自転車事故 高校生多く
松本市内で、自転車が絡む交通事故がなかなか減らない。城下町特有の入り組んだ道路事情に加え、特に高校が多く、松本駅を起点に通学ルートが中心市街地に集まっていることなどから、高校生が関わる事故が後を絶たない。市は第10次市交通安全計画で自転車関連事故の死傷者数を年間200人以下とする目標を掲げているが、目標年度の平成32(2020)年度までに達成できるかどうか、なかなか見通せない状況だ。
今年に入り市内で発生した自転車関連の死傷者数は10月末現在で188人(死者なし)で、特に多かった昨年(288人)と比べれば減っているが、例年とほぼ同じペースで推移している。
今年の死傷者数のうち高校生は51人で全体の27%を占める。市交通安全・都市交通課によると、交差点で自動車と接触するなどのケースが多く、自転車側がスマートフォンを見ながら運転するといったマナー違反も少なくない。
市内の全交通事故に占める自転車関連事故の割合は、県内平均の約2倍に上る22・0%(平成29年)と高く、高校生の事故が数字を押し上げている要因となっている。
こうした事情を踏まえ、地域で交通安全活動に取り組む団体などでつくる市交通安全市民運動推進会議は、高校生対象の自転車マナー啓発に力を入れている。10月には、車道左側走行やイヤホン着用禁止などのルールをイラストで示したクリアファイルを作った。来春に市内の高校に入学する新1年生全員に配る予定だが、本年度から地域の高校の交通安全担当教職員が集う会合や、年末の交通安全運動でも順次配布していく。
同課の百瀬和弥課長補佐は「自転車は車の仲間という意識を持ってもらい、法律やルールに従った乗り方をして事故を防いでほしい」と話している。