社会保険料滞納で在留認めず 法務省、在留資格の更新指針改定へ

政治
2018/11/9 11:00
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法務省は9日、外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、在留期間の更新を審査するための指針を改定する方針を固めた。入国後、社会保険料を滞納している外国人には在留を認めないことが柱。厚生労働省と悪質な保険料不払いの情報を共有し、該当する外国人については在留資格の取り消しや在留期間の更新を許可しないよう見直す。

現在の指針は在留期間の更新や入国時とは別の在留資格への切り替えを希望する外国人に「納税義務の履行」を求めている。保険料の滞納など不履行があった場合でも「消極的要素として評価する」との表現にとどめていた。

悪質な社会保険料の不払いなどがあれば在留を認めないよう指針の内容を改める。在留を認めなくする滞納期間や悪質性の内容など具体的な条件は今後詰める。

山下貴司法相は9日、衆院法務委員会で、来年4月に創設する新たな在留資格に関連し「悪質な社会保険料の滞納者には在留を認めないことを検討している」と明らかにした。「外国人に社会保険の適正な運用を確保することが重要だ」と語り、新たに受け入れる外国人の社会保険に関する情報を関係機関に提供する考えも示した。

日本に3カ月以上住む場合、国籍を問わず国民年金や国民健康保険(国保)に加入し、保険料を納める義務がある。働く人が加入する厚生年金や健康保険、雇用保険も、事業所に勤務して一定の労働時間勤務するなど日本人と同じ要件を満たせば加入対象になる。保険料を払わなかったり、勤務先の事業所が社会保険に加入させなかったりといった問題が指摘されている。

自民党の厚生労働部会では、社会保険の加入や社会保険料の納付状況を厳しく確認することなどを政府に求める決議をまとめていた。

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