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2020年1月14日に、Windows 7がいよいよサポートの終了を迎える。残り約430日。この日以降は、セキュリティーの脆弱性や不具合などの更新プログラムが提供されなくなる。企業がWindows 7を使い続けるのは事実上、困難だ。
2023年1月まで更新プログラムを提供する有償のサービス「拡張セキュリティアップデート(Extended Security Updates 、ESU)」を選択するという手もあるが、3年延命したところで結局は更新することになる。余計なコストがかかるだけだ。Windowsパソコンを今後も使い続けるなら、最新版のWindows 10に移行するのが、企業が取り得るほぼ唯一の選択肢になる。
日本マイクロソフトはWindow 10への移行に躍起
日本マイクロソフトは2018年10月17日に開いたWindows 7のサポート終了に関する説明会で、Windows 7に対する企業規模別の調査結果を発表。そのうえで、Windows 10パソコンへの買い換えを強烈にアピールした。
日本マイクロソフトの三上智子業務執行役員Microsoft 365ビジネス本部長は「大企業の9割以上がWindows 10への移行に向けた活動を始めている。しかし、中小企業の半分以上はWindows 7のサポート終了時期さえ認知していない」と説明した。中小企業は移行が大幅に遅れており、大企業でも移行が完了していないところが残っている。
少し古いデータになるが、IDC Japanが2017年9月に実施した調査では、この時点でWindows 10への移行計画があるパソコンは、国内法人市場の稼働パソコン全体の40.6パーセントに過ぎなかった。もちろん、その後に移行計画の策定は進んだと思われるが、それでも総じて企業の動きは鈍い。
三上業務執行役員は2020年1月までに「法人ユーザーにおけるWindows 10の使用率を9割まで高める」という目標を掲げた。逆にいえば、日本マイクロソフト自身が終了期限までの100パーセント移行を、早くも諦めているのが実情なのである。それでも9割の目標には何としても近づけようと、日本マイクロソフトは全国で主に中小企業向けにWindows 10への移行説明会を開くなど、PR活動に躍起になっている。それにはまず、Windows 7のサポート終了時期をしっかり認識してもらう必要がある。サポート終了まで1年強しか残されていない現在でも、移行計画どころか「移行の必要性」が情報として広く行き渡っていない。