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【社会】防衛省 地権者に無断伐採 石垣島 駐屯地建設で防衛省が沖縄県石垣市にミサイル部隊の配備を計画する陸上自衛隊駐屯地の建設予定地(約四十六ヘクタール)で、防衛省から測量を委託された業者が建設に反対する男性地権者の農園に無断で立ち入り、木を伐採したり栽培作物を切り落としていたことが分かった。九月に男性が気づき、同省沖縄防衛局は十月に文書で謝罪した。 (石井紀代美) 地権者はこの農園で藍などを栽培する木方基成さん(49)。九月十二日、建設予定地に隣接する農園で農作業中、地面に測量用のくいが打ち込まれ、園内の木や販売用の作物が伐採されていることに気が付いた。 木方さんの訴えで、同局は十月三十日に現場を確認。今月九日に同局管理部の脇坂真一部長名の文書で「多大なご迷惑をおかけした。おわびする。委託業者に再三注意していたが、当局としても責任を痛感している」と謝罪した。 木方さんの農園三千六百五十三平方メートルは、昨年五月に同局が公表した建設予定地案に含まれ、その後外された。木方さんは「反対の意思を示していたのに、なぜこんなことになるのか。進め方が強権的だ」と話している。 防衛省の計画では、石垣島中央部の同市平得大俣に五百~六百人規模の警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊を配備。弾薬庫や車両整備場、訓練場なども設ける。今月二日に一部の造成工事の入札を公告。来年二月ごろの着工を条件としている。 一方、先月一日に施行された県の環境アセスメント条例では、二十ヘクタール以上の土地の造成を伴う事業はアセスが必要になる。しかし、年度内に着工すれば適用されない。防衛省の対応に、市民から「アセス逃れ」との批判が出ている。
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