【スポーツ】[高校野球]奥川、二刀流で王手 松井先輩以来だ 星稜27年ぶり2018年11月13日 紙面から
◇明治神宮野球大会<第4日> 星稜7-4高松商高校の部は準決勝が行われ、星稜(石川)が7-4で高松商(香川)を破って、松井秀喜(44)を擁した1991年以来27年ぶりの優勝に王手をかけた。来年ドラフト1位候補の奥川恭伸投手(2年)は7イニングを4安打12奪三振の1失点、打っては3安打4打点と活躍した。初出場の札幌大谷(北海道)は、サイド右腕の太田流星投手(2年)が8回までノーヒットの快投で、筑陽学園(福岡)に快勝、初優勝にあと1勝とした。大学の部は、近大(関西1)が準決勝に進出、4強が出そろった。 星稜の奥川が偉大なOBに近づいた。高松商に投打で力の差を見せつけ、決勝進出。松井秀喜さん(44)を擁した1991年以来、3度目の優勝に王手をかけた。 「松井さん以来ということは意識しない。タイトルを取ってセンバツに乗り込みたい。決勝も投げるつもりです」 初戦の広陵(広島)戦に続き、最速150キロ右腕が仁王立ちした。7イニング4安打1失点と好投し、打っても3安打4打点。1回は2者連続三振の後に連打で二、三塁のピンチを招いたが、浅野を143キロの直球で空振り三振。3回に犠飛で同点とされたものの、制球重視の投球で12奪三振と、ほぼ完璧に封じ込めた。 広陵戦は、中日にドラフト1位で指名された大阪桐蔭・根尾に教わったスライダーを武器に力投。この日は日本ハム1位の金足農・吉田ばりの投球術を駆使した。打者、場面によって何度もギアチェンジ。直球は120キロから、この日最速の149キロまで30キロ近い球速差をつけ、要所を締めた。 「吉田さんがやっているのを見て、まねしたいと思った。ストレートで緩急をつけられると、自分も打席で嫌なので」 2年生で唯一、U18アジア選手権に出場した高校日本代表。間近で見た今夏最大の甲子園スターのエキスを吸収し、すぐに自分のものにした。これで2戦計14イニング23奪三振。決勝でも札幌大谷を圧倒し、頂点まで駆け上がる。 (麻生和男)
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