那須川は一方的な中止発表にも動揺の色を見せなかった

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 エキシビションなら戦わない――。大みそかの格闘技イベント「RIZIN.14」(さいたまスーパーアリーナ)に参戦予定だったボクシングの元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が突如、試合中止を発表し世界中を驚かせたが、対戦相手の那須川天心(20)が9日、立ち技打撃格闘技イベント「RISE 129」(17日、東京・両国国技館)へ向けて練習を公開。スーパースターから一方的にキャンセルを突き付けられ何を思うのか。“キック界の神童”が本紙直撃に胸の内を語った。

 ――ファン待望の夢のカードが消滅危機に

 那須川:まだ完全になくなったと決まったわけじゃないので…。本当になくなったのか信じられないけど、とりあえず17日の試合(内藤大樹戦)が決まっているので、それが終わってから考えたい。なくなった試合…まだ、あるかもしれませんが、そこを気にしても意味がない。まず目の前の試合をクリアしていかないと次に進めないので。

 ――精神的に落ち込んだりは

 那須川:落ち込む状況じゃないというか…。なんか、そういうことをする人で有名らしいので、別になんとも思っていないです。次の試合への影響もないですね。

 ――メイウェザーは「オファーはエンターテインメント目的の特別試合だった」と主張。エキシビションで戦う気は

 那須川:いいえ、エキシビションだったら僕は戦いません。(メイウェザーから)「エキシビションでやろう」って言われても、それなら自分は断ります。

 ――夢カードが“大人の事情”で潰れそうだ

 那須川:今後はそういうものとも闘っていかないといけないと思っています。今までもそういうことがたくさんありましたが、どんどん打ち砕いて、そういうものをなくしていきたい。まあ、今回はなるようになると思います。

 ――那須川選手には6階級制覇王者マニー・パッキャオ(39=フィリピン)や元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)との対戦を熱望する声もある

 那須川:そうなんですか。自分はそういうもの(周囲の反応)はあまり見ないので…。今はまだ何も考えられないです。

 ――今回の騒動で海外メディアも注目し、話題の中にいる

 那須川:それはうれしいことだと思います。でも、そこも気にしていない。とにかく今は決まっている試合だけに集中したい。そうじゃないと勝ち続けることは難しいですから。

 ――まずは目の前に迫った内藤戦。那須川選手が目指している「夢を与える試合」とは

 那須川:誰が見ても、素人でもパッと見ただけで「すげえな」っていう選手に自分はなりたい。そんな分かりやすい試合を目指しています。だから同じジムの選手みんなで「熱」を伝えて盛り上げたい。それは自分だけではできない。相手がいてこその試合ですから。