いくら片づけても雑然としてしまうリビングやキッチンには、壁一面に棚を設置した大面積の壁面収納が便利。天井までたっぷり利用して大容量が収納できます。
でも、棚が丸見えだと、細ごました生活雑貨や使いかけの食材の袋などが雑然とした印象になることが多いですし、かといって棚一つひとつに扉の付いた収納棚にすると、扉の開け閉めが意外にストレス。探している物が見つからず、扉をいくつも開けたり閉めたりしてしまう…そんなことも起こりがちです。
おすすめは、引戸タイプの動く間仕切を棚の手前に設置して、天井高の収納扉にすること。アルミフレームの間仕切なら、とても軽くて開け閉めもスムーズ。サッと大きく開いて、必要なもの物をすぐに見つけて取り出せます。樹脂パネルの面材は半透明なので、閉めていても中に入っている物が何となく見て取れるのも良いところです。引戸は、開き戸や引き出しと違って開けっ放しでも邪魔になりません。また開き戸は地震の時にバタバタと開いてしまう心配もありますが、その点でも引戸には安心感があります。
キッチンを上手に片づけるカギの一つは、食品、食材の収納にあります。冷蔵庫に入れる以外の食材、すなわち缶詰や乾物、レトルトといった保存食品や調味料などは、ついつい空いた棚や適当な場所に置いてしまいがち。収納を計画する時に、食器や調理器具などの収納スペースはしっかり考えていても、食材置き場のことが意外と抜け落ちているのです。家づくりの段階で、きちんとストックスペースをつくっておくと便利です。
独立した食品庫を一部屋つくらなくても、半透明スクリーンの間仕切で空間を仕切るだけでも、パントリー感覚で使える便利スペースが生まれます。別部屋ではないので動線はスムーズ。間仕切で隠れているので、来客の目も気にせず何でもしまえますし、一時的なゴミ置き場としても便利です。
あまりスペースに余裕のないトイレですが、収納すべきものは結構多いもの。トイレットペーパーや掃除用品、生理用品など、基本的に隠して収納しておきたいものばかりです。おすすめは、壁の厚みを有効活用できるビルトインタイプの収納棚。扉を閉めれば壁とフラットになるので「隠す収納」としてはぴったりです。
また、あえて「見せる収納」にする方法も。壁に木製の棚板をつけて、好みの花や小物などと一緒に飾る感覚で収納します。タオルの色や、容器、小物の色合いを統一することがポイントです。また、トイレでゆっくり過ごしたい方なら、本棚として活用するのもいいでしょう。家族が今読んでいる本を互いに共有できる図書館のような空間にすることもできます。
レジャー用品やアウトドア用品、スポーツ用品など、室内には上げたくないけれど、外で雨ざらしにもできない物って、ありますよね。そんな物の収納には、ウチでもない、ソトでもない、「ウチソト空間」をつくっておくと便利です。
たとえば、玄関の土間にクローゼットをつくってみてはいかがでしょう。靴はもちろん傘やレインコートなど、外で使うものをそのまま入れられるのが魅力です。半畳程度も設けられれば、ゴルフバッグや幼児の自転車くらい楽に収められます。
または、勝手口の外や車庫脇などの敷地を活かし、家の壁に屋根や囲いを設置。スキーやスノーボードなどのスポーツ用品、タイヤや工具、シャベルやホースといった園芸用品など、何でも気軽に収納できる便利空間が生まれます。独立した物置と違って家の出入口からの動線を短くできるところがポイントです。