今日も本の紹介です。

最近は麻雀以外の本も結構読むようにしています。
普段は麻雀関係ないやつをこのブログで紹介してもな〜という感じで特にアウトプットはしてないんですが、この本は麻雀TLでも少し話題になっているので紹介してみます。




著者が「科学する麻雀」のとつげき東北さん。

ちょっと話はそれますが科学する麻雀は絶対に読むべきですよ。

よく音楽に関して「現代音楽を作ったのはビートルズだ」みたいなことが言われます。
「例えビートルズを知らないアーティストでも、ビートルズに影響を受けた誰かの音楽から影響を受けているのは間違いないから、結果的に今の音楽は全てビートルズの影響を受けている」みたいな意味で言われるみたいですね。

私は音楽は全く知らないのでこの言葉の妥当性はわかりませんが、科学する麻雀はまさにこれですね。

私の本も福地先生の本も、最近話題の本の戦術論はほとんどが科学する麻雀が作った麻雀戦術の考え方を継承しているものです。

そこにでてくる具体的な選択(何切る)自体は、いまとなっては当然だったり、むしろさらに発展したセオリーができているものもありますが、そういう意味ではなくその「方法論を作った」という意味で圧倒的な価値があるので、今読んでも得るものがあるのは間違い無いですね。




と、科学する麻雀の話は置いておいて、「場を支配する「悪の論理」技法」の感想を。
まずどんな本なのか。

まずタイトルの「悪の論理」というのはもともと存在する言葉で「間違っているが、一見正しい論理」という意味らしいです。
この、みんななんとなく使っているけど論理的に考えたらちょっとおかしくね?っていう言葉や主張にツッコミを入れ、それがなぜおかしいかを解説している本、ということになります。

amazonの紹介を読むと

■誰が相手でも必ず勝てる議論のテクニック 
■相手の論理破綻や詭弁を見破る、あるいはそれを使うテクニック 
■どんな理不尽なことも笑って受け流せるセンスと精神的余裕 
■相手をコントロール下に置くための権力を手に入れる方法…etc. 



と、書いてあります。
これ読むとなんかこう、言葉で相手とバチバチやって打ち負かすぜ!みたいなそういう全局参加系社会人のバイブルみたいな印象を受けますが、私が感じたこの本の価値は別のところにあります。

それは
「言語化して考えることでより良い選択をして豊かな人生を過ごすことができるようになる」んじゃないかな〜とおもえる点

言語化って麻雀でもよく使われる言葉です。
強い人の中には「言葉ではうまく説明できないけど感覚的に正着を選べる」タイプというのもいます。
一方で私のように全部言語化して、理詰めで考えないとよくわからんってタイプもいます。

これ自体はどちらが良いというものではありませんが
理詰めで考えることには1つ大きなメリットがあります。


それは
その論理そのものに間違いがなければ結果的に裏目を引いても後悔しないということ

すっごく簡単な例をだしてしまうと「3メンチャンの方がシャンポンより和了やすい」という論理をしっていれば

二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国四萬:麻雀王国五萬:麻雀王国六萬:麻雀王国六萬:麻雀王国四筒:麻雀王国四筒:麻雀王国一索:麻雀王国二索:麻雀王国三索:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国五索:麻雀王国

ここから六萬:麻雀王国を切ってリーチして、一発目のツモが六萬:麻雀王国だったとしても「ああ!シャンポンにしとけばよかった!」なんて後悔はしませんよね。

これは人生にも同じことが言えると思います。
人生での選択は金銭等の物理的な損得だけでなく、感情や人間関係などいろいろな要素が影響しますが、それらを出来る限り言語化し、自分にとっての優先順位を明確にした上で判断すれば、例え多少よくない結果が出たとしても後悔はしないはずです。

amazonの紹介にはこの「悪の論理=間違っているが一見正しい主張」として次のような言葉が挙げられています

「批判ばかりせず、対案を出してくれ」 
「自分で選んだ道だろう? 自己責任だ」 
「ウチの会社に不満があるなら、辞めればいい! 」 
「騙されたと思ってやってみてよ。体験すればきっとわかる」

動画ではより詳しく説明されています。 



現代ではリアルな生活だけでなく、SNSなんかを通しても様々な「一見正しい主張」を目にするし、その影響を受けながら私たちは生きています。
その中には当然正しいものもあれば、本当は間違っているものもある。

それぞれの言葉が本当はシャンポンなのか3メンチャンなのか「自分で判断する」ことができるようになれば、選択に後悔をしなくなります。

私自身は、もともと自分の心を出来る限り言語化して行動を選択するようにしています。
個人的な経験として、これまで

・麻雀プロになるために東京大学大学院を中退
・その上でメンバーではなく(自分の理想とする麻雀活動のためにどちらが得かという観点から)一般企業のサラリーマンを選択
・その会社をやめてフリーランスとして活動

という人生の転機?と言えそうなことを経験してますが、すべて自分にとっての3メンチャンを論理的に考えて選択しているのでなんの後悔もありません。

もともとそういう価値観で生きている私に、この本はめちゃくちゃ刺さりましたね。
自分でも「一見正しそう」だと騙されてたなぁと気付かされた言葉なんかもあって、今後の「人生の選択」にも活きてくる内容だったなと思います。
また後半は悪の論理だけに止まらず「論理的に幸せな人生を歩むには?」というテーマの章もあり、そこも非常におもしろかったです。

「人と弁論なんかしないし勝ちたいとも思わない」という人間関係ベタオリ系雀士のみなさんにも、人生を豊かにするヒントが含まれていて役立つ本だと思うのでぜひチェックしてみてください。