1989年、ニュージーランドの山中でエイリアンにさらわれ、地球外文明で10日間を過ごしたという男性がいる。今月初めにもオーストラリア・シドニーで講演会が行われるなど、人生をすっかり変えてしまったという事件の詳細に、今改めて注目が集まっている。豪メディア「News.com.au」が今月2日付で報じた。
画像は「News.au.com」より引用
■たった3時間のはずが……
1989年2月中旬の月曜日、ニュージーランド北島に住む当時40代のアレック・ニューワルドさんは、温泉や湖で知られるロトルアから大都市オークランドへと自動車を走らせていた。それはたった3時間足らずの道であったはずなのだが、霧深い山道を走り抜けてオークランドの街へとたどり着いたとき、日付は出発から10日も過ぎた翌週の木曜日になっていた。
非常に疲れて混乱していたアレックさんだったが、やがてその10日間に自分がどこで何をしていたのかを思い出した。彼は道中でエイリアンに連れ去られ、地球外文明の都市に滞在していたのである。
■霊魂の状態で誘拐
アレックさんによると、車を運転していたら突然体が重くなって麻痺し、ブレーキも踏めない状態に陥ったという。車は猛スピードで崖へと向かい、アレックさんは死を覚悟した。
だが、次に気がつくと、アレックさんは点滅する青いネオンライトに満たされた洞窟のような場所にいた。当初、自分は事故で死に、霊魂の姿で死後の世界にいるのだと思ったという。彼は幽霊のように形を失っていたが、意識を前進させたり横に動かしたり、自分自身を操作できた。
すると突然、肩に別の“精神”が触れたように感じた。見上げると、3人のエイリアンが近づいてくることに気付いたという。それは頭部が丸い生物で、人間よりも低い位置にある細い目、小さな口はあったが、耳や鼻は見当たらなかった。4フィート(約1.2m)と最も背の高いエイリアンがアレックさんの側に来て、「ようこそ」と語りかけてきた。
アレックさんが出会ったエイリアン。画像は「Alec Newald」より引用
エイリアンは自分を「このセクションのガーディアン」と名乗り、アレックさんを歓迎し、お互いをよく知りたいと話した。この会話には言葉は使われず、エネルギーのようなものでのコミュニケーションであったという。そして、エイリアンたちがアレックさんをマシンの上に立たせると、たちまち物体を持った体が形成された。
■エイリアンの大都市
やや背の小さい別のエイリアンと、もっと背の小さなエイリアンに先導される形で移動したアレックさんは、やがて建物が立ち並ぶ場所へと出た。それは、エイリアンたちの大都市だった。アレックさんの知る地球上のどの大都市より大きいものに見えたという。2つのピラミッドと透明なドームに囲まれた建物があり、建物は大きな電球としか形容できないもので覆われて昼夜輝いていた。
画像は「News.au.com」より引用
建物は円形かチューブ状で、アレックさんの滞在先の家も円形で、内部は螺旋状になって上層階に進む構造だったという。室内は白い光で満たされていたが、その光源は見当たらず、柔らかで温かな光があちこちから放射されていたそうだ。
街の移動には羽のない戦闘機のようなマシンが使われていた。それは、考えるだけで動かしたり行き先を決めたりでき、地面から浮き上がってスムーズに走行したという。
画像は「Alec Newald」より引用
■記憶を奪われて帰還
その街で10日間を過ごしたアレックさんだが、やがて自分の家に戻ることを決める。エイリアンたちは自分たちや街に関する記憶を奪い、アレックさんを地球へと戻した。記憶を失った彼は10日間の空白に混乱し、記憶が戻るまでは恐怖が続いたという。
なんとか記憶を取り戻したアレックさんは、自らの経験を著書『Co-Evolution』にまとめ、出版した。彼の元には様々な人物が話を聞きに訪れ、また自らも積極的に体験談を話しており、昨年には英「BBC」ラジオの番組でもインタビューを受けている。また、今月もシドニーで動画公演を行ったそうだ。
BBCラジオでのインタビュー(英語)。動画は「YouTube」より引用
事件から30年近く経った今も、アレックさんが積極的に自らの体験を語り続けるのは、自分の人生を大きく変えた奇妙な経験を消化するためだという。エイリアンがアレックさんを拉致し、自分たちの文明を見せた理由は何だったのか? 彼は今もその記憶に翻弄され続けている。
(編集部)
参考:「News.au.com」、「Mysterious Universe」、「Alec Newald」、ほか