宿題を一つずつ片付けます。
まず二つの聖教記事を見ていただく。先ず最初は2009年10月の聖教記事。
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卓越した教育理念に共鳴 各国に池田SGI会長の名を冠した教育機関が創価教育と池田SGI会長の哲学への共感から、世界各国に牧口初代会長、SGI会長の名を冠した教育機関が設立されている。
(中略)
中国では「青島池田桜花希望小学校」(02年)が開校。
(後略)
聖教新聞2009/10/16 創価学会創立80周年記念特集記事
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次に2006年10月の自賛記事。
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〈中国〉青島の池田桜花希望小学校に 『 香峯子音楽堂 』 が完成
池田名誉会長が「名誉校長」開校4周年
「中日の“千年の往来” 教育への貢献に敬意」 { 副 市 長 }
中国の 「青島池田桜花希望小学校」に、池田名誉会長夫妻の中日友好への貢献を讃え 「香峯子音楽堂」が完成。
その銘板除幕式が9月24日、同校のある青島膠南市の姜巧珍副市長ら来賓が出席し、盛大に行われた。
2002年8月の開校の折、名誉会長は同校の「名誉校長」に就任している。
「池田先生の奥様である香峯子夫人の名を冠した音楽堂が完成した本日は、両国 の“千年にわたる友好往来”の歴史の上で、新たな発展の節目となるでしょう!」
晴れの除幕式で祝辞に立った姜市長は、喜びをこう語り、名誉会長夫妻の長年にわたる教育・ 科学・文化への尽力に敬意を表した。
聖教新聞2006/10/06
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これらを併せ読むと、2002年8月に“池田哲学に共感して”「池田」名を冠した小学校が中国にでき、池田氏に名誉校長の称号が贈られた。さらに4年後、同校に"池田夫妻の日中友好を讃えて”池田夫人の「香峯子」名を冠した音楽堂ができた、ということである。
ところが、例のごとく主語を隠しているため、一体どこの誰(どの機関)が池田氏に共感して冠「池田」小学校を作り、夫人を讃えて冠「香峯子」音楽堂を作ったのか、さっぱり分からない。聖教がこの手の記事で主語を省く場合は、自作自演である可能性が濃厚だ。
しかし、上の記事は2006年と2009年のものであり、もしかしたら、学校ができた2002年8月あたりの聖教には誰がどういう経緯で「池田」名を冠した小学校を建てたのかが報じられているかも知れない。そう思って縮刷版を持っている知人に調べてもらったのだが、2002年8月、9月の聖教では見当たらなかった。それ以降も恐らくないだろう。あったとしても、例のごとく主語を隠した書き方になっているはずだ。なぜなら、以下に述べるように、同校は創価側からの全面的資金援助で建てられたものだからだ。学校名を上の2記事のような自賛ネタに再利用していくためには、「我々が建てた」ということは隠し通さなければならないからだ。
では、同校誕生に創価が絡んでいることを示す証拠を挙げる。
先ず下記データ。
「中国希望プロジェクト」にNPOとして協力している旅行社が公表しているものだ。希望プロジェクトとは、国内外からの寄付で中国の教育貧困地区に学校を建てようという教育支援計画のことである。運営主体は中国の『中国青少年発展基金会』。1990年ごろから始まり、日本からも多くの個人や団体から支援が寄せられている。下記はそのうちの一つ、くだんの「池田桜花希望小学校」のデータだ。
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落成式日 2002年8月29日
都市名 中国山東省膠南市大場鎮
学校名 膠南市池田桜花希望小学校 (=青島池田桜花希望小学)
規模 6階建て、24教室、教職員室、図書室1室、校庭完備
援助額 600万円
生徒数 1200名
受入単位 山東省膠南市人民政府外事弁公室
主催者 福岡県筑豊交響楽団
運営状況 良好
http://www.fjctravel.co.jp/kiboschool.htm
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つまり、「池田桜花希望小学校」は福岡の筑豊交響楽団が600万円を寄付して建てられたということだ。
筑豊交響楽団というのは、かつての炭鉱都市・飯塚市に拠点を置くアマチュアの市民オーケストラのことだ。日本の地方オーケストラは押しなべてフトコロ事情が厳しいと聞くが、そんな中、600万円もポンと寄付できるとは裕福な楽団もあるものだなと思いつつ、さらに調べてみると、興味深いことが分かってきた。
筑豊交響楽団の団長M氏はなんと創価学会芸術部に属する学会員であった。また同楽団は南京大学から池田氏に名誉教授称号が贈られた際、池田氏に同行して南京を訪れ演奏するなど、学会の重要なイベントにたびたび登場するほど、学会から重用されている楽団でもある。
なおM氏の息女二人も著名なミュージシャンであり芸術部員である、それについても興味深い情報が多々あるが、彼女らはここでは関係ないのでこれ以上触れない。
要するに、M氏は極めて熱心な学会員であり、M氏率いる筑豊交響楽団は学会の御用楽団的な位置づけにあり、その楽団が出資して中国に小学校を建て、「池田桜花希望小学校」と名づけた、ということだ。(出資者には校名を自由に命名できるという特典がある[*1])
つまり、冒頭の2記事は学会関係者が学会トップ夫妻を称賛しているだけのことであり、身内褒めの茶番記事に過ぎなかったということだ。しかし、話はこれでは終わらない。これで終わったら、「M氏が池田氏を尊敬するあまりに為したことであり、学会は学校設立には関与していない」と逃げる余地が残る。
