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【格闘技】

史上初!和毅が勝って亀田家3兄弟2階級制覇!

2018年11月13日 紙面から

 兄弟3人とも複数階級を果たし「各階級のベルト」を手に笑顔を見せる(左から)亀田興毅、和毅、大毅=後楽園ホールで(斉藤直己撮影)

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◇WBCスーパーバンタム級暫定王座決定戦

 WBCスーパーバンタム級暫定王座決定戦12回戦が12日、東京・後楽園ホールで行われ、元世界王者で同級2位の亀田和毅(27)=協栄=が同級1位のアビゲイル・メディナ(30)=スペイン=に3-0の判定勝ちを収め、2階級制覇を達成した。亀田和は「亀田3兄弟」の三男で2013年にWBOバンタム級王座を獲得。兄の興毅、大毅(ともに引退)に続く世界初の3兄弟複数階級制覇となった。

 3-0の判定勝利。しかし、試練はあった。序盤は和毅がスピードで圧倒。中盤以降、メディナに逆襲を許す場面もあった。「きつかった。家族の声で乗り越えられた」。セコンドの長兄・興毅、次兄・大毅、さらに、客席の最前列には父・史郎さん…。家族の激励を受けながら、和毅は何とか逃げ切った。

 2013年8月。WBO世界バンタム級王者に就き、和毅は男泣きした。亀田家は3兄弟世界王者、3兄弟同時世界王者と立て続けに偉業を達成。しかし、絶頂を極めた一家の転落がここから始まった。同年12月の世界スーパーフライ級王座統一戦で大毅が「負けて王座保持」となった一連の亀田騒動をきっかけに亀田家は日本リングを追われ、海外に拠点を移した。そして、15年10月に興毅が引退。大毅も網膜剥離でリングを去った。和毅も15年に2度の世界戦に敗れた。16年10月に協栄ジムに移籍、再び日本での活動を再開。しかし、すぐにチャンスが巡ってきたわけではない。やっと、国内での世界戦にこぎつけた時には、5年の歳月が流れていた。

 「全てはオヤジのおかげ。オヤジ、ありがとう」。和毅は、リング上で声を詰まらせた。一階級下で世界3階級制覇王者の井上尚弥との対戦を望む声が出るのは当然の流れ。リング上で、それを聞かれると「今は対戦相手のメディナに感謝」とかわした。そして、「もっと、ファンを感動させる試合ができるように頑張ります!」と殊勝に頭を下げた。

 世界初の3兄弟世界複数階級制覇の快挙。しかし、それ以上にファンを納得させる何かがないと、亀田家大復活とは言えない。素質に恵まれ“亀田家の最終兵器”と呼ばれた男が、その拳で新時代を切り開く。

 (竹下陽二)

 

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