ハラヴェンの副作用が話題になったので
(私も、それは知りたくて、臨床試験の
動向も、ウォッチしているのです…)
この記事を、翔香さんのために、
再掲しておきます。
(翔香さんには直接は関係ない臨床試験
ですが、前段階の試験で副作用は
示されているので…)
翔香さんは吐き気を一番、
気にしていらっしゃるので、
「吐き気」目線で、少し補記しておきます。
個人差はあるけれど、吐き気は
アンスラサイクリン
(イメンドという強い嘔吐止めでかなり制御できる
イメンド自体が強いステロイド薬で副作用もある
から、3日以上は処方されない、
それより弱いデカドロンとか、もっと弱めの薬が
処方されるのだけど、イメンドが切れてからの
吐き気は、根性のあった私もトイレとお友達状態で
出勤出来ず、自宅で仕事、メールでやり取り、
していました。というくらい、吐き気はあった。)
>>タキサン(ドセタキセルとかパクリタキセル)
(アンスラサイクリンに比べれば、
吐き気は大したことはない。私だけじゃなく、
一般的に。だから、イメンドが処方されることが
ないのだと思う。私の場合、吐き気が強く出る方
なので、デカドロンや弱めの薬も、しっかり処方
してもらったけれど、だいぶ使わずに余りました。
味覚障害はあった。私は出なかったけれど、
抹消神経障害の発生確率は高い。
程度は、一般的にパクリタキセル>ドセタキセル)
吐き気に限らず、
(どちらかというと抹消神経障害や
味覚障害の方かな?)
ハラヴェン(エーザイ、一般名はエリブリン)は、一般的に~「患者集団」の統計~、
タキサンより副作用が軽い、と、
期待されてはいる。
※個人差はあって、ブロ友さんで、
痺れが強く出た方もいらっしゃるけど…
下記の再掲記事内に、
2相の方の試験結果も書いてあります。
「
有害事象:(グレード3以上)
・好中球減少(10.2%)
・発熱性好中球減少(4.1%)
・末梢神経障害(2.0%)
・食欲不振(2.0%)
」
が、ハラヴェンの強い副作用が出た人
の割合。
ーーー
翔香さんの吐き気のトラウマとなって
しまった、
リムパーザ(オラパリブ)は
吐き気がすごいのですね、
翔香さんだけでなく、
他の方もブログに書いていました…。
勝俣先生が対策に詳しいのではなかろうか
と期待しますが…。
卵巣癌の方が先に認可されて使われて
いるし…。
=◆=◆=【再掲】=◆=◆=
(元投稿:2018年3月5日)
ご訪問ありがとうございます。
ドセの効きが悪かった(縮小しなかった)私
としては、
HER2のまま転移した場合、
現時点の1stライン標準治療の
ハーセプチン+パージェタ+タキサン
(ドセタキセル or (ナブ)パクリタキセル)
の 『タキサン』でない抗がん剤を
比較検討したいな、
ということで、この臨床試験の動向も
ウォッチしています。
2/21に、岩田先生も日経メディカル
オンラインに記事の中で宣伝して
いらっしゃいましたね。
※ハーセプチン、パージェタはご存知の
通り、抗HER2モノクローナル抗体。
副作用は従来の殺細胞毒性抗がん剤に
比べて、かなり軽い。
※タキサンは殺細胞毒性抗がん剤。
ナブパクリタキセル=アブラキサン。
アンスラサイクリンは不可逆性の
心毒性があり(さんくるさんの記事参照)
可逆性ではあるが心毒性発症率が
それなりに高いハーセプチンと
併用されることはなく、
タキサンが併用される。
=====
2017/8/1開始
UMIN000027938
EMERALD(JBCRG-M06)試験
・HER2陽性進行・再発乳癌
※ステージ4ってこと
・ハーセプチン+パージェタ+タキサンと
ハーセプチン+パージェタ+ハラヴェン
を比較検討
・第3相/並行群間/ランダム化/盲検
※どちらに当たるか分からない、
くじ引き試験ってこと
・非劣勢が示せれば、1st ラインで選択して
いいよ、と、診療ガイドラインで推奨され
