ブチルゴム(イソブチエン・イソプレンゴム(IIR))
IIRとは...
IIRは、イソブチレンと少量のイソプレンを低温重合したゴムである。少量のイソプレンを共重合することによって、通常の加硫を可能にしている。 ブチルゴムの最大の特徴は、気体透過性が極めて小さいことである。メチル基をもった主鎖の分子運動性の少なさから、他の汎用ゴムに比べて、N2やO2の透過率が1/10以下である。また、主鎖に二重結合が少ないため、熱、日光、オゾンに対して抵抗力が大きいこと、非極性であるので電気絶縁体と耐コロナ性にすぐれるなどの特徴をもっており、性能的には特殊ゴムともいえる。
化学構造
機械特性
| ゴムの比重 | 0.91~0.93 |
|---|
| 可能なJISの硬さ範囲 | 20~90 |
|---|---|
| 引張強さ(kg/cm2) | 50~150 |
| 伸び(%) | 100~800 |
| 反発弾性 | △ |
| 引裂き強さ | ◯ |
| 圧縮永久歪 | △ |
| 耐摩耗性 | ◯ |
| 耐屈曲亀裂性 | ◎ |
物理的特性
| 耐熱性 | 150 |
|---|---|
| 耐寒性 | -30~-55 |
| 耐老化性 | ◎ |
| 耐オゾン性 | ◎ |
| 耐候性 | ◎ |
| 耐炎性 | X |
| ガス透過性(cc.cm/cm2.sec.atm) | 0.9~1.0 |
| 耐放射線性 | X |
電気特性
| 体積対抗(Ω/㎝、25℃) | 1016~1018 |
|---|---|
| 破壊電圧(V/mil,短時間) | 24000 |
| 誘電率 60∝ | 2.1 |
耐油・耐薬品特性
| ガソリン・軽油 | X |
|---|---|
| ペンゼン・トルエン | △ |
| トリクレン | X |
| アルコール | ◎ |
| エーテル | △~◯ |
| ケトン(MEK) | ◎ |
| 酢酸エチル | ◎ |
| 水 | ◎ |
| 有機酸 | △~◯ |
| 高濃度無機酸 | ◎ |
| 低濃度無機酸 | ◎ |
| 高濃度アルカリ | ◎ |
| 低濃度アルカリ | ◎ |
製造・種類
- イソブチレンに少量のイソプレンをカチオン重合により共重合させた化学的に安定なゴムである。
- IIRをハロゲン化した塩素化ブチル(CIIR)や臭素化ブチル(BIIR)がある
特徴
- 気体透過性が小さいことに最大の特徴
- 反発弾性は小さいが、衝撃吸収が極めて大きい。
- 化学的に安定で耐候性、耐熱性、耐オゾン性、耐コロナ性などにすぐれる。
- 加硫速度が遅い、また金属との接着性に劣るなどの欠点がある。これらの欠点を改良したのがCIIRおよびBIIRである。
用途
- タイヤチューブ、インナーライナー、タイヤキュアリングバッグ
- 工業用品(防振ゴム、ガスケット、スチームホース、耐熱ベルト等)
- 電気製品、建築関係(シーリング、ルーフィング)