最近、宇野さんからこうつつかれるようになった。
「ヤマカンさん、今アニメがこうなったのは、あなたのせいだよ」

それは自覚している。
いや、全部俺の責任にはしたくないが。


上の動画をもう一度観てほしい。
観たことがない人は、是非観てほしい。

2007年、僕のせいで、アニメ・オタクビジネスの業界人達は、プライドを剥ぎ取られたのだ。
これ以降、業界はネットの力によってただただ怯え、恐怖し、膝を平気で屈するようになった。

僕がそれが、引いてはフジテレビや多くの「ネットに屈しない」メディアへの無体な攻撃にも繋がったのだと考えている。

更にそれを逆手に取って、「ステルス・マーケティング」を行う連中も出てきた。
世も末だ。
「作品を観ず、ネットで騒ぐ肴にアニメを利用し、提供する」時代の到来だ。


しかし、気が付けば「ん?アニメって面白いの?」というのが、今だ。
ファンがあらゆるところで「どうしてこうなった??」と嘆くようになった。
ファンの方がいち早く気付いたというのも皮肉だ。

作品そっちのけで作り手も受け手も脳味噌をどこかに置き忘れたようなバカ騒ぎをした結果、作品の質が極限まで下がった。
クオリティもそうだが、「企画力」が格段に落ちた。
当分上がることはないと思う。

「アニメってつまんねぇな」
多くの人が、特にオタク層が、そう感じ始めている。
それが数字にしっかり出ている。


そしてクリエイターからも声優からもタレントからも、「矜持」が消えた。
それに対し憤る者もいれば諦める者もいる。
たまに勇気を出して声を上げれば恰好の餌食になる。

いつもは業界をボロクソ言ってばかりだが、この件に関しては業界にお詫びしたい。
申し訳ない。


僕はその贖罪として、孤軍奮闘している。
「ネットよふざけるな!業界よ目覚めろ!」と、連呼している。

ガチで嘲笑する人間もいるが、意外に多くの人が応援してくれる。
後輩達もずっと背中を見ている。
某偉大なアニソンアーチストからは、ある番組の本番直後、わざわざお見送りしてもらう形で「山本さんのような人が今業界に絶対必要なんです!」と、力説された。

頑張らなければならない。
少なくとも、自分の蒔いた種は、自分で刈り取ろう。


矜持というレベルの問題ではないかも知れない。
「これ、面白いよね?」という、なんでこんな感覚が今ないの?というくらい当たり前の意思疎通、確認作業が、作り手と受け手の双方に必要なのだ。

今、アニメはあまりに「面白さ」から背を向けている。
しかし機運は徐々に変化しつつある。
血路を切り拓くしかない。大変な戦いだが、付いてこなくてもいいから、見守るくらいはしていてほしい。