英国の歌手、ポール・マッカートニー(76)が7日、初めて名古屋の地に降り立った。同日夜、新幹線の名古屋駅改札を出たところに数百人が集まり、青いキャップのポールは気さくに手を振り、あいさつ。8日夜、初のナゴヤドーム公演(中日新聞社など主催)に臨む。
まるでポール狂騒曲。直前の改札前にはファンらしき人は10人ほどしかいなかったのが、向こうに姿をとらえるや、「ポールー」。群集が一挙に膨れ上がり、その中をぬうように駅構外へ。押し寄せる人々をスタッフがかき分け、数十メートル歩いて太閤通口を出た。車に乗り込む前には「イチバン!」と謎の言葉を残し、乗り込んでからは親指を突き上げ、ホテルに急行した。
この間、約5分。「ポールー」に交じって、「キャー」と黄色い声も。到着前からギターを肩にかけて待ち構えていたファンの男性は演奏する余裕もなく、高く掲げるのが精いっぱい。車の待機場所では警察官が「前に出ないでくださいー」。ポールが乗り込んだ車に、数台の黒塗りが続くと、潮を引くように人々は消えた。たまたま近くを通った男性は周囲の人に「誰ですか。そうですかー」。うれしそうに納得していた。
ポールは1966年にザ・ビートルズメンバーとして初来日し、1980年には名古屋を含む、ウイングスの公演が中止となった。その後、ソロの名古屋公演が実現しなかったことがある。