ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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氷結牢獄からなんとかでられたありんすちゃんですが、寒くて寒くてたまりません。
どこか暑い所はないでしょうか?
さすがはありんすちゃん。
どうやら心当たりがあるみたいですね。
ありんすちゃんは第七階層にやって来ました。
なるほど。
溶岩の世界の第七階層なら暑いどころか熱い位ですね。
「おじゃまするでちゅよ」
ありんすちゃんは礼儀正しく挨拶します。
おや? 溶岩の川から領域守護者の紅蓮が姿を現しましたよ。
紅蓮はうちわでありんすちゃんを扇いでくれています。
ありんすちゃんはホカホカの焼き芋みたいにアツアツになってきました。
いつのまにかこんがりとキツネ色になっていますよ。
なんだかとても美味しそうですね。
こんどはうつ伏せに寝て、まんべんなくキツネ色に焼きます。
こうしてあっという間に日焼けありんすちゃんの完成です。
せっかくこんがりキツネ色になったのですから、誰かに自慢したいですよね?
ありんすちゃんは礼儀正しく紅蓮にお礼を言ってから第七階層を後にしました。
こんがりキツネ色に日焼けしたありんすちゃんは第六階層にやって来ました。誰かがやって来た事を感知してマーレがありんすちゃんを迎えにきました。
「あれぇ? なんだか黒くなっていますよねぇ?」
ありんすちゃんは得意そうに胸を張ります。
「アウアウとマーレよりも黒いでちゅ。」
「ボ、ボクの方が、く、黒いに決まっています!」
マーレが否定します。
「マーレ、どうしたの? なんかさあ、あたしだけのけものみたいなんだけど?」
そこにアウラもやって来ました。
「お姉ちゃん、ボクの方が黒いよね?」
ありんすちゃんとマーレ、二人とも同じ位に色黒に見えます。
「……うーん?」
大きな鏡の前にアウラも並んで立ってみます。
こうして三人が並ぶと、みんな同じ位色黒で、まるでダークエルフの三つ子みたいでした。
「……そうだ! 面白い事をひらめいた!」
なにやらアウラが思いついたみたいですね。
自分の部屋のタンスをひっくり返していたアウラはマーレとありんすちゃんにアウラが普段着ている服と同じものを渡しました。
早速着替えて並んでみると、あらビックリ! アウラが三人並んでいるように見えます。
ダークエルフの三つ子の完成です。この姿でいきなり登場したらみんなビックリしそうですね。
三人は仲良く手を繋いでナザリックのあちこちへ出かけていきました。
一般メイドのみんなに後ろ向きになった三人からありんすちゃんを当てるゲームをしたら、正解率は50%でした。
みんな観察力がありませんよね。
よく見ればありんすちゃんだけ耳が尖っていないので簡単に見分けられるんですよ。
ありんすちゃんは思いました。
そうだ、王都で会った変な仮面の子も日焼けさせたら四つ子になれるかもしれません。
同じ様な仲間を増やしていくのも面白そうですね。
もっともありんすちゃんは飽きっぽいから明日にはもう別の事に夢中かもしれませんが。
仕方ありませんよ。
だってありんすちゃんはなんといっても5歳児位の女の子なんですから。
※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました