宮城県警は今月、幅が狭い道路でも持ち運んで使用できる撮影機能付きの速度違反取り締まり装置を導入した。従来の装置では難しかった生活道路や通学路での取り締まりが容易になり、危険な運転の抑止効果が期待される。
 装置は高さ52センチ、幅26センチ、奥行き38センチの箱型で、半径約50センチのスペースがあれば三脚で設置できる。レーザー光で速度を測定するため、車載のレーダー探知機は反応しない。違反した運転手の顔や車両ナンバーを撮影して後日、出頭要請の通知を郵送する。
 県警によると今年、県内の生活道路であった事故による重傷者は96人(10月末現在)で、事故による全重傷者(491人)の約2割に上る。
 生活道路での取り締まりを望む声は以前から多かった。従来の装置は違反車を止めさせるスペースが必要で、生活道路のような幅の狭い道路では実施できなかったという。
 県警は1日、仙台市や住民と安全対策を進めている青葉区小田原5丁目の市道で、装置を初めて使用した。県警交通指導課の担当者は「子どもや高齢者が多い道路での危険運転がなくなるよう、装置を積極的に活用する」と話した。
 今後は地域住民や各警察署の要望を基に、生活道路を中心に、週に数回のペースで取り締まりを実施する方針。