【ゴルフ】松山、浮上へ底力 ショット上り調子2018年11月11日 紙面から
◇三井住友VISA太平洋マスターズ<第3日>▽10日、静岡県御殿場市・太平洋C御殿場C(7262ヤード、パー70)▽曇り、18・4度、北北東2・2メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽84選手(うちアマ2人)▽観衆6577人 前日雨のため順延された第2ラウンド(R)の残りが行われた。大会2度優勝の松山英樹(26)=レクサス=は10番の第3打から再開、9ホールを2バーディー、ノーボギーで回り、通算イーブンの25位で決勝Rに進んだ。首位までは8打差。秋吉翔太(28)=ホームテック=が通算8アンダーに伸ばしてトップを守った。引き続いて第3Rに入る予定だったが、濃霧で開始が1時間遅れたため、この日は打ち切り。54ホール競技に短縮が決まった。加算賞金額は75%に減額される。 松山が今大会、初めてギャラリーをわかせた。18番パー5の第2打。左林からのショットは、目の前に立つ木と木の間1メートル弱の空間を抜け、ピン上7メートルに着弾した。昨年より2875人も多い6577人の観客が詰め掛けた富士山麓のコース中に、大きな歓声が響いた。イーグルは逃したが、残り175ヤード、8番アイアンでの一撃は、迫力十分だった。 「前が開いていたので。(迷いは)なかった」。松山はこともなげに言ってのけた。第3日にプレーした9ホールで、フェアウエーを外したのはこの18番だけ。ショット不調のまま大会入りしたが、2バーディー、ノーボギーは、本人が言い続けている「きっかけ」になりそうな予感を漂わせた。 もっとも、松山は「(手応えは)あまりない」と、そっけない。「きっかけになりそうですか」の問いには「ないから困ってるんですけど」と怒りの感情をあらわにした。優勝を期待された今季国内初戦は、最終日を前に首位と8打差。V争いに絡めない状況がいら立ちをかき立てている。 プレー後、一緒に回った東北福祉大の先輩・宮里優作(38)から「明日はコースレコード(62)を目指せ」とはっぱをかけられた。「それを出せば、(上位選手に)プレッシャーになると思うんで」。最終日はきっかけ探しの18ホールになる。 (大西洋和)
|