ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
<< 前の話 次の話 >>
ナザリック地下大墳墓ダミー兼倉庫建設現場──アインズの命でアウラの指揮の下、大勢のシモベ達が働いています。
折しも昼休み。
アウラの前には大きなハンバーガーが置かれていました。
「おっしょくじぃ~おっしょくじぃ~楽しいた~のしいおっしょくじぃ~♪」
楽しそうに自作の歌を歌いながらハンバーガーを両手に持ち、かぶりつく──
そこにありんすちゃんが突然現れました。どうやらくしゃみをした時に魔法──〈グレーターテレポーテーション〉──が発動してしまったみたいです。
「ちょっと、シャルティア。なんでアンタがここにくんのよ? あたしはアインズ様の命令で仕事しに来てんだけど?」
アウラは頬を膨らませてありんすちゃんにくってかかってきました。
「ひぃ……なんだシャルティア様……驚かさないでくたさいよ。もうー!」
驚きのあまり首が落ちそうになるユリ・アルファ。でも、ありんすちゃんは落ち着いたものです。
だって、アウラはいつだってありんすちゃんの可愛らしさに妬んでイジワルするんです。
「……せっかくですからシャルティア様も何か召し上がられますか? ボク……私がお持ちします」
見事にアウラのハンバーガーに挟まっているありんすちゃんにユリは尋ねました。
「オレンジジュースが飲みたいでありんちゅね」
「あたし、ハンバーガーもう一つ。大至急」
不機嫌そうなアウラの声が続きました。
すぐにありんすちゃんの前にオレンジジュース、アウラの前に新しいハンバーガーが用意されます。ありんすちゃんはオレンジジュースを一気に飲むとすぐさまおかわりをねだりました。その後さらにニ杯もおかわりしました。
アウラはそんなありんすちゃんにイジワルな事を言います。
『飲み過ぎておねしょしちゃうぞ』ですって。
でもありんすちゃんは気にしません。
おねしょなんてする筈がありません。ありんすちゃんは知っています。おねしょするのは赤ちゃんだけです。
ありんすちゃんはプリプリ怒っているアウラを後にナザリックに帰りました。
※ ※ ※
──ナザリックに帰って、翌朝──
目覚めたありんすちゃんはベッドの中がひんやりしているのに気付きました。
──なんと、ありんすちゃんはおねしょしてしまったのでした。残念ながら、アウラが言った通りになってしまったみたいですね。
大変です。この事をアウラが知ったらきっとみんなに言いふらすかもしれません。そうなればありんすちゃんは皆から『おもらしちゃん』と呼ばれてしまうかもしれません。
ありんすちゃんはブルブルと頭を振りました。それだけはなんとしても防がなくてはなりません。
そこでありんすちゃんはシーツとパンツをこっそり洗う事にしました。
そういえば『洗う』と『アウラ』ってなんだかにてますね。綺麗に洗ったら干します。
ありんすちゃんはパンツをはいていないのでスースーしますが仕方ありません。
と、ありんすちゃんの鼻がムズムズして──
「くちゅん!」
ありんすちゃんとパンツは消えてしまいました。今度はどこに飛ばされてしまったのでしょう?
※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました