今回アインズ様のお供をするのはいったい誰だ、と守護者たちは色めき立つが────
◇第二回、アインズ様のお供は誰だ会議────
「────というわけで、今回アインズ様に供として従うものを決めようと思います」[デミ]
「毎度のことでありんすが、なにが『というわけで』なんでありんすか?」[アウ]
「それについては、今回は私も詳しくは知らないのだよ。全てはアインズ様のお心の内さ」[デミ]
「今回はどちらに行かれるのですか? アインズ様」[セバ]
「うむ、帝都だ」
「て、帝都って、ぼくとお姉ちゃんが行った場所、ですよね?」[マレ]
「そうだ。だが今回は脅したり攻撃したりしに行くわけではない」
「? では、何をしに行かれるんでありんしょうか?」[シャル]
「それは…………まあ、色々だな」
「ふふふ、シャルティア。アインズ様は私たちが想像もつかないほどの智謀をお持ちなのだ。
この度の帝都訪問にも、おそらくはいくつもの目的がおありのはず。
私としては是非それを最前列で見させていただきたいところなのですが…………」[デミ]
「おや、辞退でありんすかぇ? デミウルゴス」[シャル]
「残念ですが、聖王国でやることがありましてね」[デミ]
「…………あ、そうそう、デミウルゴス。聖王国といえば、来週辺りに姉さんがモモルを牧場見学に連れて行きたいと言っているんだけど、いいかしら?」[アル]
「ええ、もちろんです。ではせっかくですから、家畜になにか芸でも仕込んでおきましょうか」[デミ]
「ん…………ナザリックの外にモモルを出すのか?」
「はい、広い世界を知るのも、アインズ様の子であるモモルには必要なことかと思いまして」[アル]
「そう…………か、うむ、そうだな。護衛はどうなっている?」
「私ガコノ命ニ代エテモオ守リイタシマス」[コキュ]
「あたしも探知系の能力に優れた魔獣を連れてついて行きますから、ご安心ください、アインズ様」[アウ]
「そうか。二人がついて行ってくれるのなら、なんの心配もないな」
「…………ということは、必然的にコキュートスとアウラも辞退ということになるのでありんすか?」[シャル]
「残念だけど、そうなるね~」[アウ]
「あ、あの!」[マレ]
「ん? どうした、マーレ」
「あの、その、ぼくも、今回は辞退させていただいてもよろしいでしょうか…………?」[マレ]
「おや、マーレがそんなことを言うとは珍しいですね。なにか特別な理由でも?」[デミ]
「…………あの…………その…………///」[マレ]
「…………マーレ、自分で言うと決めたのでしょう?」[アル]
「…………は、はい! あの、アインズ様!」[マレ]
「お、おう、いや、うむ。どうした、マーレ?」
「ぼく…………ぼく…………あの……………………赤ちゃんが、出来たみたいなんです…………///」[マレ]
「……………………〈精神沈静化〉」
「えっ、ほんとに!?」[アウ]
「なんと…………大変素晴らしいことですが、流石に驚きましたね」[デミ]
「メデタイ! 赤飯ヲ炊カネバ!」[コキュ]
「おめでとうございます、アインズ様、マーレ様」[セバ]
「くぅ…………弟に先を越された…………!」[アウ]
「嬉しいと悔しいが混ざり合った気持ち…………今ならぬしにも分かるでありんしょう?」[シャル]
「おや、シャルティア。君はもっと驚くと思ったんだが、以外に冷静だね」[デミ]
「男の娘の生態について、調べたからでありんしょうねぇ」[シャル]
「ほう、そのような書物があったのですか?」[デミ]
「ふっふっふ…………じゃーん!
