| 1980年5月に韓国で起きた「光州事件」は、事件が起こった全羅道光州市が「金大中氏」の人気が高い地域であったことから、1979年10月の朴正煕大統領暗殺事件後の、軍による戒厳令下、金大中氏逮捕をきっかけとして起こった市民暴動事件。背後に北朝鮮工作員による扇動があったかどうか諸説があるそうだ。 「光州事件」の位置付けは、時の韓国の政権の見方によって諸説あるようで、かつては「スパイに扇動された市民暴動」という見方であったが、後の2001年盧泰愚政権の時代には「民主化運動のきっかけとなった事件」と位置付け、事件関係者を「民主化有功者」と位置付ける法律を制定するなど評価が様々に別れているようです。 この事件をとり上げた映画もつくられており、だいぶ前、私も家で観た記憶があります。暴動を起こした市民側にいた大学生（射殺される）を韓流の人気俳優のイ・ジュンギが主演していました。つまり、「市民暴動」ではなく「民主化運動のきっかけとなった、ある意味英雄的な事件」という捉え方でした。 韓国のような中露に近いという地政学的な位置や、同じ民族同士で政治のイデオロギーや民族のアイデンティティの南北分断という状態が今なお続いているような国では、絶えず内部の葛藤が激しく、また極端な赤化への方向転換などのリスクがあることで、健全な民主主義的政治が難しい国であることはまちがいないようです。 1961年の軍事クーデター後に国家再建最高会議議長に就任し、後に第5代～第9代韓国大統領として強権的な政権を指導した朴正煕大統領（1963年～1979年10月在任）や、1979年10月に起こった朴正煕大統領暗殺事件後に、戒厳令を敷き1980年5月の「光州事件」を鎮圧し大統領となった全斗煥大統領（1980年8月～1988年2月在任）などにはそれぞれに功罪はあります。 しかし、ある意味この二人のような強権的なリーダーシップで国の舵取りをする大統領でなければ、韓国という国は内部の北朝鮮工作員による扇動・侵蝕から次第に「無政府化状態に近い赤化」という危険性を孕んでいるともいえるのかもしれない。 全斗煥が第11代韓国大統領に就任した1980年の10月10日の北朝鮮の朝鮮労働党大会第6回大会では、当時の金日成主席が、連邦制による朝鮮統一案として「高麗民主連邦共和国」設立を訴えたそうだが、この案を全斗煥は拒否。 今の文在寅大統領は、元々親族全て北朝鮮にいるそうで、メンタリティが北朝鮮人であることは間違いないが、（平昌五輪のときには北の金与正氏より下座で、有難そうに握手していましたね）果たして韓国のこの先の舵取りは彼で大丈夫なのか。 光州事件の概要 （WIKIより引用） 韓国では、1979年10月軍事政権であった朴正煕大統領の暗殺後、「ソウルの春」と呼ばれる民主化ムードが続いていた。しかし、軍部では維新体制の転換を目指す上層部と、朴正煕に引き立てられた中堅幹部勢力「ハナフェ（ハナ会・一心会）」との対立が表面化。1979年12月12日保安司令官全斗煥陸軍少将が、戒厳司令官の鄭昇和陸軍参謀総長を逮捕し軍の実権を掌握した（粛軍クーデター）。 粛軍クーデター後も全国各地で反軍部民主化要求のデモが続いていたが、全斗煥率いる新軍部は翌1980年5月17日、全国に戒厳令を布告し、執権の見込みのある野党指導者の金泳三・金大中や、旧軍部を代弁する金鐘泌を逮捕・軟禁した（5・17非常か威厳令拡大措置。 金大中は全羅南道の出身で、光州では人気があり、彼の逮捕が事件発生の大きな原因となっている。また、鎮圧部隊の空挺部隊も、かつては韓国軍のエリート部隊であったが、全斗煥の警護部隊的な位置づけに格下げされ、兵士たちには鬱憤がたまっていた。 5月18日、光州市で大学を封鎖した陸軍空挺部隊とこれに抗議した学生が自然発生的に衝突した。軍部隊・機動隊の鎮圧活動は次第にエスカレートし、また翌19日にはデモの主体も学生から激昂した市民に変わっていった。 市民はバスやタクシーを倒してバリケードを築き、角材や鉄パイプ、火炎瓶などで応戦した。21日に群集に対する空挺部隊の一斉射撃が始まると、市民は郷土予備軍の武器庫を奪取して武装し、これに対抗した。戒厳軍は一時市外に後退して、光州市を封鎖（道路・通信を遮断）包囲。 5月21日には20万人の群衆が市内の各公共機関を占拠、無政府状態となり、戒厳司令部は5月27日、約2万5000人の実戦部隊を突入させて市内を制圧。