ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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「ちょういえば凄かったでありんちゅね」
ナザリック地下大墳墓 第六階層の木陰に用意されたダイニングで紅茶を楽しみながらありんすちゃんはアウラの腰に下げられた大きなスクロールを羨望の眼差しでみました。──山河社稷図──そこに存在する全てのものを閉じ込めてしまう世界級アイテムの一つ──その能力はついこの間のクアゴア達に使って体験したばかりです。
「アインズ様からあたしがお預かりしたんだよ。凄いよねーさすがは世界級アイテムだよね」
「ぼ、僕の『強欲無欲』も、す、凄いんだから……」
マーレも負けじと天使と悪魔をモチーフにしたかのようなガントレットを見せます。そんなアウラとマーレを眺めながらありんすちゃんはため息をつきました。
「わらわも欲ちいでありんちゅね……」
ありんすちゃん──シャルティアが精神支配を受けた件により、ワールドアイテム対策として各階層守護者はアインズより世界級アイテムを持たされていたのでした。
「マーレ、片方ありんちゅちゃに寄越すでありんちゅ」
ありんすちゃんはマーレのガントレットに手を伸ばしました。もちろんありんすちゃんに相応しい天使のような『無欲』の方です。
「だ、駄目だよ。シャルティアさん。……そうだ。あの、シャルティアさんもアインズ様にお願いしてみては?」
ありんすちゃんは目を輝かせました。
「うーん……でもさぁ、シャルティアさあ、大丈夫? ……この前スポイトランスを忘れそうだったじゃん?」
アウラがジト目で水を刺しました。ありんすちゃんは一瞬なんの事かわからず、目をパチクリさせました。
「……もう忘れた? この前スポイトランスをこの中に置いて出てこようとしたじゃん? ……あたしが気づかなかったら忘れていたよ?」
ありんすちゃんは思い出しました。クアゴア達を凪ぎはらった後、汚れが少し付いちゃったので後できれいにしようと、ほんのちょっとだけ置いておいただけです。決してアウラが言うように忘れていたわけではありません。ちょっとだけ、置いておいただけです。
「アウアウはうるちゃいでありんちゅね。わたちはぜーんぜん、忘れていなかったでありんちゅ」
「……ふーん。まあ、いいけど」
アウラはつまらなさそうに横を向くとティーカップをつまみました。
「あ、あの……シャルティアさんはどんな能力の世界級アイテムが良いかな?」
空気を変えようとマーレが口を挟みました。ありんすちゃんはニコニコしながら答えます。
「わたちの可愛さが引き立ちゅアイテムが良いでありんちゅ。可愛いステッキとか服でも良いでありんちゅね。可愛いくないのは嫌でありんちゅ」
「うーん……しゃ、シャルティアさん。それはちょっと……」
さすがにマーレも呆れてしまったみたいですね。仕方ありませんよね。ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なのですから。
※ ※ ※
それからしばらくしてアインズが執務室でアルベドとの協議をする為に集められた投書を清書していると……『おいしい ワールドアイテムくだちゃい』『かわいいワールドアイテムがわらわにあいます』『ワールドアイテムたくさん くだちゃい』という投書が出てきたそうです。一体誰が出したのでしょうね?
「……アインズ様、いかがされましたか?」
「……いや……このシャルティアからの投書なのだが……」
アインズはとても不安げな様子をアルベドにみせていました。
「シャルティアにはオーレオールからワールドアイテムを渡しておいた筈なのだがな……」
まさかありんすちゃん、ワールドアイテムを忘れて……いやいや、そんな事はないですよね?
もし、忘れて何処かに置きっぱなしだとしても、仕方ありませんよね。だってありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なのですから。
※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました