無自覚な悪意について考える。
気が付けばブログを意気揚々と作ってみてから既に半月以上が経っていた。
対して本来意図した使い方をしないまま筆を執るのも如何なものかと思われたが、若干腹に据えかねる出来事が起こったので久々に一枚消費してみるかという気が起きた次第だ。
先日、最近ハマったCPの界隈がトレパクで小火を起こした。
小火と表現したのは、各所の対応が早く広範囲に燃え広がる事も無く、ともすれば火の手が上がった事すら知らない村の住民もいるのではないかという程小規模な炎だったからだ。
当事者を糾弾するアカウントが作られ、対処を求められたため本人が非を認め謝罪文を出し、無断で使用した素材元への支払いと先方への謝罪、現在予定していたイベント参加の見送り、合同誌から身を引くなどした後、アカウントを削除する事で事態は終結したそうだ。
削除するまでにも紆余曲折はあったそうだが、そこは詳しく知らないので言及すべきではないだろう。兎にも角にも、Twitter上でその事が人々の目に触れたのは11日から12日正午までのほんの僅かな間である。
まあそれはいい。
いや、いい、と一言で片付けてしまってはあれだが、トレパクなどはやってしまった人間だけの問題であるし、私自身同じCPにそういう人がいたんだなぁといった感想しかない。無論非難こそすれ擁護はしないが、当人が謝罪した時点で他人から言える事は何もない。
では何が腹に据えかねているかというと、その後の外野の反応である。
糾弾したアカウントは「ツイッターで仲良くしてくれる友人はいても、本当に困った時に助けてくれる、悪いことは悪いことだと教えてくれる友人はいらっしゃらなかったのかな、と考えると残念でなりません」と発言していたが、そもそもトレパクが発覚した時点で彼女がそういった事をしていると理解している人が何人いたのだろうか。その中にトレスされた元画像の詳細を知っている人が何人いただろう。そこを言及するのは交友関係や人格否定に繋がりそうなものなので、非常にナンセンスだなと感じた次第だ。
罪を憎んで人を憎まずという言葉があるが、罪を犯した人間のそういった部分まで責め立ててしまえば自身の信じる正義に異を唱える者も出てくるだろう。
アカウントや作品を削除すれば「他にもトレスしてたんだよ」と囁かれ、謝罪と支払いを済ませていても「誠意がない。逃げ慣れている。誰かが助言したに違いない」と言われ、もっとサンドバッグになれ、もっと踊って燃えて楽しませろとばかりに責められる。
そりゃまあ、逃げに見える手段を取ってしまった事は事実なのだろうが、生きて罪を償え理論で反省の色を他人が窺っていいんだろうかと思う部分の方が大きい。今後は何か楽しそうに喋るたび殴りに行くけどよろしくな、みたいな感じじゃん。
そういった事を当人が"責任"を取って死ぬまでやるつもりなのだろうか。罪は罪で悪は悪だが行き過ぎた義憤は凶器に等しい。
また、彼女と仲良くしていた人たちが界隈で言うところの『大手』ばかりだったからといって
「(拡散力があるんだから)友人達が事情を説明し事実を明るみに出すべきではないか」
「沈黙は肯定と同義である。黙っているという事は貴方がたも容認、ないし同等の行為を働いていたのでは？」
「静か過ぎるのは情報統制が取れているからだ。恐怖を覚える」
「自分も道連れで炎上するのが怖いんだろう」
と周囲の人間にまで酷い憶測の嵐である。
前述したが、トレパクというのは当人の問題である。周囲の人間が友人のしでかした事に関し言葉に窮したからといって「汝もトレパクラー！罪有りき！」なんぞ言い出すのはお門違いも甚だしいってなもんである。
界隈全体がトレパク容認派だと思われるなんて不安もなんじゃそりゃってなもんで、皆悪いことは悪いって事ぐらい分かってるだろう。臭いものに蓋をしていると言われたところで「そりゃ何も言えんだろ…」といった所感だ。クラスメートが万引きしたらしいけど君もそういう事してるの？と急にマスコミにマイクを向けられて怪訝な顔をしない人間はいないだろう。あまつさえ友達として謝罪はないのか？とか言われた日には開いた口が塞がらないだろうよ。だって友達といったって罪には何ら関与していないもの。
犯人の家族にまでマイクを向けて「家族として何かコメントは？」「どう責任を取るおつもりですか？」と問い質しているのをニュースなどで目にするが、結局ああいうのはどんなコメントを求めているんだろう。死刑判決がくだされた人の家族に「お父さん死ぬらしいね、よかったね笑」とリプライを送る無関係な人のモラルとは？
だってのに、言葉にされる事を求めたり毒マシュマロを送りつけたりする人が沢山いるんだなぁ。これもうわかんねえな。
結局何がいいたいかと言うと、ご友人がたも困惑しているだろうところへ全くなんの関係も無い人間が踏み入ってよくわからん憶測を振りかざし「おおかたこういう事だろう！きちんと説明しろ！」と言うのはなんか違うだろうっていう。
誰も容認・黙認してるなんて言ってないのに、黙ってる奴らは皆やましい事があるんだろうなんて怒るのは暴論に近い。
それは正義として翳している無自覚な悪意でしかありません。
周囲が謝罪や説明すべき事でもありません。
罪は犯した人だけの問題ですので、こういう案件があったんだよという事実を周囲にも知ってほしい方は謝罪文のRTや呼びかけをすればよいと思います。
そして特定の人物を叩きたいのなら主語を大きくさせずになさってください。
まあ、私も外野だし、こうやって隅っこでやいやい言ってる時点で正義ぶって殴っている側なのかもしれないですが。
ツイートする前に無関係な人を傷付ける気持ちが滲んでいないか少しだけ考えてみてねという話でした。 
対して本来意図した使い方をしないまま筆を執るのも如何なものかと思われたが、若干腹に据えかねる出来事が起こったので久々に一枚消費してみるかという気が起きた次第だ。
先日、最近ハマったCPの界隈がトレパクで小火を起こした。
小火と表現したのは、各所の対応が早く広範囲に燃え広がる事も無く、ともすれば火の手が上がった事すら知らない村の住民もいるのではないかという程小規模な炎だったからだ。
当事者を糾弾するアカウントが作られ、対処を求められたため本人が非を認め謝罪文を出し、無断で使用した素材元への支払いと先方への謝罪、現在予定していたイベント参加の見送り、合同誌から身を引くなどした後、アカウントを削除する事で事態は終結したそうだ。
削除するまでにも紆余曲折はあったそうだが、そこは詳しく知らないので言及すべきではないだろう。兎にも角にも、Twitter上でその事が人々の目に触れたのは11日から12日正午までのほんの僅かな間である。
まあそれはいい。
いや、いい、と一言で片付けてしまってはあれだが、トレパクなどはやってしまった人間だけの問題であるし、私自身同じCPにそういう人がいたんだなぁといった感想しかない。無論非難こそすれ擁護はしないが、当人が謝罪した時点で他人から言える事は何もない。
では何が腹に据えかねているかというと、その後の外野の反応である。
糾弾したアカウントは「ツイッターで仲良くしてくれる友人はいても、本当に困った時に助けてくれる、悪いことは悪いことだと教えてくれる友人はいらっしゃらなかったのかな、と考えると残念でなりません」と発言していたが、そもそもトレパクが発覚した時点で彼女がそういった事をしていると理解している人が何人いたのだろうか。その中にトレスされた元画像の詳細を知っている人が何人いただろう。そこを言及するのは交友関係や人格否定に繋がりそうなものなので、非常にナンセンスだなと感じた次第だ。
罪を憎んで人を憎まずという言葉があるが、罪を犯した人間のそういった部分まで責め立ててしまえば自身の信じる正義に異を唱える者も出てくるだろう。
アカウントや作品を削除すれば「他にもトレスしてたんだよ」と囁かれ、謝罪と支払いを済ませていても「誠意がない。逃げ慣れている。誰かが助言したに違いない」と言われ、もっとサンドバッグになれ、もっと踊って燃えて楽しませろとばかりに責められる。
そりゃまあ、逃げに見える手段を取ってしまった事は事実なのだろうが、生きて罪を償え理論で反省の色を他人が窺っていいんだろうかと思う部分の方が大きい。今後は何か楽しそうに喋るたび殴りに行くけどよろしくな、みたいな感じじゃん。
そういった事を当人が"責任"を取って死ぬまでやるつもりなのだろうか。罪は罪で悪は悪だが行き過ぎた義憤は凶器に等しい。
また、彼女と仲良くしていた人たちが界隈で言うところの『大手』ばかりだったからといって
「(拡散力があるんだから)友人達が事情を説明し事実を明るみに出すべきではないか」
「沈黙は肯定と同義である。黙っているという事は貴方がたも容認、ないし同等の行為を働いていたのでは？」
「静か過ぎるのは情報統制が取れているからだ。恐怖を覚える」
「自分も道連れで炎上するのが怖いんだろう」
と周囲の人間にまで酷い憶測の嵐である。
前述したが、トレパクというのは当人の問題である。周囲の人間が友人のしでかした事に関し言葉に窮したからといって「汝もトレパクラー！罪有りき！」なんぞ言い出すのはお門違いも甚だしいってなもんである。
界隈全体がトレパク容認派だと思われるなんて不安もなんじゃそりゃってなもんで、皆悪いことは悪いって事ぐらい分かってるだろう。臭いものに蓋をしていると言われたところで「そりゃ何も言えんだろ…」といった所感だ。クラスメートが万引きしたらしいけど君もそういう事してるの？と急にマスコミにマイクを向けられて怪訝な顔をしない人間はいないだろう。あまつさえ友達として謝罪はないのか？とか言われた日には開いた口が塞がらないだろうよ。だって友達といったって罪には何ら関与していないもの。
犯人の家族にまでマイクを向けて「家族として何かコメントは？」「どう責任を取るおつもりですか？」と問い質しているのをニュースなどで目にするが、結局ああいうのはどんなコメントを求めているんだろう。死刑判決がくだされた人の家族に「お父さん死ぬらしいね、よかったね笑」とリプライを送る無関係な人のモラルとは？
だってのに、言葉にされる事を求めたり毒マシュマロを送りつけたりする人が沢山いるんだなぁ。これもうわかんねえな。
結局何がいいたいかと言うと、ご友人がたも困惑しているだろうところへ全くなんの関係も無い人間が踏み入ってよくわからん憶測を振りかざし「おおかたこういう事だろう！きちんと説明しろ！」と言うのはなんか違うだろうっていう。
誰も容認・黙認してるなんて言ってないのに、黙ってる奴らは皆やましい事があるんだろうなんて怒るのは暴論に近い。
それは正義として翳している無自覚な悪意でしかありません。
周囲が謝罪や説明すべき事でもありません。
罪は犯した人だけの問題ですので、こういう案件があったんだよという事実を周囲にも知ってほしい方は謝罪文のRTや呼びかけをすればよいと思います。
そして特定の人物を叩きたいのなら主語を大きくさせずになさってください。
まあ、私も外野だし、こうやって隅っこでやいやい言ってる時点で正義ぶって殴っている側なのかもしれないですが。
ツイートする前に無関係な人を傷付ける気持ちが滲んでいないか少しだけ考えてみてねという話でした。