事件の犠牲者は公式発表では官民あわせて死者191人、重軽傷者852人だったそうだ。 韓国政府は抵抗する光州市民を「スパイに扇動された暴徒」であるとした。 韓国メディアは光州で暴動が起きていることを報じた。海外メディアは、ニューヨーク・タイムズのヘンリー・スコット・ストークス東京支局長を始めとして、金大中は「処刑されるべきではない」との社説を掲げ「民主化運動の闘士」であるとの後押しを行った。また、ドイツ公共放送（ARD)東京在住特派員であったドイツ人記者ユルゲン・ヒンツペッターなど海外メディアの特派員により、ドイツなど諸外国では事件の経過について詳しく報道されていた。 地元の有力者などで構成された市民収拾対策委員会は戒厳軍側と交渉するも妥結に至らなかった。市民たちは武器を手に入れると韓国軍を相手に銃撃戦を行い全羅南道道庁を占領。指導部は闘争派と協商派に分かれて分裂した。5月26日、市民軍は記者会見でアメリが介入すれば流血事態は阻止できると主張するとともに、同志は死ぬ準備が出来ていると発表した。 結局、一部闘争派を残して自主武装解除を行い、この情報から市民に占拠された全羅南道庁に対する鎮圧命令が下った。5月27日、市民軍の先頭に立って武器倉庫を攻撃したユン・サンウォンを含む市民軍には射殺されるものもあり、韓国軍、警察隊にも死傷者を出しながら鎮圧作戦は終了した。光州市に投入された総兵力数は2万5千人に上った。1980年9月17日、金大中氏に死刑判決が下された。 当時、事件は「北朝鮮の扇動による暴動」とされたが、粘り強い真相究明の動きの結果、1997年に国の記念日となり、盧泰愚政権下の2001年には事件関係者を民主化有功者とする法律が制定。韓国の近代史でもっとも大きな事件の一つ、かつ韓国における民主主義の分岐点となった1987年6月の6月民主抗争の原動力となった。 その一方で、2010年代においても韓国では当時の韓国政府と同様に北朝鮮の関与があったとする複数の報道もなされている。それに対する非難もあり事件の原因について対立する説がある。また、海外では金大中を支持していたニューヨークタイムズのストークス記者が、当時は金大中に騙されていたと主張するなど、事件についての見解はさまざまの模様。 |
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光州事件は見方によっては、民主化運動の始まりなのでしょう。
ただ、結果だけをみると、朴正煕大統領が暗殺後の政権を北を拒絶する全斗煥が再度軍政で固めたというように思われます。
ただ、その後には金大中・盧泰愚・文在寅の親北・従北政権になっていますから軍政への反動とともに光州事件が契機となったということでしょうか。
韓国は文在寅のみならず法曹界やマスコミが北に牛耳られているようで、保守系の元大統領は清算されそうな勢いですね。
2018/9/29(土) 午前 0:42 [ mymidiindex ] 返信する
> mymidiindexさん
コメントをありがとうございます。光州事件が何だったのかということは議論され続けているようですが、一応、民主化運動だったということになっているようですね。
韓国の保守は絶滅寸前ですね。もはや米国も匙を投げている状態のようですね。米韓合同軍事演習は再開されそうにありませんし、日系のハリス駐韓米国大使は、もし仮に有事が起きた場合でも最後の在韓米国人が無事に半島脱出するまで冷静に対処するための大使としての起用だったのだと思っております。
2018/9/29(土) 午前 0:52
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> kamakuraboyさん
右や左に政権が移るのはどこの国でもあることですし、韓国は軍事政権から一応民主政権ということなのでプロセスとして自然です。ただ、健全な政権運営にはなりそうもありません。
日本は、もはや韓国には手厚く関わることは止めるようにしてほしいです。
2018/9/29(土) 午前 1:03
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> 石田泉城さん
同感です。左に振り切れた感がありますし。
2018/9/29(土) 午前 1:12
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