ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
<< 前の話 次の話 >>
今日のありんすちゃんはいつもと少し違います。
何やら思い悩んでいるみたいです。
季節の変わり目で感情が不安定なのでしょうか?
それとも食欲の秋が関係するのでしょうか?
もしかしたらおやつにプリンを食べるかシュークリームを食べるか悩んでいるのかもしれませんね。
え? 違うんですって?
まさか、秋は恋の季節……でもでもありんすちゃんにはちょっと早いですよね?
だってだって、ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なんですから。
恋……ではない?
なんだかジェスチャーゲームみたいになってきましたね。
おや? ルプスレギナが来ましたよ。
「チャルメラ……じゃなくてペタン血鬼航空さん、おはよっす」
あれあれ? ありんすちゃんが怒っている?
「……イタタタ……痛いっすよ。なんすか? 一体? 男胸の残念美少女さん?」
ありんすちゃんは両手をぐるぐる回してルプスレギナを叩きまくっています。
なるほど。わかりました。
ありんすちゃんはルプスレギナが付けたあだ名が気にいらないんですね。きっと。
「うーん……でもペタン血鬼航空ってフロストドラゴンの空輸会社っぽくて格好いいっすよ。略してPV‐AIR。格好いいっす」
言われてみたらなかなかありんすちゃんもだんだん格好良く思えてきたみたいですね。
さて……悩み事って何でしょう?
なんと……ありんすちゃんは自分の名前を上手く言えないのを悩んでいたんですか?
では、ありんすちゃん、『シャルティア・ブラッドフォールン』と言ってみましょう。
「チャルチェア、ウラドホールル」
あらあら……ルプスレギナが爆笑して……酷いですね。
「ぎゃははは……これじゃチャルメラに聞こえるわけっすよ。良くできまちゅたねぇっす」
ありんすちゃんは真っ赤っかに怒っています。いくらなんでもこれはルプスレギナが悪いですよね。
「……シャルティア・ブラッドフォールン、良いこと? 自分の名前を上手く言えないなんて大したことではないの。名前とはそもそも他者が呼びかける為のもの」
ルプスレギナは普段と違う真面目な顔で続けます。
「貴女は復活してから以前のシャルティアではなくなったのだから、無理にシャルティアであり続ける必要は無いの。どうせなら、そうね。ありんすちゃん、これが今の貴女にピッタリじゃないかしら?」
ありんすちゃんはありんすちゃんになりました。なんだかうれしそうです。
良かったですね。ありんすちゃん。
※ ※ ※
アインズはアルベドを前にして少し緊張した面もちでメモを取り上げました。
「……ゴホン。うーん……『ナザリックのオリジナルキャラクター、“ナザぽん”を作ってキャラクターグッズ販売で外貨を稼ぎましょう。』か……うむ……これは是非検討……」
「問題外です。誰がこんな愚策を……見つけ出して処罰すべきです」
「あ……次に行こう。『ありんすちゃんはありんすちゃんとよんでください』……うむ? これはシャルティアか?」
「アインズ様、どうぞよしなに」
「……そうだな。それならこれからはシャルティアを“ありんすちゃん”と呼ぶ事にしよう」
かくてありんすちゃんをありんすちゃんと呼ぶ事はアインズのお墨付きとなるのでした。
※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました