ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫
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024ありんすちゃんかっさいされる

 今日もありんすちゃんは張り切っていました。とうとう戦争に参加する事になったからです。

 

 せっかく守ってあげたのだから城塞都市エ・ランテルをアインズ様にプレゼントしてくれれば良いのにとありんすちゃんは思います。ですが、お馬鹿なリ・エスティーゼ王国はケチんぼで言うことを聞かないのでアインズ様は懲らしめる為に戦争をすることになった、という訳です。

 

 こう見えてありんすちゃん、以前ではナザリックでも上位の強さでしたから戦いには自信があります。たぶん。王国の兵隊なんてちょちょいのちょい、です。

 

 アインズ様がマーレをお供に馬車で戦場となるカッツェ平野に向けて出発してからしばらく経ちました。

 

 これからがいよいよありんすちゃんの出番です。戦場へ転移魔法──〈ゲート〉──でデスナイトとソウルイーターの軍勢を送り出すのです。

 

「げーちょ!」

 

 ありんすちゃんは語尾を噛んでしまいました。

 

「げーちょ!!」

 

 力一杯言ってみましたが、駄目でした。

 

「げーちょ! げーちょ! げーちょ!」

 

「げーちょ! げーちょ! げーちょ! げーちょ! げーちょ! げーちょ! げーちょ! げーちょ!」

 

 駄目です。いくら繰り返しても転移しません。

 

「……ありがとうシャルティア。もう充分だよ。今回はパンドラズ・アクターに替わってもらうとして、君には他の事を頼むとしようか」

 

 ありんすちゃんはデミウルゴスに連れられて第二階層にやって来ました。

 

 そこにある恐怖公の領域、通称エントマのおやつの間の前にありんすちゃんを立たせてデミウルゴスが言いました。

 

「いいかな? 戦端が開いたらここで小さなくしゃみをして欲しいんだ。出来るだけ多く、ね」

 

 ありんすちゃんは力強く頷きました。

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

 水晶に映った戦場ではアインズが腕をひとふりして超位魔法──〈黒き豊穣への貢〉──を発動させました。

 

 王国軍左翼七万の軍勢は糸の切れたあやつり人形のように転がりました。

 

 やがて木のようなものが生えて黒い仔山羊が生み出されました。

 

 ──今です。ありんすちゃんはくしゃみをします。

 

 黒い仔山羊に追われて王国兵が逃げ惑います。

 

 その頭上からありんすちゃんのくしゃみでテレポートしてきた恐怖公の眷属が黒い雨となって降り注ぎます。

 

 黒い仔山羊がグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ……

 

 黒い雨がカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……

 

 グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ……

 

 カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……

 

 グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ……

 

 カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……

 

 黒い仔山羊から逃げ惑う人達がありんすちゃんの黒い雨に包まれていきます。

 

 こうして見ると逃げまどう人間がまるでゴミのようです。ありんすちゃんはますます頑張ってくしゃみをして黒い雨を降らせるのでした。

 

 最後にしたくしゃみでありんすちゃんは転移して黒い仔山羊の上のアインズ様の膝の上にいました。

 

 アインズはありんすちゃんを膝の上から優しく降ろし、立ち上がるとゆっくり仮面をはずして言いました。

 

「──喝采せよ。……我が至高なる力に喝采せよ」

 

 アインズ様とありんすちゃんに万雷の拍手が寄せられるのでした。

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

 ありんすちゃんのくしゃみで転移した恐怖公の眷属──Periplanta fuliginosa(和名 ゴキブリ)──の一部は火星に達して、そこで独自の繁殖をしていきました。

 

 後に彼らが地球を脅かす存在になろうとは、誰にも想像出来ませんでした。

 

 

※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました

【挿絵表示】

 








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