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【プロ野球】

ソフトバンク、サヨナラ王手 柳田弾、劇的延長10回

2018年11月2日 紙面から

ソフトバンク-広島 10回裏無死、バットを折りながら右越えにサヨナラ本塁打を放つ柳田=ヤフオクドームで(伊藤遼撮影)

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◇日本シリーズ<第5戦> ソフトバンク5-4広島

 「SMBC日本シリーズ2018」は1日、ヤフオクドームで第5戦を行い、ソフトバンクが柳田悠岐外野手(30)のソロ本塁打で広島に延長10回、サヨナラ勝ちを収めた。パ・リーグ2位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がったソフトバンクは、3連勝で2年連続9度目(前身の南海、ダイエー時代を含む)の日本一に王手。34年ぶりの日本一を目指す広島は1勝3敗1分けの崖っぷちに追い込まれた。第6戦は3日にマツダスタジアムで行われる。

      ◇

 やっぱり主役は格が違う。今シリーズ2度目の延長戦にもつれ込んだ10回だ。広島の守護神・中崎が1ボールから投じた2球目を先頭のソフトバンク・柳田が捉える。内角低めへのスライダーを思い切りすくい上げた。打球は右方向に一直線に伸びた。右翼フェンスに直撃して、テラス席に飛び込むと、ヤフオクドームは一斉に沸き返り歓喜に包まれた。「うれしい。(日本一まで)あと1勝ですね」と笑った。

 自身、日本シリーズでは初めてとなる待望のアーチがサヨナラ本塁打に。2年連続日本一の王手へ導く一発は、驚愕(きょうがく)の一打だった。「バットが折れていたので。うわ、折れたと思ったけど、テラスに入ってびっくり。(バットが折れての本塁打は)初めての経験なので、すごくうれしいです。(バットは)新しいものを補充します」と球場を驚きと笑いにも包んだ。

 今回のシリーズで苦しめられた内角攻めを、見事にはね返した。第1戦から広島投手陣に徹底的に攻められて、出身地・広島での2試合はわずか1安打に終わっていた。それでも「ミス(失投)があれば打てる」と宣言していた通り、劇弾はやや甘めのコースを完璧に捉えた。有言実行の値千金の一打。満面の笑みでチームメートの手荒い祝福を満喫した。

 本拠地ヤフオクドームで今季最後となる可能性も高い試合。重要な戦いで、誰もが勝利への執念を見せ、自己犠牲もいとわなかった。その代表は内川だった。

 4回だ。中村晃の2点打で一時逆転し、なお無死一、二塁。今季2000安打も達成した背番号「1」は初球から送りバントを試みた。ざわつく球場。だが2球目も変わらなかった。投前に転がして犠打を成功させて、追加点には至らなかったがチャンスを広げた。

 2011年にソフトバンクに加入して以降、レギュラーシーズン、ポストシーズン通じて初めての犠打だった。13、17年のワールド・ベースボール・クラシックでもなかった出来事。主将の心意気に、4番がバットで応えた形にもなった。

 11年の日本シリーズ第7戦から続く本拠地・ヤフオクドームでの同シリーズ連勝を「12」に伸ばし、日本一まであと1勝。再び故郷の広島に凱旋(がいせん)する。 (山田孝人)

 

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