「おお! それはもしや至高の御方の!」[デミ]
「そう、以前アインズ様から敢闘賞兼残念賞兼慰労としていただいた、ペロロンチーノ様直筆の百科事典でありんす!」[シャル]
「シャルティア…………自分で言ってて情けなくならないの?」[アウ]
「シャラーップ! ちびすけ! 弟に先を越された姉に、私を馬鹿にする資格はないでありんす!」[シャル]
「うぐ…………」[アウ]
「シャルティアに言い負かされたアウラも珍しいが、それよりも男の娘について何が書かれていたのか教えてもらっていいかね?」[デミ]
「…………(俺も知りたい)」
「では! 特別に! 教えてあげるでありんす!」[シャル]
「…………シャルティアに上から目線で言われると、不思議と言い返したくなるのはなぜなんだろうね?」[デミ]
「…………(その気持ち、なんか分かる)」
「えーと、おー、おとー、おとこの…………あったでありんす。
男の娘=男の娘には大きく分けて二つのタイプがある。
やおい穴が付いているものと、付いていないものだ。
やおい穴とは、男性との性行為専用の穴であり、女性で言うところの────」[シャル]
「こほん! その辺はぼかしていいぞ! (なに書いてんだペロロンチーノ!)」
「あ、はいアインズ様!
え~…………やおい穴にも二種類ある。
ア○ルとは別に穴が空いているものと、性行為の際にア○ルの機能が変化────」[シャル]
「そこも飛ばしていいぞ! 結論の部分だけ呼んでくれ、シャルティア! (うぉい! ペロロンチーノコラァ!)」
「は、はいアインズ様!
え~…………つまり、穴が二つあろうと一つだろうと、それがやおい穴である限り男の娘は妊娠することが可能だと言える。
ちなみに、俺個人としては後者が好みである…………と書いてありんす」[シャル]
「…………そうか(自分しか読まないと思ってたんだろうなぁ…………)」
「なるほど。つまりマーレには『やおい穴』なる器官があるため、妊娠出産が可能だということなのですね?」[デミ]
「あ、あの…………ぶくぶく茶釜様も仰ってましたし、その、間違いないです…………///」[マレ]
「アインズ様、私も確認致しました。マーレは間違いなくアインズ様のお子を身篭っております」[アル]
「例の
「はい♡」[アル]
「そうか…………マーレ」
「は、はい…………」[マレ]
「私は、マーレと私の子が出来たことを、心から嬉しく思う。
だから、ぼ…………母子? うむ、母子ともに健康であってくれ。
それだけが私の望みだ」
「あ、アインズ様ぁ…………♡」[マレ]
「オゥオゥオゥオゥ…………爺ハ…………爺ハ…………ッ!」[コキュ]
「コキュートスはすでに新たな爺としての妄想に旅立ってしまったようだね」[デミ]
「ねえねえ、アルベド。マーレの子って、男の子? 女の子?」[アウ]
「女の子よ」[アル]
「女の子かー、マーレみたいな大人しい性格の女の子かなー」[アル]
「いくら私でも、性格までは分からない…………あら? ちょっとアウラ」[アル]
「ん? なに、アルベド」[アウ]
「あなたも妊娠してるわよ?」[アル]
「えっ!!?」[アウ]
「そ、それは本当か? アルベド」
「私の目に間違いはございませんわ、アインズ様。アウラは、間違いなくアインズ様のお子を身篭っております」[アル]
「わぁぁっ、よかったね、お姉ちゃん!」[マレ]
「あわわわわ…………あ、あたしのお腹に赤ちゃんが…………? ど、どうしよう、横になってじっとしてたほうがいいのかな?」[アウ]
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。ほら、ぼくが保護魔法を掛けてあげたから」[マレ]
「う、うん。ありがとう、マーレ」[アウ]
