2016年に脱北して韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使=写真=がキリスト教関連の集まりで講演をしようとしたところ、反米大学生団体の妨害で取りやめていたことが7日、明らかになった。「太永浩逮捕」を主張する韓国大学生進歩連合は6日、太永浩氏に送信したメールをインターネット上で公開した。この団体は「太永浩氏は虚言を発し続けている。統一の邪魔になる行動をすぐにやめろ」と主張した。また、太永浩氏側に電話をかけて抗議する動画も掲載した。
太永浩氏は6日午後7時、ソウル市鍾路区内の韓国キリスト教会館で行われた「大韓民国国家祈とう祭壇」で、統一に対する北朝鮮の観点などをテーマに講演をする予定だった。国連で北朝鮮の人権状況を証言したことのある脱北者チ・ヒョナ氏と共に登壇するはずだった。ところが、この日会場に太永浩氏は現れず、チ・ヒョナ氏だけが現れた。韓国大学生進歩連合が太永浩氏にメールを送信したのはこの集まりの前のことだった。
主催側は「太永浩氏側から『太永浩を逮捕するという人々が活動しており、参加が難しい』との連絡を受けた」と説明した。主催側関係者は本紙の電話取材に「太永浩氏は最後まで参加を検討したが、警護チームの懸念を示したと聞いている。参加するという話が流れ、さまざまな圧力を加えられたとも聞いた」と語った。このためか、太永浩氏は7日、北朝鮮関連情報専門メディア「デイリーNK」に、北朝鮮の李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長の「冷麺(めん)発言」と関連して「李善権も注意するだろうから、この辺にしておこう」という趣旨のコラムを掲載していた。