このエントリーは「アイドル化」を読んでから読んでもらいたい。
2年以上経って、どんどん考えがまとまっていく。


アイドルが初めて「アート」となった瞬間だ。

では、「アイドル」と「アート」の違いとは何か?
これは単純明快に答えられる。

「物語」の有無だ。


アイドルは、その誕生から、成長、そして解散への「物語」を見る。
だからメンバーの人となりは必ず見られる。
むしろ、それありきの存在だとも言えるだろう。

一方でアートは「作品」だ。
それ単体で成立するものだ。
成長などという「物語」など要らない。
誰が絵画や音楽に「成長」とか、そんなもので感動するのだろう?ていうか、そんな知識要るか??


「作品」と「物語」は違う。
端的に言えば、「作品」は作者(演者)の人となりは関係なく、「物語」は作者(演者)の人となりが重要になってくる。


ベートーヴェンを聴く時、彼の「成長物語」を考えることは、今や御法度とすらされている。
彼が難聴だったとか、そんなものは彼の楽曲とは関係ないとされる。
それでも人はそれを関係させたがったから、案の定「佐村河内守」とかいうペテンが現れた。
もうアート界がこれ以上勘違いすることはゆめゆめ起きないだろう。

ゴッホの絵画も同様だ。
彼らの人となりや人生と、作品とは何の関係もない。それが現代芸術学の常識だ。


しかし、それがどうしても理解できない、可哀想なくらいのアホがいる。
それが、オタクだ。


今も作品そっちのけで、クリエイターの人となりや言動ばかり気にしている。
お前、作品観る気あるの??

かつてどこぞの能無しハゲラッパーが「監督のアイドル化」を宣言した時点で、趨勢は決まっていたのかも知れない。
「作品を観ずに作者ばかりを見る」時代の到来だ。


宇多丸、お前、予言的だったよ。
全然悪い意味でな。
責任取れよ。


アイドルが自分の「物語」に挫折し、アートが「作品」を観られなくなった。
これが今、現状だ。

ちょっと、みんな落ち着いたらどうだ?
お前ら、何を見ているんだ?見たいんだ??
今こそ眼と耳をしっかり洗って、出直してこい。