタ社会学」を読む(1)~(13) - 松浦晋二郎ブログ

私は上記ブログ記事の中で千田博士論文に関して多数の学問的根拠を挙げて批判をしたり質問をしたりしながら記事を書いたが、その後現在に至るまで千田氏側からの学問的応答は一切ないばかりか、千田氏はいまなお「松浦晋二郎氏に博士論文や著作の事実無根の名誉棄〔ママ〕損をされた」をネット上でオウムのようにひたすら繰り返すばかりである。

 千田氏は2016年11月18日付ツイートで次のように発言している:

f:id:hate5na7:20181028125109p:plain

千田氏の博士論文が、あり得る反論をすべて想定して、それを全部潰す方向で緻密な論理で書いた博士論文であるのなら、私の批判や質問に対しても緻密な論理で反論できるはずである。

 

〔注〕

注1「千田岩波論文」、「千田博士論文」とは?

千田有紀氏の博士論文のタイトルは、

「家」のメタ社会学 : 家族社会学における「日本近代」の構築

です。

ところが千田氏には全く同一タイトルでありながら、「博士論文」と、「博士論文ではない論文」という、2つの異なる論文があります。博士論文ではない論文は岩波『思想』No.898号に所収されています。

当ブログ過去記事でもすでに述べましたように、当ブログでは上記2つの論文を区別するため、千田氏の博士論文を「千田博士論文」、岩波『思想』No.898号所収の、博士論文ではない論文を「千田岩波論文」と呼ぶことにしています。

私は2017年2月から4月まで、「千田岩波論文」と「千田博士論文」という同一タイトルだが内容の異なる2つの論文がある事実を知らずにブログで記事を書いていました。この点の事実関係については次の記事をお読み下さい:

http://hate5na7.hatenablog.com/entry/2017/11/05/190525

 

注2 

 私と千田氏との間で「訴え取下げの合意」が締結されるや否や、千田氏は2017年4月30日にYahoo!ニュースに次の記事を書いた:

ツイッターにはなぜ、誹謗中傷があふれるのか――ネットの損害賠償等請求の経験から(千田有紀) - 個人 - Yahoo!ニュース

この記事は、千田氏に都合のよい事実だけを一方的に並べ立て、千田氏に都合の悪い事実は全て隠蔽することによって、千田氏を名誉毀損の100%の被害者であると印象操作し、私だけを名誉毀損の100%の加害者として一方的に断罪するフェイク・ニュースである。たとえば本文でも述べたように、2017年2月から4月までの間、千田氏は自己の意思で自己の損害(=千田氏の主張するところの、私の千田氏に対する名誉毀損の損害)を拡大させ続けた。しかし千田氏はこの点について2017年4月30日のYahoo!ニュース記事では一切、触れていない。また千田氏は同記事の中で「弁護士事務所から(松浦のところに)警告が行った」と書いているが、この点もあたかも私が千田氏側から警告を受けたにもかかわらず警告を無視してブログ記事を意図的に書き続けたかのような非常に誤解を招く記述になっている。たしかに千田氏の代理人を名乗る人間から私のところにメールは届いた。たしかにそのメールには私のブログ記事が名誉毀損に該当する旨、たった一言、書かれてはいたが、私のブログ記事の具体的内容のどこがどのように名誉毀損なのかを具体的に指摘する内容ではなかったうえ、私の住所を一方的に聞き出そうとする失礼なメールであり、かつ、私の方から当該弁護士を名乗る人物に対して電話連絡することを禁じた怪しげで、かつ、失礼な内容のメールであった。要するに私のところに本物の弁護士なのか偽物の弁護士なのかよく解らない人物から怪しげで失礼な内容のメールが1通届いただけであり、千田氏の主張する「警告」とはとても呼べないような内容のメールであった。しかも私の方から当該人物に電話連絡はしてこないようにと書いてあったので、こちらからその人物に連絡し問い合わせる必要はないと私は判断した。この点についても過去記事で述べた通りである。当該メールには、当時、私が「千田岩波論文」を「千田博士論文」であると誤解してブログ記事を執筆し続けている事実についての指摘は一切なかった。もし当該メールの中で当該事実の指摘がなされていればそれ以後、私はブログ記事を書き続けることはなかった。千田氏は上記4月30日の記事の中で「弁護士事務所から警告が行った時点で削除に応じてくれていれば、その相当額も必要なかったのであるが。」と書いているが、なんのことはない、千田氏は、当時私が「千田岩波論文」を「千田博士論文」であると誤解してブログ記事を執筆し続けていた、という、千田氏がそれ以上の名誉毀損の損害拡大を阻止するうえで最も重要な鍵となる事実については私に教えずに、私のブログ記事数が増加していくのを黙ってじっと見ていたわけである。この行為は後日、千田氏が名誉毀損の被害者を100%演じ切るために必須不可欠な工作活動だったのである。

 

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