「これは…………一日に二度も驚かされることになるとは、思いもしませんでしたね」[デミ]
「おめでとうございます、アインズ様、アウラ様」[セバ]
「あ、ああ…………ありがとう、セバス」
「アインズ様、アウラにもお言葉を掛けてやってくださいませ」[アル]
「あ、うん…………うむ。アウラ」
「は、はい!」[アウ]
「アウラも、アウラと私の子供も、どちらも大切な存在だ。
体を労わり、健康な子供を産んでくれ。
そして、マーレやほかの守護者とともに、いつまでも私の傍にいて欲しい」
「はい…………はいっ! アインズ様! いつまでもお側に…………!」[アウ]
「まったく、ちびすけにまで先を越されるとは…………おめでとう、アウラ」[シャル]
「ぐすっ…………ありがとう、シャルティア…………」[アウ]
「アルベドさん、お姉ちゃんの子供は、男の子ですか? 女の子ですか?」[マレ]
「ん~…………男の子ね」[アル]
「おお、初の男子でございますね」[セバ]
「…………アア…………若、剣ノ握リハモウ少シ軽ク…………」[コキュ]
「コキュートスは完全にトリップしてますね…………こほん、アインズ様」[デミ]
「ん? なんだ、デミウルゴス」
「アウラとマーレがともに身篭ったとなりますと、防衛の人事や外で行う計画に少々変更が必要になります」[デミ]
「うむ、二人を働かせるわけにはいくまい。
そうだな…………とりあえずモモルの護衛にはコキュートスとともにシャルティアがついて行ってくれ」
「はっ、畏まりました」[シャル]
「帝都には…………よし、モモルの牧場見学に合わせて行く事にするか。
モモルはニグレド、コキュートス、シャルティアに任せ、ナザリックの内政はパンドラズアクターに指揮を取らせよう。
そして帝都にはアルベド、お前がついてくるのだ」
「わ、私がでございますか?」[アル]
「ああ、お前はカルネ村以降、ずっとナザリックに閉じ込めてしまっていたからな。
もちろん大事な仕事を任せていたのだから仕方のないことではあるのだが、たまには一緒に出かけようじゃないか」
「ア、ア、ア、アインズ様…………そ、それはもしや…………」[アル]
「うむ、デートというやつだな」
「…………っきゃーーーー!!
ど、どうしましょう! 着ていくものを選ばなくちゃ!
なにを…………なにを着ていけばいいかしら…………モモンガ様のお好きな、胸元の大きく開いた服? それとも、初めての時に着ていたあの思い出の服のほうが…………」[アル]
「アルベド? おい、アルベド、行くのは来週だ。来週だぞ!」
「はっ! し、失礼いたしました、モ…………アインズ様。余りにも嬉しくって…………♡」[アル]
「う、うむ。そうか、喜んでくれたのなら何よりだ」
「…………アインズ様♡」[アル]
「ど、どうした、アルベド」
「二人目を作りましょう♡」[アル]
「い、いやちょっと待て、アルベド! 皆がまだいるから! な!? な!?」
「ちょ、アルベド! ぬしは一度孕ませていただいたんでありんすから、次は私に譲るべきじゃありんせんか!? 私なんてまだ…………っ!!」[シャル]
「はいはい、二人共一旦落ち着いてください、話が進まないじゃないですか…………さてアインズ様、第六階層の守備につきましては、後ほど改めて代理の守護者を誰にするかご相談させて頂くということでよろしいでしょうか?」[デミ]
「あ、ああ、うむ、それはいいんだが…………」
「ありがとうございます。ではアウラ、マーレ、君たちはこのあと、一応ペストーニャに体を見てもらうといい」[デミ]
「う、うん、分かった。なんだかまだ実感が湧かないや」[アウ]
