【プロ野球】タカ、日本一翌日に大リストラ 摂津、五十嵐ら8人に戦力外通告2018年11月5日 紙面から
球団がソフトバンクとなった2005年シーズン以来、最大のリストラだ。ソフトバンクは4日、摂津正投手(36)、五十嵐亮太投手(39)、寺原隼人投手(35)、城所龍磨外野手(33)ら8人に来季の選手契約を結ばないことを通告したと発表した。2年連続の日本一を成し遂げたものの、シーズン2位に終わり、「血の入れ替え」を断行。第1次の戦力外通告と合わせ過去最多の計11人が戦力外を通告され、歓喜の余韻に浸るチームに激震が走った。 祝勝会で美酒を浴びたメンバーであっても容赦はなかった。博多駅で多くのファンに出迎えられてから数時間後、歓喜の輪に加わっていた五十嵐、寺原、城所にも厳しい通告があった。 ソフトバンクはこの日、12年の沢村賞・摂津、14年クライマックスシリーズ(CS)のMVP・吉村らを含め、8人に戦力外通告したことを発表した。第1次戦力外通告の古沢、小沢、黒瀬の3人を合わせると計11人で、2005年の10人を超えて最多。育成選手もこれまでに8人に戦力外通告しており、近年例を見ない事態だ。今季限りで現役を引退した本多を含めると、70人だった支配下選手枠を12枠も空けたことになる。 三笠球団統括本部長は「心苦しいところはある。中長期的に強いチームづくりをしていくなかで、みんな貢献してくれたけど…」と説明。大なたを振るった背景には、先月25日に行われたドラフト会議での大量指名がある。 08年以来、10年ぶりとなる支配下7人を指名。1位指名の甲斐野(東洋大)をはじめ、5人までもが大学、社会人投手で即戦力としての期待がかかる。さらに、今季の「勝利の方程式」となった8回加治屋、9回森の両右腕が成長。昨季のセットアッパー岩崎、守護神サファテも来季には復帰する見込みで、ベテラン右腕には、より厳しい状況になっていた。 プロ15年でソフトバンク一筋の城所や、高卒3年目の茶谷、同6年目の左腕笠原、16年に支配下登録された5年目の張本にも、来季の契約を結ばないことを通告。摂津、五十嵐、城所らは現役続行希望。強烈な秋風が吹き抜けていた。 ◆ファン2500人出迎え
2年連続の日本一を飾ったソフトバンクの工藤公康監督(55)らが4日、決戦の地の広島市から福岡市に凱旋(がいせん)し、約2500人(博多署など発表)の熱狂的な出迎えを受けた。 2連覇を決めた第6戦から一夜明け、選手たちが4日午後0時ごろに新幹線でJR博多駅に到着すると、構内には「おめでとう!」の声が次々に上がった。 集まったファンの数は、福岡移転後初の日本一に沸いた1999年に名古屋から福岡空港へ戻ってきたチームを迎えた約2000人よりも多い。レギュラーシーズン2位からクライマックスシリーズを突破し、日本一まで上り詰めた姿が感動を呼び、近年にない熱狂になった。「すごいです。本当にうれしい。あらためて喜びを実感できた」と話した工藤監督は「まだまだうちのチームは強くなると思います」と早くも3年連続の日本一に気持ちを切り替えた。
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