表情豊かな原監督の最高の写真を選ぶことはカメラマンにとって大変な作業
4年ぶり3度目の指揮を執ることになった巨人・原監督の就任会見と今季まで3年間チームを率いた高橋前監督の退任会見の会場には、2人同席しての会見ということもあり、その注目度から大勢のメディア、そしてカメラマンも続々と集まった。会見が始まると無数のフラッシュを浴びながら新旧の監督がそろって入場した。原監督の挨拶が始まると更にフラッシュが焚(た)かれ、カメラマンが一斉にシャッターを切った。
原監督のあふれんばかりの表情は記者の質問にマイクを握り答えているだけにも関わらず、次から次へといろいろな表情を見せてくれる。笑顔から力強い表情、時には厳しい表情まで様々で表情の多さに驚かされた。
それに対して高橋前監督は、シーズン中も常に冷静沈着でポーカーフェイスという印象だ。会見でも笑顔を見せることは少ないが、そこもまた高橋前監督の魅力的なところだ。選手時代から巨人のスター選手として活躍した新旧の両監督だが、2人の監督が並び会見すると表情の多さという点では原監督が目立っていた。
カメラマンの仕事はやり直しがきかない。写真は自分がどのようなイメージを持って写真を撮るかを明確にすることが重要で、自分のイメージ通りになることを願いながらシャッターを切る。特に会見などの被写体にほとんど動きがない場面では、わずかな表情の変化は撮り逃すことができない。しかし、原監督を撮っているとイメージ以上の表情が出て来て、次から次へと最高の表情を見せてくれる。その数の多さから、「その日で最高の一枚」の写真を選ぶことが大変な作業になるほどだ。巨人担当カメラマン2年目の私にとって、原監督を撮影するのは大変だと感じるのと同時に実に楽しい。次はどんな表情を見せてくれるのか、その表情を撮り逃さないように緊張するが、カメラマンとして撮影しがいのある監督だ。
2019年シーズンに向け、また新たなスタートを切る原監督がどのような表情を見せてくれるのか今から楽しみだ。そしてシーズンの最後には、日本シリーズで胴上げされる原監督が見せる最高の笑顔を撮りたいと願っている。(記者コラム 写真部・中島傑)