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【大相撲】

貴ノ岩「何も聞いていない」 日馬が直接謝罪の一部報道に

2018年11月2日 紙面から

稽古でキレのある動きを見せる貴ノ岩(左)=福岡市東区で(宮下雅太郎撮影)

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 大相撲の二所ノ関一門による連合稽古が1日、福岡市東区の佐渡ケ嶽部屋宿舎であり、秋巡業を休場した幕内貴ノ岩(28)=千賀ノ浦=が、相撲を取る稽古を再開した。暴行被害を受けた昨年10月の傷害事件の加害者である元横綱日馬富士への訴訟を取り下げた後に報じられた元横綱の直接謝罪などについては、「何も聞いていない」。一連の問題を封印して、相撲に集中していくことを強調した。

 被害者として周囲を騒がせた暴行問題はもう振り返らない。二所ノ関一門の連合稽古に初参加した貴ノ岩。この日は同じ平幕の竜電や阿炎らと6番、「久しぶり」という相撲を取った。内容は悪くなかったようで、「思ったより力が入った」と稽古後に笑顔も見せた。

 10月30日には、傷害事件の加害者である元横綱日馬富士を相手取って慰謝料など2413万円の損害賠償を求めて東京地裁に起こした訴訟を取り下げた。その理由を説明する文書では母国モンゴルでの家族へのバッシングを挙げ、同じ日には報道陣の取材にも対応。納得して取り下げたことをあらためて認めていた。

 現役力士による異例の法廷闘争を回避した動きに応じるように、1日には元横綱が直接謝罪して慰謝料や治療費を支払う計画が報じられた。

 しかし、貴ノ岩本人は「何も聞いていません」とキッパリ。相手方からの連絡がないことも強調した。

 「謝罪があった場合、受けるのか」という質問にはうなずくようなそぶりも見せたが、言葉は発しなかった。その代わりに「心機一転か」と問い掛けられると、穏やかな表情で「一生懸命頑張ろうと思います」と土俵にかける思いを口にした。

 秋場所で10勝を挙げ、東前頭6枚目に番付を上げて臨む今場所。成績次第では自己最高位(西前頭2枚目)の更新も狙える。それだけに、周囲の雑音に耳を貸さず、1年の納めとなる一番一番に集中する。 (志村拓)

 

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