ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫
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050ありんすちゃんまたもやメイドみならいになる

 さて、今日のありんすちゃんは何をしているのか、覗いてみましょう。

 

 おや? ありんすちゃんは着替え中ですね。どういう気まぐれか、またしてもメイド服を着ようとしています。

 

 あらあら。先にホワイトブリムを付けた頭で着ようとしたので、頭が引っかかって出て来ないですよ。ありんすちゃん、落ち着いて。一旦頭を戻してホワイトブリムを外した方が……ああ……そんなに暴れても無理ですって。

 

 激しい物音でようやくヴァンパイア・ブライドが駆けつけて来ました。ヴァンパイア・ブライド三人が寄ってたかってありんすちゃんにメイド服を着せようと悪戦苦闘しています。

 

 ようやくメイド見習いのありんすちゃんに変身ですね。

 

「……ようやく支度出来ましたね。……わん」

 

 顔の真ん中に継ぎ目がある犬の頭をしたメイド、ペストーニャ・S・ワンコが顔を覗かせました。

 

 ありんすちゃんはスカートを摘まんで優雅にお辞儀をします。

 

「今日はお願いするでありんちゅ。ワン」

 

 ペストーニャもお辞儀で返します。

 

「よくお似合いですよ……わん」

 

 この前より何だかありんすちゃんのやる気が感じられますね。まあ、前回はユリ以外、あまり良い手本ではなかったみたいですが。

 

 とりあえず今回、どういう気まぐれかまたまたメイド見習いを体験するみたいですね。

 

「それでは、まずは姿勢と歩き方の練習をしてみましょう。……わん」

 

 うーん……前回ユリが匙を投げてしまいましたから、ちょっと心配ですよね。大丈夫でしょうか?

 

 なんと! 意外にもありんすちゃんはちゃんと歩いています。姿勢良く、上品でなんとなく気品すら感じられます。

 

 ありんすちゃんはやれば出来る子なんですよね。まあ、普段は全くやる気がないみたいではありますが……

 

「良く出来ました。……わん。……一旦、お茶にしましょうか」

 

「……わん」

 

 あきらかに語尾を忘れたペストーニャにありんすちゃんは気がつかないみたいですね。それともワザと気づかない振りをしているのでしょうか?

 

 ありんすちゃんはペストーニャからメイド長の仕事についての色々な話を聞きました。一般メイドの間の噂話には都市伝説まがいの話もあってついつい時間を費やしてしまいました。

 

「おや、ペストーニャはここにいましたか。……そろそろ仕事に戻るべきですね」

 

 ありんすちゃんとペストーニャが声の方を向くと、そこにはセバスがいました。よく見るとツアレも一緒にいます。

 

 ありんすちゃんはちょうどセバスの噂話を聞いた後なのでびっくりしました。

 

「セバチュ、チュアレと出来てるんでちゅよね? ……アチチチなんでありんちゅ」

 

 慌ててペストーニャがありんすちゃんの口を塞ぎます。しかし、セバスはすべて聞いてしまいました。

 

 セバスは少し顔を赤らめながらも、何事もなかったかのように悠然と背を向けました。

 

「……ゴホン。お茶が済みましたら仕事に戻りなさい。……その、ありんすちゃんもです」

 

「……出来てるのは赤ちゃんでありんちゅか?」

 

 ありんすちゃんは思わずセバスに疑問を尋ねてしまいました。セバスの背中が凍りついたように見えましたが……仕方ないですよね。ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なので、そんな気遣いなんて出来るわけがないのですから。

 

 翌日、セバスからありんすちゃんのメイド見習いは中止になったとの報告がありました。

 

 せっかくやる気になっていたありんすちゃんはがっかりです。まあ、どうせすぐに立ち直ってしまうでしょうが。








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