昨日、メインアニメーターと仕事の議論になった。
議論というか一方的に語ったのだが。
「君、これおもろいと思ってやってる?」
結構厳しいことも言った。
では、俺はおもろいと思ってやってるのか?
うーん。
普段から「アニメはキチガイのやるもの」と繰り返しているしなぁ。
今年生誕100年のバーンスタイン風に言うなら「音楽は嫌い、歌が好き」ということなのだろう。
特にオタクの求める(オタクがオモチャにしている)アニメなど死ぬ程嫌いだ。
キチガイだらけのアニメ業界も大嫌いだ。
しかし、カットをチェックしている時間は、いや、ヘタクソや手抜きのカットが来たら描いた奴を殺しに行きたくなるが、まぁ、基本好きなのだろう。
その面白さにも二つあって、もちろん自分のイメージが徐々に形になっていくことへの興奮もあれば、「そう来たか!」と、受け身的に喜ぶ瞬間もある。
予想以上にいい原画が上がってきた時、アドリブ的にいい演技が録れた時、スタッフのアドバイスで「その手があったか!」と気付く時などだ。
特に原画チェックは、膨大な絵と一枚一枚延々にらめっこする訳だが、それが繋がって動きとなり、芝居となり、そして人物が生命を帯びる、「生まれる」瞬間というものは、今でもゾクッとするほど、気持ちいい。
そうなるともう作っているというより、「発見」に近い。
うお!今生命が宿った!という驚きだ。
まぁ、これが「アニマ」だ。
こういう話をかつて、お馴染み某ゴミプロデューサーにしたら、
「監督は要は観客でいたいだけなんですよ」
と、頓珍漢な返答をされた。
うん、そうだね、お前らは調べることも、ちゃんと見る(チェックする)ことすらもできない、「アニメより自分がすべて」の生き物だからね。
「観客」というより、「人間」以下だからね。