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熊野古道通る御浜・阪本区で太陽光パネル設置計画

 世界文化遺産に登録されている御浜町の熊野古道・横垣峠がある阪本区で太陽光パネルの設置計画が進んでいる。一部の住民からは「設置自体には反対していないが、景観を阻害するのではないか」と懸念の声が上がる。

 草が生い茂った耕作放棄地。二区画で計二千平方メートルある。土地所有者は町外に出ている。大阪市の業者が近くの住民に説明して回りながら農地転用を進めており、土地購入を経て来年二月ごろの着工を目指している。

 町は二〇〇二年、貴重な遺産を保存していくため、熊野古道伊勢路の景観保護条例を定めた。条例に記す保全地区は世界遺産の緩衝地帯(バッファゾーン)にあたり、建築物や広告物の設置には町長の許可を必要とする。だが今回の設置場所は範囲外だ。太陽光発電事業を進めるにあたり、国や県は昨年、周辺環境への配慮を求めるガイドラインを策定したが、あくまで努力義務。町は今月一日から、住民説明会の開催と自治会との協定締結など地元同意を求める指導要綱を施行した。法的拘束力はない。

 業者の担当者は「今後、説明会などを開いて理解が得られるように努力していきたい」と話す。町関係者は「行政の対応が遅れている感が否めない。地元と事前に話し合うことを義務化する法整備が必要だ」と訴える。

 (木造康博)

 <横垣峠道> 御浜町神木から阪本につながる約5・4キロのルート。熊野市有馬町方面から和歌山県田辺市本宮町方面へ向かう本宮道に入る。地元産の「神木流紋岩」が敷き詰められた石畳が残る。

 

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