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2010年2月 8日

「外国人参政権」法案に反対する 革共同入管闘争組織委

週刊『前進』06頁(2426号6面1)(2010/02/08)

「外国人参政権」法案に反対する
 分断・排除と同化の攻撃を許さず階級的に団結し2・13闘争に立とう
 革共同入管闘争組織委員会

 「朝鮮籍」排除が前提

 団結し闘う万国のプロレタリアートの名において、民主党・連合政権の「外国人参政権」法案に断固として反対する。
 小沢が今国会で外国人参政権について政府提出案としてやろうとしている政策には、昨年8・30総選挙で全面協力を引き出した民団を7月の参院選でも引き込もうという思惑も絡んでいる。連合に依拠し民団を取り込んでいかざるを得ないほど小沢と民主党政権は脆弱(ぜいじゃく)なのだ。
 支配階級の分裂と危機を前に、すでに2・1〜2動労千葉ストライキをもって日本階級闘争は第2次分割・民営化阻止の大決戦に突入している。
 時代は革命情勢だ! 
まさに「一切のかぎは、資本の支配のもとで徹底した分断と競争にさらされている労働者が、この分断を打ち破って階級としてひとつに団結して立ち上がることにある」「民族・国籍・国境を越えたプロレタリアートの団結こそ、帝国主義による侵略戦争・世界戦争を実力で阻止し、プロレタリア世界革命を現実にたぐり寄せるものである」(革共同綱領草案)。
 この時に「永住外国人のみを対象とする」として在日・滞日外国人を分断した上、さらに「国交のない国の国籍者については認めない」と、日帝の朝鮮植民地支配と侵略戦争の歴史的存在として「朝鮮籍」を維持してきた在日朝鮮人を排除するという外国人参政権法案とは何か。それはまさに日帝のいつもの手、分断と排外主義の扇動だ。
 今こそ民族・国籍・国境を越えた階級的団結で民主党政権を打倒しよう。すべての労働者は2・13代々木公園に総結集し、スクラムを組んで鳩山政権打倒に立ち上がろう!

 革命圧殺の常套手段

 そもそも「参政権」とは、国政も含むすべての選挙権と被選挙権を指している。しかし、民主党が政府案として用意している法案は、国政を除く地方参政権のみ、被選挙権を除く選挙権=投票権のみだ。しかも永住権を持つ外国人に限定した上、朝鮮籍を排除するという反動的な代物だ。
 戦前、大日本帝国憲法下で1925年に成立した男子普通選挙法(婦人参政権は戦後まで実現せず)のもとでは、日帝の植民地とされた台湾・朝鮮半島出身の在日朝鮮人・中国人にも選挙権・被選挙権を付与するという同化政策が実施された。30年代には、朴春琴が衆議院議員(東京4区)に当選したが、「皇国臣民」として戦争翼賛の役割を担ったのだ。
 他方、この普通選挙法実施が社会変革につながることを恐れた日帝は、同時に治安維持法を成立させ、普選法公布に先立って公布したのである。
 すでに1920年前後、日本の労働争議は最大の高揚期を迎えていた。八幡製鉄所では2万人を超える労働者が決起して”溶鉱炉の火が消える”事態となった。21年には神戸三菱と川崎の両造船所での3万人という戦前最大のストライキが闘いぬかれ、日帝は団結した労働者たちの前に震え上がっていたのだ。
 この時、朝鮮半島では植民地支配からの独立を要求する1919年3・1独立運動が爆発する。土地を追われ生きるために日本の地を踏んだ朝鮮人労働者たち、留学生たちもこの巨大な独立運動に結合した存在だった。
 日帝は敗戦後の45年12月、衆議院選挙法の付則における暫定措置として旧植民地出身者の参政権を停止した。その後、参議院選挙、地方選挙などでも同じく参政権を停止していった。先立つ10月の政府閣議では、逆に旧植民地出身者の参政権を継続して認めることを正式決定していたのだ。
 ここには戦後革命の現実性の前に震え上がった支配階級の姿がある。当時、選挙制度の専門家で衆議院議員だった清瀬一郎は意見書で「(日本国籍を持つ旧植民地出身者に)参政権を与えれば天皇制廃絶を叫ぶ議員が選出される恐れがある」「参政権を認めれば最小十人ぐらいの当選者を得るのは容易」「我が国は従来、民族の分裂はなく民族単位の選挙を行ったことはない。思想問題と結合すれば、天皇制の廃絶を叫ぶ者は恐らく国籍を朝鮮に有し、内地に住所を有する候補者であろう」と露骨に危機感を現している。
 これは、96年に日経連セミナーで「朝鮮有事が起きた時、大量の難民がやってくる。中には偽装難民もいて、日本で対立している韓国民団と朝鮮総連に武器を供給すれば内紛状態となり、市街戦あるいは局地的ゲリラ戦が始まる。そうなれば市街戦をやったことのない自衛隊はどう戦うか。有事立法しかない」と叫んだ梶山静六官房長官(当時)にも通底している。日帝支配階級にとって、労働者階級とその一員である在日・滞日外国人労働者はつねに潜在的革命勢力なのだ。これは歴史が証明してきたことだ。
 日帝の敗戦を契機に、いの一番に立ち上がったのは在日朝鮮人・中国人労働者たちだった。戦時の総動員体制に組み込まれていた日本人労働者も続々と巨大な決起を開始した。2・1ゼネストへのうねりは全国に広がり、労働者は自らの闘いで革命情勢を引き寄せていった。この2・1ゼネストを押しつぶしたものこそ、アメリカ占領軍を「解放軍」と規定し、労働者の革命的決起を裏切った日本共産党スターリン主義だった。
 この時、「国体維持」=天皇制存続を大前提に米帝の意をくんで延命を図った日帝は、労働者階級の革命的決起を鎮圧するため、民族を越えて渾然(こんぜん)一体となって闘っていた労働者人民に入管体制のくさびを撃ち込んだのだ。
 そして現在、世界大恐慌が進行する中、在日外国人労働者により過酷な現実が襲いかかっている。この怒りを闘いに組織するのではなく、「被選挙権も必要だがステップ・バイ・ステップで」と民主党への幻想を振りまいているのが民団だ。朝鮮総連に至っては、参政権問題を契機に一斉に激化する排外主義襲撃に対し、「在日同胞は共和国公民である」との在外公民規定を振りかざし、日本での政治的決起を押しとどめ、在特会や田母神などの極右ファシスト勢力の前に在日朝鮮人を差し出すばかりだ。
 在日朝鮮人は民族的な存在である前に労働者階級の一員としてこの地に存在している。これは動かしがたい歴史的事実だ。自ら階級的な存在であることを自覚し、分断と同化の「外国人参政権」法案に反対し今こそ民族・国籍・国境を越えた団結で立ち上がろう!