堂々と「標準」治療になる。
評価項目
(主)
・PFS(無憎悪生存期間)
(副)
・奏効率、奏効期間、OS(全奏効期間)
・安全性、バイオマーカー 等
参加条件
・原発巣or転移巣でHER2陽性 確認済
・進行・再発治療として化学療法治療歴
(T-DM1カドサイラを除く)なし
・術前後の化学療法薬から6ヶ月以上経過
※因みに、6ヶ月未満の進行・再発では
ハーセプチンが効かなかったとして、
推奨されないのが標準治療。
それには、私は若干疑問があるけど。
その他の詳細条件は、直接、UMIN-CTRを
ご参照下さい。
除外条件
・奏効した場合、根治手術が予定されている
その他の詳細条件は、直接、UMIN-CTRを
ご参照下さい。
責任研究者
・山下年成先生:神奈川県立がんセンター
・増田慎三先生:大坂医療センター
・佐治重衡先生:福島県立医科大学
※山下先生、都立駒込病院から移られた
のですね。
2015年に日本内分秘・甲状腺外科学会
雑誌に、パージェタとカドサイラの論文
を書かれて、文末に
「進行・再発乳癌は現在、根治が困難な
疾患と考えられているが根治を目指した
治療も模索されている。
根治を目指した治療が最初に行われる
乳癌のサブタイプはHER2陽性乳癌
であると私は考えている。」
と力強く書かれていたので印象に残って
いる先生です。
試験実施施設
・上記3箇所
この試験、患者集めが大変そうですよね…
盲検じゃなく非盲検、どちらか選べるん
だったら集まるでしょうに、
と思うのは私だけでしょうか?
(すなわち、術前化学療法でpCRしなかった
タキサンが効かなかった人は、
他剤を検討する人が多いのでは?
ハラヴェンの方が一般的に~患者集団の
統計では~副作用が軽いと言われては
いるし… 殺細胞毒性抗がん剤ですから、
個人個人は、やってみなきゃ
分かりませんが…)
=====
因みに、第2相の臨床試験結果は
昨年2017年のASCO(米国臨床腫瘍学会)で
発表されています。
※「忍容性」って、副作用のレベル、
容認できるかどうかってこと
JBCRG-M03試験結果
横浜市立大学付属市民総合医療センター
乳腺甲状腺外科・成井一隆先生発表
■対象:49人 (2013年11月~2016年2月)
・HER2陽性進行・再発乳癌で未治療
または1レジメンの前治療を受けた者
・全例が術後補助化学療法または1次治療で
ハーセプチン+タキサン治療歴あり
・49人 FAS46人 1次治療8人 2次治療38人
■結果
効果:
・奏効率 56% (CR 13% PR 43.5%)
1次治療 87.5% (CR 25% PR 62.5%)
2次治療 50.0% (CR 10.5% PR 39.5%)
症例数が少ないので、この結果だけからは
微妙ですが、
ハーセプチン+パージェタの効果が絶大で
足す殺細胞毒性抗がん剤は、タキサンでも
ハラヴェンでも、患者集団としても
奏効率に大差ない、って感じかな。
(個人個人では、どっちが効くか、タキサン
効かずに進行・再発したわけだから、
ハラヴェンの方がいいかなって感じ?)
因みにCLEOPATRAの一次治療の奏効率80%。
※CLEOPATRAって、パージェタ認可の
根拠となった臨床試験。
ハーセプチン+パージェタ+タキサン。
有害事象:(グレード3以上)
・好中球減少(10.2%)
・発熱性好中球減少(4.1%)
・末梢神経障害(2.0%)
・食欲不振(2.0%)
※以上がハラヴェンの副作用だね。
・インフリュージョンリアクション(2.0%)
※これは、ハーセプチン+パージェタ
の副作用だね。
殺細胞毒性抗がん剤だから、やはり
この程度の有害事象は出ちゃうんでしょうね。
タキサンよりは、末梢神経障害や味覚障害が
少なくていいのかな?
少し前に書き残した、
と有害事象は同じくらいかな。
因みに、あちらは2次治療のカドサイラ
抵抗性対象で、
本試験は1・2次治療対象。