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。アルベドさんが言うんだから間違いないよ。…………ぼくがお姉ちゃんの食事にも排卵誘発剤を混ぜておいたんだし」[マレ]
「? なにか言った、マーレ」[アウ]
「う、ううん、何でもないよ、お姉ちゃん」[マレ]
「セバス、君は…………すまないが、コキュートスを運んでくれるかな?」[デミ]
「畏まりました、デミウルゴス様」[セバ]
「お願いするよ。ではアインズ様、私たちはこれで失礼いたします、守護者代理の草案は後ほどお持ちいたしますので」[デミ]
「え、ちょ、デミ…………」
「さ、アインズ様、邪魔者もいなくなったことですし、寝室に参りましょう♡」[アル]
「ちょ、私は!? 私は!?」[シャル]
「あなたは…………んー…………もう少し先ね」[アル]
「なぜに!?」[シャル]
「……………………(もうこの場を収めるのは無理だな。全てを受け入れよう…………)」
◇魔導王と正妃のデート(帝都観光)────
「────ここが帝都だ、アルベド」
「王国の王都とは違って活気がございますね」[アル]
「うむ、ジルクニフが腐敗した貴族を粛清したことにより、国が良い方向に向かっているのだろう。民の顔に希望が見て取れる」
「煩わしいようでしたら、全て潰しましょうか? モモンガ様」[アル]
「い、いや、一応同盟国だからな、そういうことはしなくていい…………それよりアルベド、あれを見てみるといい。あれがジルクニフのいるバハルス帝国の帝城だ」
「まあ、みすぼらしい居城ですこと」[アル]
「ナザリックに比べれば、どのようなものでもそう見えてしまうかもな」
「この国を完全に飲み込んだ際には私がギンヌンガガプで更地にいたしますので、跡地に新しい城を建てましょう」[アル]
「ま、まあ、機会があれば、いずれな」
「はい。いずれはモモンガ様のお子が支配する地ですもの、あのようなみすぼらしい城ではモモンガ様に失礼ですわ」[アル]
「え…………?」
「次は…………闘技場でございましたね」[アル]
「あ、ああ、闘技場の支配人に話を付けてあるからな。飛び入りで参加できることになっている」
「帝国の冒険者を魔導国に誘致することが目的…………でございましたよね?」[アル]
「うむ、そうだ」
「各国に放ってある
「ああ、偶然にもな」
「うふ、うふふ…………そうでございますわね、全ては
「? あ、ああ」
「モモンガ様の智謀は、まさに至高の極みにございますわ。まさか一週間も前からこの日のことを予想されていたなんて…………到底私やデミウルゴスの及ぶところではございません。
流石はモモンガ様ですわ♡」[アル]
「(なんのことだかさっぱり分からん…………けど、一応それっぽい態度を取っておこう)…………ふふ」
「あぁ♡ その含みのある笑みもス・テ・キ…………♡」[アル]
「お前に褒められるのは、素直に嬉しいぞ、アルベド…………では、そろそろ行くとするか」
「はい、モモンガ様♡」[アル]
◇魔導王と正妃のデート(闘技場参戦)────
「────では、ジルクニフとともに観戦していてくれ、アルベド」
「はい、畏まりました。アインズ様」[アル]
「……………………あー、アルベド殿? 今回ゴウン殿は魔法を使わないということだが…………大丈夫なのかな?」[ジル]
「うふふ…………一度しか言わないから、よく聞いておきなさい、ジルクニフ。あと、火神殿・風神殿の神官長と、スレイン法国の人間もよ」[アル]
「「…………!!」」[ジル他]
「あら、そんなに驚いた顔をしてしまっては、全てその通りですと認めるようなものよ?
…………まあいいわ。あなた達がなにを企もうと、全てはアインズ様の手のひらの上ですもの。
この緊急会談が決まったのはいつ? 三日前? 五日前かしら?
アインズ様は、七日以上も前から今日のことを予想されていたけど」[アル]
「ば、馬鹿な! この会談の場所が我らに知らされたのは数時間前だぞ!?」[火神官]
「そうよ、だからこそあの方は至高なの。ちなみに、さっきの質問への答えはこうよ。
あの程度の雑魚が相手ならば、アインズ様は魔法を使うまでもないわ」[アル]
「雑魚…………四騎士が総がかりでも勝てない相手を、雑魚だというのか? そんな、いくらなんでもありえない! 魔法詠唱者が、魔法も使わずにあの武王を倒すなど…………!」[ジル]
「あなたたち
アインズ様は当然のこととして、私ですらあなたたちの想像の範疇にはないわ」[アル]
「…………そ、それは、あなたもゴウン殿に近しい強者だということだろうか?」[ジル]
「アインズ様に近しいなどと言うのはおこがましいけれど…………私はアインズ様を守護する者よ。そう言えば理解できるかしら?」[アル]
「なんてことだ…………」[ジル]
「…………私たちは帰らせてもらおう。やらなければならないことが山ほどあるのでね」[スレ法A]
「お好きになさい、どこに居ようと同じことよ。
あなた達がどれほど遠く離れようとも、結局そこはアインズ様の手のひらの上…………
逃れる事など出来はしないのだから」[アル]
「…………っ失礼する!」[スレ法B]
「それで? あなた達は帰らないのかしら?」[アル]
「…………帰らせてもらえるのかね?」[風神官]
「さっきも言ったでしょう? 好きになさいと。
あなた達がここに残ってアインズ様の弱点を探ろうとしても無駄だし、神殿に戻って対策を練ろうとしても無駄…………どちらを選ぼうとも、アインズ様は全てを見通しておられるわ。
ここでこうしてあなた達と顔を合わせたことが、何よりの証拠じゃなくて?」[アル]
「…………帰らせてもらうとしよう。…………皇帝よ、貴方に会うことは二度とあるまい」[風神官]
「失礼する」[火神官]
「待っ…………」[ジル]
「……………………ふふふ。さあ、残ったのはあなた一人よ、ジルクニフ。
スレイン法国と神殿勢力から見放されたあなたは、これからどうするつもりなのかしら?」[アル]
「…………っ、て、帝国を…………帝国を、魔導国の属国にしていただきたい…………」[ジル]
「正しい判断よ、ジルクニフ。…………あぁ、見てごらんなさい、あなた王が勝ち鬨を上げているわ。
きゃ~~♡! アインズ様~~♡! ステキです~~♡!」[アル]
「ゴ、ゴウン殿~! カッコよかったぞ~!(やけくそ)」[ジル]
◇アインズ様はお出かけ中────
「────失礼いたします」[デミ]
「ただいまー」[モモ]
「お帰りなさい、モモル。デミウルゴスもわざわざ連れてきてくれてありがとう」[アル]
「いえいえ、モモル様のお供をできるのは光栄なことです。それに、アインズ様に許可を頂きたいこともありましたし…………おや、アインズ様は?」[デミ]
「アインズ様は今、少し遠出をしているわ。でも、一日に一度は転移で帰ってくると仰っていたから、あと数時間でお戻りになるはずよ」[アル]
「そうですか。では、七階層に戻って次の計画の準備でもしながら夜を待つとしましょう」[デミ]
「とうさまいないのー?」[モモ]
「お父様はお仕事で遠くに行っているの。でも、きっとモモルの声を聞きたがっていると思うわ。お父様とお話する?」[アル]
「するー!」[モモ]
「じゃあ、ちょっと待っててね。〈
『アルベドか、どうした、何かあったか?』
「『いえ、モモルが牧場見学から帰ってまいりましたので、そのご報告をと思いまして』」[アル]
『おお、モモルが帰ってきたか。元気にしているか?』
「『もちろんでございます。今代わりますので、少々お待ちください』────さ、モモル、お父様よ」[アル]
「うん! ありがとう、かあさま! ────『もしもし、とうさま?』」[モモ]
『ああ、私だ。モモル、牧場見学は楽しかったか?』
「『うん! すごくたのしかった! あのね、でみでみがね、あべりおんなんとかをひゃーってなかせるの!
