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【スポーツ】

[体操]村上に内村から指令 今大会4冠の絶対女王・バイルス倒せ

2018年11月6日 紙面から

体操世界選手権の帰国会見を終えメダルを手に写真撮影に臨む(左から)白井健三、内村航平、村上茉愛=東京都渋谷区の岸記念体育会館で(七森祐也撮影)

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 体操の世界選手権(ドーハ)男子団体で銅メダルに輝き2020年東京五輪出場権自力獲得第1号となった男子団体の5人と、女子個人総合で日本女子では過去最高となる銀メダルを獲得した村上茉愛(22)=日体大=が5日、東京都内で会見。村上は内村航平(29)=リンガーハット=から今大会4冠の絶対女王、シモーン・バイルス(米国)撃破へエールを送られた。

 日本女子体操の歴史を変えつつある村上へ、長らく世界のトップに君臨し続けていた内村からエールが送られた。内村は村上の個人総合銀メダルについて「確実に取ってくれると思っていたし、その通りにやってくれた」と評価。さらに「男子だけが注目されがちな体操界だけど、女子も同じ立ち位置にいると思うのと、すごく強いバイルスに勝てるよう頑張ってほしい」と期待を込めた。

 これには村上も「小さいころから『内村航平選手だ!』って思っていた雲の上の選手と思っていた人から褒めてもらえる日が来るなんてうれしい」と笑顔。「男子が毎回必ずメダルを取ってくれて体操が有名になったけど、『女子も取らないと』という話をしていたので、それをアピールできてうれしい」と喜んだ。

 昨年の世界選手権で種目別の床運動で金メダル、今大会も個人総合銀メダル、床運動銅メダルと日本女子の第一人者の座を確固たるものにしつつある村上だが、バイルスは今大会で個人総合を含む4冠で史上最多の通算13冠とさらに上を行く。それだけに打倒バイルスについては「まだ無理。次元が違う」と慎重な姿勢を見せつつ、「とにかく難しい技をいっぱいやる」と決意をにじませる。

 今大会は個人では成果を残したものの、団体は6位で3位以内に与えられる東京五輪の出場枠は得られなかっただけに「個人は満足だが、一番大事な団体でメダルを取れなかった悔しさの方が大きい」と本音ものぞかせる。「五輪まであと2年しかないと今大会で思った。次の世界選手権で出場権を取らないといけないという焦りも少しある」と気を引き締め来年、そして2020年での飛躍を期する。 (川村庸介)

◆内村「歩くのも痛い」

 右足首の故障で個人総合の出場を断念した内村は「目標としていた結果ではなかったのはすごく悔しいし、6種目できなかった悔しさもあるが、(左足首の負傷で)途中棄権だった昨年よりは世界の舞台で演技できる幸せを感じた」と振り返り、採点については「点数が出る演技、種目と出ないのが明確ではないと感じた」と感想を述べていた。また、右足首の故障については「歩くのも痛いので、(23日の)個人総合スーパーファイナルには出ることはできないと思う」と現状を明かしていた。

◆白井 悔しさより安堵

 3連覇を狙った種目別の床運動で銀メダルだった白井健三(日体大)は「演技したいと思っていた全日程に出場できたので、肩の荷が下りた感じ」と、悔しさは見せず安堵(あんど)の表情。

 団体では東京五輪の出場権を獲得したことについて「まだ2年ある。出場権を獲得したことに安心感はあるが、自分が代表に決まったわけではない。1年でどれだけ変われるかは自分が一番分かっているので、1日1日限界を作らず成長したい」とコメント。早くも視線は次を見据えていた。

 

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