阪神・矢野燿大監督(49)が5日、選手に向けて「珍指令」を出した。選手からの呼び方を「矢野監督」ではなく、より気軽で親近感の湧く「矢野さん」でもOKの姿勢を示した。選手との距離感を縮め、関係性を密にしていく考えだ。
「オレは『監督、監督』したくないのよ。監督が上で、選手が下とかはないんだからさ。全然『矢野さん』でいいよ」
電撃的な形での1軍監督就任で立場が変わり、大きな責任を背負うことになった。だからと言って、敷居を上げることもない。チームにおいて監督と選手という立場はあっても、そこは人と人との付き合い。目線は同じところに置く。
10月23日の秋季練習初日にも、報道陣に対して「いつでも会話する準備というか、それはあるという。それは選手にもコーチにもスタッフにもみんな一緒」という考えを明かしていた。そのスタンスは変わっていない。「さん付け」で呼んでもらう気軽な形で、選手から何でも話してもらえればいい。
選手からすれば必然的に感じてしまう「立場」という名のカベ。それを自ら取っ払い、腹を割って言葉を交わせる関係を築いてコミュニケーションを図っていく。 (道辻歩)