 「在留カード」阻止へ

 「難民を収容するな!」「仕事をよこせ! 難民を生きさせろ!」と怒りの声が上がっている。改悪入管法のもとでの「在留カード」導入が狙われている。外国人登録法を廃止し、外国人を治安管理の対象として入管法のもとに一元的に管理しようというのだ。
 そもそも民主党こそ、この改悪入管法成立を推進した張本人だ。今、千葉景子法務大臣のもとで進行している入管攻撃の激化を見よ。難民申請者の収容の激増、再収容、再々収容の暴挙が横行している。
 だが、この凶暴な攻撃も鳩山政権の脆弱性の現れだ。戦後の入管体制はつねに在日・滞日外国人の攻勢の前に追い詰められ、破綻させられてきた。指紋押捺拒否闘争を見よ。入管法・入管体制もこれを突き破る数百万の外国人労働者の前では無力だった。そして今も在日・滞日外国人の闘いは力強く継続している。
 外国人参政権について鳩山は、「参政権くらい付与されるべき」「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」とたびたび発言し、それを「友愛」の根拠にもしてきた。しかしこれは、東アジア共同体論と結合させて考えれば、侵略的大アジア思想に結実するものだ。
 また、施政方針演説で鳩山は、「幅広い文化交流や友好関係の土台を築くためにも……訪日外国人を2020年までに2500万人、さらに3000万人まで増やすことを目標に、総合的な観光政策を推進します」と言うだけで、在日・滞日外国人政策については一言もなかった。鳩山が「守りたい」という「いのち」には在日・滞日外国人は含まれないのだ。
 これが日本国家の意志だ。こんな国家で在日も滞日も、そして労働者階級はもはや生きられない。労働者の団結で滅ぼしてやろうではないか。
 1910年韓国併合条約から100年、それは朝鮮人民を始めとする労働者階級人民の営々たる闘いの歴史だった。求められているのは改革や改良ではなく、入管体制打倒、すなわちプロレタリア革命なのだ。
 2・1〜2ストで動労千葉は「怒りの声は社会の隅々まで満ちている。だがその声は未だ団結した力とはなっていない。この闘い(第2次分割・民営化反対闘争)は、その怒りをひとつに結集する闘いだ」と宣言した。今春、検修外注化阻止の国鉄決戦に労働者の力を集中し、鳩山政権打倒へ突き進もう。