ここで次の記事を見ていただこう。池田桜花希望小学校が開校した時の地元新聞の記事だ。
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2002年8月29日12:15 青島晚報
青島新聞網 2002-08-29 11:00:15 本報今日訊上午,青島池田櫻花希望小學在我市膠南大場鎮正式落成。據悉,這所小學是由日本福岡築豐交響樂團捐資人民幣40萬元和日本創價學會會長池田大佐先生捐資人民幣20萬元共同捐建的。
據了解,日本築豐交響樂團是日本創價學會下屬的一個民間組織,該樂團自2000年至今,共捐款人民幣90多萬元用於慈善事業。
新建成的青島池田櫻花希望小學佔地5119平方米,教室72間,在校學生1030名。由池田大佐先生出資的20萬元,將用於建設一座圖書館,這將是我市目前希望小學中惟一的、設施最完善、規模最大的圖書館。該小學的建成使用將極大地改善當地教學條件。
據悉,自1991年我市捐建希望小學以來,我市共建設希望小學68所,青島池田櫻花希望小學是日本友人捐建的第三所希望小學。(馬兵)
http://news.sohu.com/22/01/news202890122.shtml
(拙訳)
2002年8月29日 青島晚報
青島ニュースネットワークが報じたところによると、今日午前、青島池田桜花希望小学校が青島市膠南大場鎮に正式に完成した。同校は日本福岡筑豊交響楽団の寄付40万元(=600万円)および、日本創価学会会長池田大佐(ママ)氏の寄付20万元(=300万円)の共同支援により建設されたもの。
筑豊交響楽団は創価学会に所属する民間組織である。同楽団は2000年から今日まで合計90万元(=1350万円)以上の寄付を寄せている。
完成した青島池田桜花希望小学校は、敷地5119平米、72教室、収容学生数1030名という規模である。池田大佐(ママ)氏が出資した20万元(300万円)は同校図書館の建設に当てられる。膠南市にある希望小学校の中でも唯一の、設備の完備した、規模最大の図書館となる予定だ。
同校が完成したことで大場鎮の教育条件は大幅に改善される見込みである。
1991年に始まった青島市の希望小学校建設プロジェクトにより、当市には68校がすでに出来ているが、青島池田桜花小学校は日本の友人の寄付で建設された3番目の学校である。
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つまり、青島池田桜花希望小学校の建設には、当初から池田氏本人が筑豊交響楽団と共に出資者として関わっていたということだ。このように自腹で作った学校も、聖教新聞の手にかかると、
「各国に池田SGI会長の名を冠した教育機関が創価教育と池田SGI会長の哲学への共感から(中略)SGI会長の名を冠した教育機関が設立されている。(中略)中国では「青島池田桜花希望小学校」(02年)が開校。」
という美談に変質するから恐ろしい。希望プロジェクトへの慈善行為そのものは価値ある尊いものだが、その経緯を歪めて個人崇拝のプロパガンダに利用するとは・・・・、宗教団体として恥ずかしいとは思わないのだろうか。
ちなみに、この記事によると、筑豊交響楽団は2000年~2002年までの3年間で計1350万円もの寄付をしているが、前述したように、地方の市民オーケストラはほとんど例外なく経営が苦しいはずで、よくそんな大金が出せたものだと驚かずにはいられない。さらに別の資料[*2]によると、同楽団は2003年には30万円相当の図書とピアノを同小学校に贈呈し、また2004年には同校から小学生11名を飯塚市に招待し、その際150万円相当の楽器を贈呈して同校に吹奏楽団を設立させている。2006年の「香峯子音楽堂」もその流れであろう。
とにかく筑豊交響楽団の同校支援にかける情熱は相当なものであるが、同時に資産に相当な余力がないとできない慈善活動でもある。私はいくつかの根拠をもとに、楽団は名義のみで、それらの原資は学会から出たのではないかと推論しているが、それらの根拠を語るには団長M氏の個人的事情に言及しなければならなくなるので、ここでは控える。
いずれにしても、池田氏と学会関係者が設立に関与しておきながら、その事実を隠し、学会と無関係な第三者が池田氏を尊敬して冠「池田」学校を建てたかのように読ませる礼賛記事を、聖教は恥かしげもなく書いていたというわけだ。これが「正義と真実の新聞」を自認する聖教新聞の真実の姿であるのだが、学会員諸君、そろそろ目を覚ましてはどうか。
次回は、ネット創価員らが学会は設立に無関係と言い張っている「インド池田女子大学」について検証する。
備考および参照サイト------------------------------------------------
[*1]:学校の命名については、希望プロジェクトの管理規則で以下のように規定されている。
(四)寄付者から要望があれば、寄付者が指定した名称を希望小学校に冠することができる。
http://www.cydf.org.cn/shiyong/html/lm_448/2007-04-27/091334.htm
なお、別の規定で「希望小学」の4文字は必須となっており、外せない。
[*2]:膠南市のオフィシャルサイトにある「2004年膠南市大事記」。
http://www.jiaonan.gov.cn/website_department/dangan/xiangxi.asp?id=8049&k=%CA%D0%B4%F3%CA%C2%BC%C7
腐ったお金が腐るほどある団体ですから、
やりたい放題できますね。
ニセ本尊を筆頭に、
騙されたいる会員が愍れです。
かぶることなく池田大作の名誉・称号等の授与報道、
不自然なことさえも感づかないのでしょうかね。