木宮教授は、慰安婦合意の事実上破棄、海上自衛隊旗(旭日旗)掲揚問題に続き、韓日基本合意の否定で悪化する両国関係をボクシングに例えた。日本での韓国に対するイメージの悪化は、即座に衝撃的な効果として現れることはないが、良くない感情が少しずつ積もり積もって、ボクシングの「ボディブロー」(body blow=腹部へのパンチ)のようにじわじわと効いてきて、韓国に不利に作用する可能性もあるということだ。
-1965年の韓日基本合意についてはどのように評価するか。
「朴正煕元大統領が決断を下した韓日基本合意は、もちろん100点満点ではない。しかし、以下の2つのことを前提にして、認めるに値すると考える。1つは、当時の韓日関係には格段の国力差があった。また、当時の日本社会には、植民地に対して間違っていたとする人が非常に少数だった。そうした状況では、かなりの成果を韓国は得た」
-韓国政府に助言するとしたら?
「文在寅政権の外交状況をみると、対北朝鮮問題で米国とギクシャクしている。中国とも仲が良くない。韓国にとって重要などちらの国とも関係が良くなければ、ややもすると韓国は孤立してしまうかもしれない」
-日本政府は何をすべきか。
「日本も北朝鮮に接近するには、仲裁役をしてくれる韓国が必要だ。互いに必要だとの認識の下、芳しくない影響を最小限に抑えるため、自国の国民を説得しなければならない」