それでね、なんかいもやってるとあんまりなかなくなっちゃうんだけど、しおみずをかけたり、ちいさいのをつれてきてめのまえでなかせたりすると、またひゃーってなくんだよ!』」[モモ]
『ん? うん、まあ、楽しかったんならよかった』
「『またいきたいなー。こんどはとうさまといっしょがいい!』」[モモ]
『ははは、そうかそうか。じゃあ、時間を作って今度一緒に行こうか』
「『うん! やくそくだよ?』」[モモ]
『ああ、約束だ。じゃあモモル、母さんに代わってくれるか?』
「『わかった! とうさま、あとでかえってくるんだよね? きょうはごほんよんでくれる?』」[モモ]
『ああ、もちろんだ』
「『わーい、ありがとう、とうさま! じゃあ、かあさまにかわるね』────かあさま、とうさまあとでごほんよんでくれるって!」[モモ]
「あら、よかったわね、モモル。それじゃあ、お父様が帰ってくる前に、私とお風呂に入りましょうね」[アル]
「うん!」[モモ]
「うふふ────『お待たせいたしました、アインズ様』」[アル]
『牧場見学は楽しめたみたいだな』
「『ええ、デミウルゴスがイベントを企画してくれたみたいです。羊皮紙の手作り体験だとか、家畜との触れ合いだとか色々と』」[アル]
『そうか、デミウルゴスにはあとで礼を言っておかねばな』
「『デミウルゴスも来ておりますが、代わりましょうか? アインズ様』」[アル]
『いや、どうせあとで戻るから、その時に直接言うとしよう。
「『うふふ、デミウルゴスも喜びますわ。では、お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした、アインズ様。また後ほど、体を隅々まで磨いてお待ちしておりますわ♡』」[アル]
『う、うむ。では、また後でな』
「────デミウルゴス、あとでアインズ様がお戻りになったら、直接お褒めの言葉を頂けるわよ」[アル]
「おお、それは嬉しいですね。頑張った甲斐があったというものです」[デミ]
「でみでみ、ありがとう!」[モモ]
「これはモモル様、恐悦至極にございます」[デミ]
「あら、ちゃんとお礼が言えてえらいわね、モモル」[アル]
「えへへー」[モモ]
「そう言えば今更ですが、アインズ様はどちらに行かれているのですか?」[デミ]
「ドワーフの国よ。詳しい目的は教えていただけなかったけど、アインズ様のことだからきっとまたいくつもの計画を同時進行されているのだと思うわ」[アル]
「ええ、間違いないでしょう」[デミ]
「あ、そうそう、帝国が属国になることが決まったから」[アル]
「なっ、もうですか?」[デミ]
「ええ、アインズ様が私とのデートのついでにサクッとまとめてしまわれたのよ。あなたにも見せてあげたかったわ、自分はアインズ様の手のひらの上で踊っているだけなんだと理解した時の、皇帝の顔を」[アル]
「素直にあなたが羨ましいですよ、アルベド。あぁ、それにしてもアインズ様は素晴らしい。
アインズ様が耳にし、目にされている情報は私たちよりも圧倒的に少ないはずなのに、常に私たちより優れた結果を出される…………」[デミ]
「それこそがアインズ様の、唯一絶対なる私たちの主人の力よ」[アル]
「私たちも及ばずながら、力を尽くさなければなりませんね」[デミ]
「ええ、さっそく明日にでも、アインズ様が納得される帝国の属国プランを練りましょう」[アル]
「そのまえに、わたしとおふろにはいりましょう!」[モモ]
「ふふ、そうだったわね。じゃあデミウルゴス、私はモモルとお風呂に入ってくるわ」[アル]
「それでは、私もアインズ様にお会いする前にスパにでも行ってきましょうかね────」[デミ]
魔導国編終わり!
いやー、勢いでアウラとマーレを妊娠させてしまった。
次回のドワーフ編では、シャルティアと誰が付いていくことになるんだろう?
勢いで書いているので、現時点では何も考えてないです。
頑張れ、私。