【サッカー】川崎、J連覇見えた 家長だ谷口だ阿部だ 3発柏を撃破2018年11月4日 紙面から ◇J1第31節 川崎3-0柏首位の川崎は柏に3-0で快勝し、7戦負けなしで勝ち点を63に伸ばした。2位広島は磐田に2-3で逆転負けし、4連敗を喫して同56のまま。残りは3戦で、川崎は10日の第32節でC大阪に勝つと、2年連続2度目の優勝が決まる。FC東京は横浜Mを1-0で下して勝ち点49で暫定3位とし、G大阪は浦和に3-1で勝って7連勝。神戸はポドルスキの2得点で名古屋を2-1で退け、8戦ぶりの勝利を挙げた。 先制、追加、ダメ押し。非の打ちどころのない完勝劇で、連覇に手をかけた。主軸の中村は「偶発的にこの順位にいるわけじゃない」と自信をのぞかせ、家長は「残り3試合で優勝できればいい。気長にやりたい」とニコリともせず言い放った。 前半21分、左サイドを抜け出した守田がゴール前にグランダーのラストパス。ニアに詰めた小林、中村をおとりに使い、「イメージ通り」と家長が左足インサイドで悠々と沈めた。柏は5バックを敷き、守ってカウンターに懸けるはずが、そんな安直なプランをあっけなく書き換えた。 12分後、右CKから谷口がヘッドでねじ込み、後半44分には阿部が鮮やかなループ弾でとどめを刺した。ベンチ前の鬼木監督、スタッフ、選手らは総立ち、満員御礼の「川崎劇場」は沸きに沸いた。 「今日の試合は最後まで走りきろう」。試合前、鬼木監督は声高にそう強調したという。10月24日、天皇杯・山形戦で想定外の敗北を喫した。油断はスキを生む。だからこそ、試合の入り方、攻守の切り替えなどを挙げ、あえて基本に立ち返る姿勢を選手に求めた。 開始直後から前線の小林、中村が相手に圧力をかけ続けた。2列目、中盤も呼応した。「あの負けがいい教訓になっている」と中村。ボールを奪われては、すぐさま奪い返し、柏守備陣を窒息寸前まで追い詰めた。そこに、川崎の強さが凝縮していた。 連覇は目の前だ。鬼木監督は「自分たちのサッカーを貫く」と静かに言い、中村は「相手は関係ない。自分たちがどれだけできるか」と表情を引き締めた。次節の10日、アウェー・C大阪戦。2度目の美酒は、すぐそこに待っている。 (松岡祐司)
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