ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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しばらくの間、ありんすちゃんはカルネ村に滞在する事になりました。
アインズに失望されたと思い込んでいたので挽回しようと必死です。それに……激怒したアインズの怖かった事……チビってしまったのは内緒です。
絶対に内緒ですよ?
村の外れにはルプスレギナがいました。
「ルプー? どうしたでありんちゅか?」
「おはっす。いや、もう夕方っすけど。そういや私もチャルメラちゃんって呼んでいいっすか?」
困ったありんすちゃんはいやいやをしましたが、ルプスレギナには通じなかったみたいです。
「今日あたりなんか楽しくなりそうな気がするっすよ」
ありんすちゃんも楽しい事は大好きです。
もしかしたらありんすちゃんの歓迎パーティーとかあるのかもしれませんね。だってありんすちゃんはとてもとても可愛い女の子なんですから。
楽しい事を待っていたありんすちゃんはお昼寝も我慢して待ち続けました。
次の日も次の日も。
でも,そのうち眠くて眠くて我慢出来なくなって熟睡してしまいました。
え? アンデッドのヴァンパイアが眠くなるのはおかしいですって?
だってだってありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なんですから。
ありんすちゃんは村がざわつくのをよそに熟睡してしまいました。
※ ※ ※
村の外では大事件が起きていました。なんとカルネ村をモンスターが襲ってきたのです。
エンリ、ンフィーレア、そしてジュゲムらゴブリン達は村人を指揮して応戦しています。
ルプスレギナはどうやらナザリックにちゃんと報告したみたいですね。
「さてっと。汚名返上にはもってこいっすね。あとはギリギリのピンチ作って格好よくルプー姉さん登場、っていきたいっすね」
※ ※ ※
一方ありんすちゃんはどうしているでしょうか?
村の真ん中にある、ひときわ大きな建物──集会所にありんすちゃんはいました。
ネムやリィジーらと一緒に避難している村人と一緒です。
ピンク色の可愛らしいタオルケットにくるまれてスヤスヤと眠っていますよ。
仕方ないですよね。
だってありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子に過ぎないのですから。
え? いい加減この言い回しがくどい?
申し訳ありませんがこれを無くすとこの作品のアイデンティティが崩壊する恐れがありますので我慢して頂けたらと思います。
※ ※ ※
一方ルプスレギナは……
「やっぱ、こうンフィーちゃんがエンちゃんの危機に颯爽と登場なんかしちゃって『僕の命はエンリのものさ。エンリ、キミを愛してる!』って妙なフラグ立てて、でも次の瞬間に呆気なく倒されて絶対絶命! って所でジャーン! ルプー姉さん登場! っていきたいもんすね。さてさて……」
ルプスレギナはアインズの言葉を思い出しました。確かはっきり言っていました。そう、「モンスターに襲われるなら仕方ない」と。
そうなれば手軽なモンスターがンフィー達を襲えば良いのです。彼らの手に余る、丁度良いモンスターが……
ルプスレギナは不可視化したまま村を観察すると西側にウロウロ所在なげにしているトロールに気がつきました。邪悪な笑みを浮かべるとルプスレギナはトロールにそっと近づいていきました。
※ ※ ※
ありんすちゃんが目覚めた時には全てが終わっていました。
「いやー、なんとか汚名返上出来たっすよ。最高っすね」
ありんすちゃんにはなにがなんだかわかりませんでした。