不正受給疑い調査対象のメール流出 内閣府外郭団体、ずさん管理
内閣府の外郭団体で全国の企業主導型保育所を管轄する公益財団法人「児童育成協会」(東京)が、助成金の不正受給疑いがあるとして調査中の事業者名が含まれたメールを誤って全事業者に送信していたことが29日、京都新聞の取材で分かった。同協会は昨年4月にも事業者のメールアドレスを流出させており、ずさんな情報管理に批判の声が上がっている。
企業主導型保育所は、企業が従業員向けに設ける認可外保育所。国が待機児童対策の目玉として2016年度に制度を創設し、今年3月末現在、全国に2597カ所ある。児童育成協会は内閣府から委託を受け、各事業者の助成金支給や監査を担っている。
同協会によると、今月25日、担当者が17年度の監査を踏まえた留意事項に関するメールを全事業者に送った。その際、メールの転送機能を誤って使用し、内閣府とやりとりした内部メール10通を削除せずに送信してしまったという。
関係者によると、メールの主な内容は打ち合わせの調整で、助成金の不正受給疑いがあるとして調査中の事業者や、経営破綻して民事再生手続きに入っている事業者の実名が書かれていたという。
昨年4月にも、メールを「Bcc(秘密)」に設定しないまま一斉送信したため、事業者のメールアドレスが全事業者に流出する事案があったという。
同協会は「担当者が不慣れだったためだが、それで済む問題ではない。再発防止を徹底したい」としている。
【 2018年10月30日 08時05分 】