ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
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朝になりました。
大きく伸びをしたありんすちゃんは勢いよくベッドから跳ね起きました。
さてさて何処に出掛けましょう? まずは洗面台で顔を洗いました。石鹸をこすって細かな泡を作ります。そして滑らかに出来た泡をまんべんなく顔に広げて優しく丁寧に洗うのです。最後に綺麗に洗えたか鏡を覗いてチェックします。
と、いきなり後ろから声が聞こえてきました。
「いやいや、オハヨーっす。シャルティア様、今日から謹慎解けておめでとっす」
振り返ってみると戦闘メイドの一人、ルプスレギナが満面の笑みで立っていました。
「ルプチュレギナ? どうしたんでありんちゅか?」
(『ルプスレギナ』って言いにくいでありんちゅね)
そうなんです。ありんすちゃんはどうしても「す」が「ちゅ」になってしまうんですよね。
「そうだ、シャルティア様あ、これからカルネ村に行かないっすか? ちょっと面白い事が起きそうな気がするんすっよね」
ありんすちゃんも面白い事は大好きです。ありんすちゃんはカルネ村に行くルプスレギナについて行く事にしました。
※ ※ ※
カルネ村はナザリックに比較的近くにある小さな村です。ナザリックがこの場所に転移して始めてアインズが交流を結んだ村で、アインズの命令で交流の為、ルプスレギナ・ベータが時折訪れているそうです。
馬車を走らせながらルプスレギナはカルネ村の様々な話をしてくれました。
現在、カルネ村には『人間のエンちゃん』『ンフィー』『ゴブリンさん達』などが混在していて賑やかならしいですね。
「可笑しいのがゴブリンさん達の事なんすっけど、男女でみた感じあんま違わないんっすよね。んで、ゴブリン同士ならはっきりわかるかって思ったら意外や意外、ゴブリンさん達でもたまに間違えてるんすよ。笑っちゃいますよね」
しばらくするとありんすちゃんは眠たくなってきました。仕方ありません。そろそろお昼寝をする時刻なんですから。
だってありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なんですから。
すやすや眠るありんすちゃんとお構いなしに話し続けるルプスレギナを乗せて馬車は山道を進んでいくのでした。
※ ※ ※
いつの間にか馬車が止まっていました。
ルプスレギナの姿はなく、馬車の中はありんすちゃん一人だけでした。どうやらとっくに目的地のカルネ村に着いていたようです。
充分にお昼寝を済ませたありんすちゃんは胸をワクワクさせながら馬車を降りたのでした。
「あなたは誰? 何処から来たの?」
ありんすちゃんが声のした方を見るとありんすちゃんよりは大きな、でもやはりまだ幼さが残る女の子がこちらを伺っていたのでした。
「あなたはだれでありんちゅか?」
「人に聞く時は自分からまず名乗るのが礼儀だってお姉ちゃんが言ってた」
女の子は胸を張って答えました。